世界の動き 2025年1月14日 火曜日

今日の一言
「南海トラフ地震」
 昨夜ラジオを聞いていたら緊急地震速報が鳴り響いた。
 日向灘で震度5弱(マグニチュードは6.8)の地震が発生したのだ。マグニチュードが7以下だったので「南海トラフ巨大地震の発生注意」には至らなかったことを今知った次第だ。
 南海トラフ地震については発生の可能性の計算方法への疑念が呈され、学者の見解も政治や経済的なポジショントークと化している観もある。
 昨夜の地震では南海トラフ全体で揺れが広がったので、地域限定タイプの地震とは明らかに違うと素人には見える。自分で出来る準備は怠りなく行っておきたい。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ロサンゼルスは危険な風に備え
【記事要旨】
 ロサンゼルスの破壊的な山火事では少なくとも24人が死亡し、2つの火災地域で少なくとも16人が行方不明になった。
 強風のため火災危険警報が明日まで発令された。消防隊は風に備えて危険地域に派遣されている。
 火災の原因の調査が進行中で、当局は近くの電線を原因として調査しているが、放火の可能性も排除されていない。
 平常に戻る兆候がいくつかあった。先週、一部の地元の学校が再開し、テレビ番組の制作も再開された。
 格差:地元と州の消防隊が地域全体の火災と格闘する中、裕福な住民が1日数千ドルで雇った民間の消防士が個々の家の監視を続けた。
【コメント】
 山火事の多発で南カルフォルニアでは保険会社が火災保険を引き受けないため、付保率が下がっているそうだ。保険が無ければ普通の家庭では住居の再建は不可能だ。住宅街の復活には膨大な時間と資金が必要だ。

2.韓国大統領の運命が決まる
【記事要旨】
 韓国の憲法裁判所は本日、尹錫悦大統領を弾劾後に罷免すべきか復職させるべきかの審議を開始する。先月、尹大統領は短期間の戒厳令を布告し、この国を数十年で最悪の政治危機に陥れた。
 対立する市民グループは数週間にわたり、どちらの結果にも抗議しており、一部の強硬派は裁判所が自分たちに有利な判決を下さなければ内戦が勃発する恐れがあると警告している。
 今後の展開: 尹大統領が罷免されれば、任期終了前または終了後に追放、投獄、またはその両方を受ける保守派大統領は3人連続となる。復職すれば、将来の指導者が戒厳令を政治手段として使う前例となる可能性がある。
【コメント】
 常識的に考えれば罷免だろうが、憲法裁判所の裁判官6名(現在3名欠員)の一致が必要なのが大統領支持派の頼みの綱だ。

3.ロシア軍の背後にある領土交渉の切り札
【記事要旨】
 ロシアのクルスク地域では、ロシア軍とウクライナ軍がこれまでで最も激しい戦闘を繰り広げている。両軍にとって極めて重要なこの地域は、停戦交渉で重要な役割を果たす可能性がある。ウクライナは、この地域を交渉の切り札として利用したいと考えている。
 現地の状況:北朝鮮の増援部隊の支援により、ロシアは夏の間に失った領土の一部を回復した。ウクライナ軍兵士は、戦闘がこれほど激化している一因は北朝鮮軍にあると述べている。
 関連:捕らえられた北朝鮮兵士が尋問を受けているビデオは、彼らが戦っている戦争についてほとんど何も知らなかったことを示している。
【コメント】
 早くトランプに就任してもらい、血みどろの戦いに一時停電を実現して欲しいものだ。

その他の記事
ガザ:
 停戦交渉は、調停者がトランプ大統領就任前に戦闘停止と人質解放を迫る中、新たな勢いを得ているようだ。
テクノロジー:
 バイデン政権は、中国に先進技術を持ち込ませないようにし、最先端のAIが米国とその同盟国によって開発されることを確実にすることを目的とした新規則を発表した。
中国:
 北京は、輸出が世界を席巻し、昨年の貿易黒字がほぼ1兆ドルに達したと発表した。

