世界の動き 2022.4.25 Monday

N.Y. Times 電子版より
今日の一言:
N.Y. Timesではフランスの大統領選がトップニュース。
日本では遊覧船の事故がトップニュース。
いずれもロシアのウクライナ侵攻以来初めて。

1.マクロン、フランスの大統領に再選
【記事要旨】
 マクロンはルペンを破りここ20年来初の再選を確実にする。得票率は前回の66.1対33.9から58.5対41.5へと減少。露との結果の出なかった外交交渉や物価上昇に関心が低いと見られたマクロンだったが、コロナのコントロールの実績や安定への約束が勝利へと導いた。ルペンは露の銀行から数百万ドルの借入あり従来ロシアに融和的なので、マクロンの勝利は欧州首脳に安心感を与える。
【感想】
 マクロンの順当な勝利であり欧州の安定に寄与すると思われる。

2.マリウポリは陥落せずと司令官語る
【記事要旨】
 アゾフスタル製鉄所は露軍の繰り返す攻撃を退け保持しているとウ軍司令官は語る。市民の安全な退去が保証されるなら彼の軍隊は製鉄所から退去すると語る。ゼレンスキー大統領は米国務長官、国防長官と面談予定。ロシアは正教のイースター休戦の呼びかけにも関わらず東部で攻勢強化。オデッサ市にもミサイル攻撃で少なくとも8人が死亡。
【感想】
 少し不謹慎な感想。ミサイル攻撃による死者数は驚くほど少ない。ミサイルによる大規模な殺戮には特殊兵器が必要だということだろうか。

3.太平洋でのパワーシフト
【記事要旨】
 アジア太平洋での中国の拡大主義に対し、日本とニュージーランドは秘密情報の交換を約す情報保護協定を締結。日本の岸田首相とニュージーランドのアーダーン首相の発表は、「力による現状変更に反対する」とし、中国がソロモン諸島と安保条約を締結した2日後になった。日本は、米、英、加、豪、ニュージーランドによる情報交換ネットワークであるファイブアイズへの参加を希望しているが、日本の情報の扱いに5か国は懸念している。ニュージーランドも中国への貿易依存度高く5か国内では弱い立場と見られる、
【感想】
 アーダーン首相の来日は全く知らなかった。20日から23日の間来日していたのだ。日本のTVだけ見ていると世界の動きがわからない。

その他:
日本の観光船事故
At least 10 people died after a Japanese tour boat sank off the coast of Hokkaido Island. Sixteen more are missing.
EUではネット情報に法の網
A landmark new law from the European Union would force internet service companies to combat misinformation and restrict certain online ads. Similar efforts in the U.S. have stalled.
ニューヨークのチャイナタウンに変化
In New York City, Chinatown’s civic groups have long used their coveted real estate portfolio to hold back encroaching gentrification. But the pandemic introduced new costs, which could force the graying owners to sell and dramatically upend the neighborhood’s delicate balance.

(2022.4.25 Monday)

日米安保第5条の適用

日本の首相は、米国の大統領や国務長官に会うたびに、尖閣列島へ安保条約5条が適用されることを、確認している。米大統領や国務長官はすべからく「適用される」と明言しているが、それで喜んで良いのだろうか。

 安保条約5条を引用する。
『第五条 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
 前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。』


 突っ込みどころが多い条文だ。

・「日本国の施政の下にある領域における」とあり、尖閣は日本の施政権が及ぶと判断されている。尖閣の領有権について米国は判断を逃げており、日本の国土だと明言していない。今は日本が施政権を持っているとみなされているが、中国が漁民を大挙尖閣に上陸させたら施政権を中国が主張できることになりはしないか。

・「自国の憲法上の規定及び手続きに従って」とあるが、米国で開戦の設定を出来るのは議会だ。大統領の一存で開戦の判断は出来ない。日本と中国の間にある小島の問題で、米議会が、「日本を守るために中国と戦争すべき」と判断してくれるとは考えにくい。日本本土や沖縄への攻撃は、駐留米軍への攻撃と同じなので米軍は自国を守るために戦うだろう。それは日本を守ることにもなるのだ。

