今日の一言
「債券自警団Bond Vigilantes」
長期国債の金利上昇が止まらない。個人になじみの深い個人向け10年物国債の利回りは1.5%になった。6月には0.55%だったので、急上昇ぶりがわかる。
最近目にすることが出てきた「債券自警団」という言葉がある。これは、過度な財政出動のような問題の大きい政策がとられた場合、投資家らがその国の国債を損失回避のために売却し、財政規律の緩みを牽制する市場の作用をいう。
米国のエコノミストが約40年前に名づけたといわれるが、日本でも自警団が活躍できる金利のある世界がそろそろ成立してきたようだ。
ニューヨークタイムズ電子版より
イランで記者が見たこと:崖っぷちにいる国家
【記事要旨】
イランを取材したTimesの記者は、戦争の痕跡が残る一方で、国民が不安を共有しつつも多様な姿を見せていることを報告している。
革命防衛隊将軍の追悼では反米・反イスラエルの声が響く一方、若者を中心にインターネットで外の世界とつながり、政府への反発や変化への願望も強まっている。特に女性のヒジャブ離れは象徴的な変化とされる。
ただし、彼らは外国による介入を望んでいないため、戦争が反乱を誘発するというイスラエル側の期待は外れている。加えて、水不足や電力不足といった生活面の困難も国民を疲弊させている。
戦闘は一時停止しているが、防衛力の脆弱さや核開発をめぐる選択に直面する中、今後数ヶ月はイランにとって極めて重要な時期になるとみられている。
【コメント】
中東の大国の様子は日本ではほとんど報道されないので、興味深い記事だ。
その他の記事
ウクライナ:ロシアは、キエフで戦争中最大規模のドローン攻撃を仕掛け、5人が死亡、首相官邸が損傷した。ウクライナの防空軍の網の目の中心に位置する政府地区の主要建物が損傷したのは、戦争勃発以来初めてのことだ。トランプ大統領は昨日、ロシアに対する新たな制裁措置を進める用意があると述べた。
【コメント:トランプの有言不実行が目立つ対露政策だ。米国は何をしたいのか全く見えない】
日本:石破茂首相は、就任から1年も経たないうちに辞任する意向を表明した。自民党は7月の衆議院選挙で大きな打撃を受け、新たな右派勢力が支持を獲得した。
【コメント:この人も、総裁選で登場した際にした約束を果たしていれば、早期退陣に追い込まれることはなかっただろうにと悔やまれる】
ガザ:イスラエルがガザ市への全面侵攻に先立ちパレスチナ人を南へ追いやる計画は、エジプトとの緊張を高めている。エジプトは、イスラエルが自国領内に住民を押し込もうとするのではないかと懸念している。イスラエル軍は、ハマスが利用しているとしてガザ市の高層ビルを攻撃している。
【コメント:南に圧迫されたガザ住民が流出するのはエジプト方面しかない】
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韓国:ジョージア州の建設現場での入国管理捜査中に拘束された韓国人労働者数百人を解放することで米国と合意した。
【コメント:「450人を拘束」の昨日の報道には仰天した。友好国からの重要プロジェクトでも、不法移民は容赦しないというトランプの考えだ。この点だけはTACOではない。】
2025年9月8日 月曜日