日本:
 米国地質調査所によると、同国南部の沖合でマグニチュード6.8の強い地震が発生した。

2025年1月14日 火曜日

世界の動き 2025年1月13日 月曜日

今日の一言
「成人の日」
 英語ではComing of Age Dayと訳されている。あまり海外では聞かない祝日だ。
 相変わらず祝賀行事が全国で繰り広げられているようだ。必ず振袖と白いショールで着飾った女性が映される。
 見るたびに考える。これは日本の麗しき伝統なのか、それとも変われない日本社会の象徴だろうかと。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ロサンゼルスの火災が続く中、行方不明者数増加
【記事要旨】
 日曜日までに、火災により少なくとも16人が死亡し、行方不明者数は時間とともに増加している。
 住宅街全体が破壊され、火事を引き起こした突風は、一時の小休止の後も再び発生すると予想された。パリセーズの火災の勢いは食い止められたが火災リスクは依然として高いままだ。10万人以上の住民が依然として避難命令を受けている。
 少なくとも11人が死亡したイートンの火災は、カリフォルニア史上最悪の死者数となっている。捜索隊は死体捜索犬とともに、炎で焼け落ちた住宅街を捜索した。
 政治批判:次期大統領ドナルド・トランプ氏は自身のサイト「トゥルース・ソーシャル」で州当局者を「無能」と呼び、トランプ氏が破壊を政治利用していると発言しているカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事との長年の確執を再開した。
 受刑者消防士:900人以上の受刑者が、この致命的な火災の拡大を遅らせるために活動している。カリフォルニア州は長年、山火事の消火活動に受刑者を頼ってきたが、この慣行に対する批判が再燃している。
【コメント】
 甚大な損害だ。日本では大震災の後に火災発生が予想されているが準備はしっかりできているのだろうか。

2.スーダン内戦の転換点となる可能性
【記事要旨】
 スーダン軍は今週、ワドマダニ市を、1年ちょっと前に同市を制圧した準軍事組織、ラピッド・サポート・フォース(RSF)から奪還した。
 2年近く前に内戦が始まって以来、最も重要な勝利となり、戦場の様相が一変する可能性がある。RSFのリーダー、モハメド・ハムダン将軍は、同市をすぐに奪還すると誓った。
 スーダンの住民は、ポートスーダンで教会の鐘が鳴る中、勝利を祝うため首都ハルツームの通りに集まった。住民は、このニュースが、虐殺、民族浄化、広がる飢餓につながった内戦の転換点となることを願っていた。
【コメント】
 スーダンはエジプトの南に位置し東は紅海に面している。内戦が断続的に継続。2021年にクーデターが発生し、統治評議会の議長に軍部派、副議長にRSF派が着任した。その後、軍部がRSFを軍に組み込もうとしたことで両者は対立し、2023年4月15日に軍事衝突が発生している。

3.ブラジルでデジタルギャンブルが広がる
【記事要旨】
 動物くじは、ギャンブルゲームとして何十年もの間、多くのブラジル人にとって日常的なものであり、血みどろのマフィアの抗争を煽ってきた。しかし、デジタルギャンブルは人々の賭け方を変え、組織犯罪を覆している。
 2018年にブラジルで合法化されたデジタルギャンブルは、国内で大騒ぎを引き起こし、当局は業界を規制する方法の決定を迫られたが、現在、毎年220億ユーロ以上の賭け金を集めており、アナログギャンブルの10倍である。そのお金の一部は、合法的な賭博サイトを使って収益を洗浄してきた動物くじのボス自身から来ている。
【コメント】
 動物くじ(the Animal Lottery)と言いうのはどういうものかわかりませんでした。サイトは見つかるがすぐプレイすることを求められる。