 ロシアのウクライナへの理不尽な攻撃は、日本の防衛論議に火をつけた。憲法9条をめぐり、護憲派と改憲派の違いも鮮明になってきた。「豊かで平和」な日本を守るためには何が必要か、大きな視点で考え直す必要がある。

(2022.4.24 Sunday)

マグリット「光の帝国」考

マグリットの「光の帝国」は多くの人が美術史の教科書で見たことのある作品ではないだろうか。ニューヨークの近代美術館MOMAにはVer2が所蔵されているので、私が原画に感動したのはMOMAでのことだったのかと思う。

 長く忘れていたこの絵のことを思い出したのは、額装に手ごろなA2以上の大きなポスターを捜すと、「光の帝国」ばかりが出てくるからだ。ポスターとしてはコントラストが強く人気があるようだ。

 夕闇が立ち込めた人家の前の街灯にともる明かり。街頭に照らされたところだけが明るく、それ以外は暗く沈んだ家。家の上に広がる昼のような青空。神秘的な絵が現代人の心を揺さぶるのだろう。

 このころ、書架を整理しており書き込みのない本はブックオフに持ち込む週末が続いている。査定を待つ間にCDを見ていたらJackson Browneの名前を見つけた。なつかしさのあまり手にとる。Late for the SkyというBrowne3作目のCDだ。

 思わす買いました。なぜかって?                      ジャケットが、家の前に50年代のCadillacが停まっている光の王国の絵だったからです。

(2022.4.23 Saturday)

世界の動き 2022.4.22 Friday

N.Y. Times 電子版より
今日の一言:
TGIF Thank God It’s Friday! やれやれ、やっと金曜日だ。
全米に広がるTGI Fridaysの名前の由来を知ったのは渡米後直後だった。TGI Fridaysは最近日本でも見かけるようになった。週末はステーキを食べて元気を出しますかな。

1.プーチンは勝利宣言
【記事要旨】
マリウポリの製鉄所は陥落せず露は兵糧攻めに方針転換し勝利宣言。木曜のTV中継でプーチンは理性的で慎重な戦時のリーダーを演出。国内での不満をなだめる狙いか。沈没したモスクワで行方不明になった息子たちの親は、真相開示を要求。バイデンはウクライナへ新規に5億ドルの経済援助と8億ドルの軍事援助を約す。露の新型大陸間弾道弾の発射実験は米国民に露への恐怖を高める。
【感想】
最後の一兵まで戦う。太平洋戦争での日本兵の玉砕を髣髴とさせる。どのように評価すべきか、考えがまとまらない。

2.イスラエルとガザの間にミサイルが飛び交う
【記事要旨】
5月の11日間戦争以来最大規模のミサイル攻撃の連鎖。過越しとラマダンが重なった聖地「神殿の丘」ではアラブとユダヤ間の緊張が高まる。イスラエルとハマスは人的な被害が発生するのを押さえようと努力しており、これ以上の軍事衝突には抑制的。
【感想】
これまで世界に戦争情報を流してきた中東が、ウクライナ戦争ですっかり影が薄くなった。イスラエルはUAEやサウジとの国交を回復しておりパレスチナでの紛争の鎮静化に効果が出ているのだろう。

3.韓国では歴史的判断
【記事要旨】
韓国の最高裁は、軍事施設以外での合意による同性の兵隊の間での性交は罰せられるべきでないと判断。従来は、合意の有無や起きた場所に関わらず軍隊での同性間の性交は最大2年間の禁錮刑が課されていた。人権団体はこれまでの魔女狩りが改められたと評価。同性婚は韓国では認められず、右派はAIDSの拡大や北朝鮮の脅威への備えが弱まると同性愛への批判を強めてきた。
【感想】
韓国の最高裁の判断は政権への忖度が見られた。韓国での政権交代は憲法判断にどのような影響を与えるのだろうか。日本との関係でも気になるところだ。