その他の記事
中東
ガザ:イスラエルの治安当局の責任者らがカタールに到着し、バイデン大統領の退任前に人質を解放する停戦協定について協議した。
シリア:シリア人数千人が、少なくとも部分的にイスラエル軍が支配する地域に住んでいる。イスラエルの一時的な防衛措置とされるものが長期化する恐れがあると懸念する声もある。

アジア太平洋地域
韓国:先月墜落し179人が死亡した済州航空機のフライトレコーダーは、最後の4分間の記録を停止した。
シンガポール:建国の父は長年住んでいた家を博物館として保存するのではなく破壊することを望んだ。その建物は現在、家族の確執の中心となっている。

ヨーロッパ
ウクライナ:ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシア西部のクルスク地方で負傷した北朝鮮兵士2人を捕らえたと発表した。
イタリア:バチカンは同国向けの新しい教会ガイドラインで、同性愛者は独身を貫く限り司祭になるための訓練を受けることができると述べた。

2025年1月13日 月曜日

トランプ旋風

 就任前からトランプ旋風が吹き荒れている。曰く、グリーンランドは米国領たるべし。パナマ運河は米国領たるべし。関税を避けたければカナダは米国の51番目の州になるべし。メキシコ湾という呼称はアメリカ湾にすべし。非常事態宣言を出して就任初日から輸入品に一律に関税を課す。等々だ。

 トランプの(少なくとも現状は)バディーであるイーロン・マスクは、ドイツのショルツ政権をこき下ろし、極右のAfDへの支持を公言している。英国の労働党政権も非難の的だ。

 こんなに訳の分からない乱暴者が近くにいたらどうするか。「ジャイアン」の子分の「スネ夫」のように言うことを聞きまくるか、「のび太」のように、いうことを聞くふりをしながら事態の変化を待つか、どちらかだ。本当は「できすぎ君」のようにずば抜けた成績でジャイアンに一目置かれる存在になれば良いのだが、これは中国が取りうる戦略で、現在の日本には一目置かれる材料が乏しい。

 だらだら先延ばしするのは日本の得意技で、「検討します」と言うのは「何もしない」という意味で、「真剣に検討します」と言うのは「少し考え始めてみる」という意味だという政府・官庁用語はわれわれにはおなじみだ。

 とりあえず「検討事項」が積みあがるかもしれないが、その内に潮目は必ず変わるものなので、のらくらと時間をかけて「誠心誠意」対応すれば良いのだ。

2025年1月12日 日曜日

石破総理のマレーシア、インドネシア歴訪

 最初の外訪先としてASEANの当初メンバーであるマレーシアとインドネシアを選んだのは妥当だ。対日感情に問題は無いし、難しい二国間問題も無い諸国だ。

 この外訪を巡り、メディアでは、「同志連合」「(対中を念頭に置いた)防衛協力」「法の支配」といった言葉が躍っているが、能天気と言うほかない。

 今やASEAN諸国の最大の貿易相手国は中国であり、南シナ海を巡る領土問題があるものの、これらの諸国には中国と対立しようという考えは夢にも無い。プラグマティックな諸国は、「同志」「法の支配」という鼻白むようなお題目には、反対しないまでも、興味は無い。彼らにとっての国益は、中国と日本から最大の経済的なメリットを引き出すことだ。

 「防衛協力」については、日本人から見ても、噴飯物だ。日本は尖閣列島を囲む領海への中国船の侵入を有効に阻止できていない。日本のEEZに中国が設置したブイ一つについて(最近一つ増えたらしいが)さえ、毅然とした対応が出来ていない。万一どこかの敵国から武力行使を受けても、現場の指揮官には武器で反撃する権限も法律上与えられていない。

 こんな国と真剣に防衛協力する国があるものだろうか。

2025年1月11日 土曜日

世界の動き 2025年1月10日 金曜日

今日の一言
「日鉄、USS交渉の勝者」
 日鉄がバイデン大統領と米鉄鋼メーカーを相手取ってUSS買収の差し止めを阻止する訴訟を起こした。
 この訴訟は長引きそうだ。