その他:
アフガンでのテロは続く
An explosion at a mosque in Mazar-i-Sharif, Afghanistan, killed at least 10 people on Thursday. An ISIS affiliate claimed responsibility for the blast, the latest in a series of attacks against one of Afghanistan’s religious minority groups.
都市が拡大すれば排気は増える
Portland, Ore., has tried to coax people out of their cars, but highway expansions are threatening the city’s climate goals.
インドでカンガルーが
Scared, hungry kangaroos have been turning up in eastern India, confusing residents. The misplaced marsupials were most likely bred to be exotic pets and trafficked into the country. Legislative efforts to close loopholes in India’s roaring wildlife trade have intensified recently.

(2022.4.22 Friday)

世界の動き 2022.4.21 Thursday

N.Y. Times 電子版より
今日の一言:
今日は大安吉日auspicious day。良いことがあるかな。。。

1.ロシアはミサイルのテストで戦争の拡大を脅迫
【記事要旨】
 ロシアは300マイルにわたり東部での攻勢拡大。新型大陸間弾道弾のテストでウクライナの支援を拡大する米欧を警告。東部では戦闘は膠着しているが露軍の兵力増強で流血の増加が見込まれる。マリウポリでは露の投降呼びかけに対しウ軍は拒否。女性子供に向けた一時的な人道回廊の設置協議。
 G20では露代表の発言が始まるやイエレン財務長官を始め数か国の代表が退席した。
【感想】
 本格的な核戦争を辞さないというプーチンの意思表示。米ロの代理戦争から第三次世界大戦への道は何としても防がねばならないが、狂気の指導者をどう食い止めるか名案はない。

2.上海でのコロナ死者の少なさは疑問を投げかける
【記事要旨】
 公式発表では上海では40万人の感染で死者はわずかに17人。情報の透明性のなさからこの数字の信頼性は疑問視されもっと多くの死者がいるのではないかと推定される。糖尿病関連でコロナ死者が1000人以上出ると高名な医師が発表。習近平は感染者数と死者数の圧縮を目指す政策は変更しておらず、公表数字の信頼性には疑問符。
【感想】
 中国がゼロコロナに執着しているおかげで日本の対応が目立たなくなっているが、世界の中でも日本の対応はかなりずれている。電車に乗ると全員がマスクをして全員がスマホをいじっている。シュールだ。

3.コロンビアでは麻薬取引をめぐり武装勢力が争う
【記事要旨】
 コロンビアのアマゾンでは麻薬取引をめぐり多くの無法者が集結している。2016年に政府は反政府武装組織と和平合意を結び麻薬取引を止めるのと引き換えに同地域への経済援助や就業機会の拡大を約したが進んでいない。このままでは麻薬ギャングが地域に跋扈するメキシコのようになる懸念。
【感想】
 確か2016年当時のコロンビアの首相がノーベル平和賞をもらったような記憶がある。麻薬は強権で押さえるか、他の選択肢の方が経済的にメリットがある、という解決策が示されないと解決しない。徹底した策を講じるには資金面の支援が不可欠であり、麻薬の最大需要国のアメリカが動かなければならない。

その他:
中国が南太平洋に橋頭保
A security deal between China and the Solomon Islands provides a broad mandate for China to potentially intervene when its foreign investments and diaspora are under threat.
ジョンソン首相謝る
Prime Minister Boris Johnson apologized to members of Parliament after he was fined by the police for breaching Britain’s Covid restrictions, but only one member of his own party called on him to resign.
スターフェリー存続の危機
In 1880, the Star Ferry was founded by a Parsi businessman who had come to Hong Kong from Mumbai as a stowaway. It became the first scheduled public ferry service to connect Hong Kong Island to the Kowloon Peninsula, and the Chinese territory beyond it. In the 142 years since, it has become part of the lifeblood of the city. But battered by the pandemic — and China’s crackdown on the island — the service is struggling to survive.

(2022.4.21 Thursday)