 どういう結果になっても、訴訟の勝者はUSSでも日鉄でも米政府でもない。弁護士事務所が明確な最大の勝者だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.消防士たちはロサンゼルスの山火事の鎮圧に急いだ
【記事要旨】
 当局は昨日の風速の低下が消防士たちが火災を鎮圧するチャンスとなることを期待していた。死者は現在5人だが増加が見込まれる。約18万人が避難命令を受けた。
 危険な突風であるサンタアナの風は週末にかけて強まで続くと予想されている。ヘリコプターと飛行機が不吉なオレンジ色の空から水を投下し、消防士たちは新たな水を供給して火災と戦った。
 有名人や芸能界の重役たちが住むハリウッドヒルズも、一晩で燃え始めた。パリス・ヒルトン、ビリー・クリスタルなどセレブリティが家を失った。
 警察当局によると、混乱の最中に20人が逮捕され、略奪の罪で告発された。
 背景:米国の小さな州2つ分の大きさがあるロサンゼルスでは、災害や暴動が都市の片側で起きても反対側では現場から遠く離れている。しかし、今回の山火事は大都市全体を襲っている。
【コメント】
 「サンタアナの風」は、南カリフォルニアに特有の海に向かって吹く強い乾燥した風だ。レイモンド・チャンドラーの小説にもよく出てくる。「カリフォルニアの木立の中では煙草を外に捨ててはいけない」とフィリップ・マーロウが言うくだりがPlaybackにある。
 不謹慎な言い方だが中国の電磁戦より放火の方が米国への打撃は大きい。

2.レバノン、2年間の膠着状態を経て大統領を選出
【記事要旨】
 レバノン議会は、レバノン軍司令官のジョセフ・アウン将軍を次期大統領に選出した。
 アウン氏は第2回投票で圧倒的多数で勝利した。レバノンは近年、経済崩壊やイスラエルと過激派組織ヒズボラとの戦争など、一連の災難に耐えてきた。
  背景:アウン氏は米国の支援を受けているとみなされており、レバノンで広く尊敬されている。2017年以来、同氏は軍を率いており、軍は宗派を超えた支援を受ける唯一の国家機関である。
【コメント】
 リーダーの不在が2年ぶりに解決したが、レバノンと言えばカルロス・ゴーン氏はどうしているのだろうか。

3.米国のウクライナ支援のやり方
【記事要旨】
 「ウクライナ防衛連絡グループ」は今週、バイデン政権下では最後の会合を開く。このグループは2022年のロシア侵攻後に初めて結成され、ウクライナに援助と弾薬を提供した。また、米国の古くからの敵を弱体化させるまれな機会を与えた。
 バイデン政権は米国の同盟国に支援を求め、NATO加盟国以外の国との関係も利用した。米国当局者によると、このグループの結成方法は、台湾に対する中国の攻撃など、大規模な紛争に対応する青写真となる可能性がある。
 今後の展開:グループの運命は不透明だ。トランプ次期大統領はウクライナ支援に非常に懐疑的で、プーチン大統領を気に入ってきた。米国が撤退した場合、別の国が引き継ぐ可能性があると国防総省は述べた。
【コメント】
 なるほど、こんな組織があったとは知らなかった。トランプは当然継続しないから戦争はNATOの課題になる。

その他の記事
追悼:
 ワシントンでジミー・カーター元大統領の栄誉が称えられ、米国の存命大統領5人が集まり、別れを告げた。
ベネズエラ:
 同国の人気野党指導者マリア・コリーナ・マチャド氏がカラカスでの反政府デモ中に拘束されたと同党が発表した。
経済:
 米国で最も人気のある住宅ローンである30年住宅ローンの平均金利は、7月以来の最高水準に上昇した。

2025年1月10日 金曜日