株式市場動向 2026年1月2日から9日 備忘録

【株式市場全般】 米国は年初に一度下落した後、1月7~8日にかけて主要指数が再び高値圏に乗せる展開となり、日本は初商い(1月5日)から日経平均が約3%急騰する「強いスタート」となりました。 地政学リスクの高まりはボラティリティやセクター間の強弱に影響を与えたものの、生成AI関連・半導体と大型テック(マグニフィセント7周辺)への資金集中という、2025年からの流れを基本的には継続させています。

1. 米国株式市場(1/2~1/9)
1月2日の米株は2026年初日こそエネルギー・資本財が上昇する一方、消費関連や通信サービスが軟調で、S&P500・ナスダックとも週トータルではマイナススタートとなりました。
​ ただし、その後の取引ではダウが1月7日に49,000ドル台へ上昇し、S&P500も過去最高値更新、ナスダックも上昇する局面があり、週後半にかけて指数全体は再び高値圏を試す動きとなっています。

 米国主要指数
S&P500
2025年終値:約6,845ポイント
2026年1月9日終値:6,966.28ポイント 騰落率:約+1.77%
ダウ平均
2025年終値:約48,062ポイント
​2026年1月9日終値:49,504.07ポイント騰 落率:約+3.00%
NASDAQ総合
2025年終値:約23,242ポイント
​2026年1月9日終値:23,671.35ポイント 騰落率:約+1.85%

2. 日本株式市場(1/5~1/9)
 東京市場は1月5日の大発会で日経平均が前営業日比約1,493円高(+2.96%)の51,832.80円、TOPIXも約2%高で、2026年を力強くスタートしました。
​ 上昇を主導したのは半導体・AI関連など大型テックであり、背景には米国でのAI・半導体株高と円安進行を織り込んだ海外投資家の買いがあると分析されています。

 日本主要指数
日経平均
2025年終値:50,339.48円 2026年1月9日終値:51,939.89円
​騰落率:約+3.18%
TOPIX
2025年終値:3,408.97ポイント 2026年1月9日終値:3,514.11ポイント 騰落率:約+3.08%

3. 地政学リスクの影響
 年初は米軍によるベネズエラへの軍事行動など、地政学リスク要因が意識されましたが、東京市場ではこれに対する反応は限定的で、むしろAI・半導体主導の上昇トレンドが優勢でした。
​ 米国市場でもインフレ鈍化や利下げ観測、強い企業収益がリスク要因をある程度相殺し、指数全体としては「調整を挟みつつも高値圏維持」という姿になっており、リスクはボラティリティ要因として残りつつもトレンドを完全には崩していません。

4. 生成AI関連・半導体の過熱感
 米国では2026年入り後も半導体・AI関連株が上昇基調を維持し、1月2日のセクター別ではエネルギー・資本財と並んでチップ(半導体)銘柄が上昇し、市場を相対的にアウトパフォームしました。
​ 日本でも大発会の急騰は「米国でのAI・半導体高を受けた買い」が主因とされ、生成AI・半導体関連への期待と高バリュエーション容認のムードが、TOPIXの史上最高値更新や日経平均5万2千円台回復に反映されています。

5. マグニフィセント7等への集中
 2025年に市場を牽引したマグニフィセント7については、年初の局面ではグループ全体で足元5営業日連続下落するなど、やや調整色が強く、「一強相場」からのスタイル分散をうかがわせる動きも出ています。
​ 一方で、「マグニフィセント7」全体の利益成長率はS&P500平均を上回っており、AI関連投資の恩恵を受けるメガテックへの中長期的な期待は依然として高く、2026年の市場見通しでもこれら大型テックが重要な収益ドライバーであり続けるとの評価が多い状況です。
​ このため、年初の米日株式市場は「地政学リスクと高バリュエーションへの警戒からの一時的な調整」を挟みつつも、生成AI・半導体と大型テックを軸とした上昇トレンドを基本線として維持し、市場構造としては依然「AI・メガテック偏重」の色彩が強いスタートになったと整理できます。

 まだまだタイタニックの甲板での音楽会は続くようだ。いつ市場がピークを打ち、その後崩落するかは誰にもわからない。

【PE市場、プライベートクレジット市場の動き】 昨年末から足元にかけて、PEもプライベートクレジットも「コロナ後の調整から回復・再アクセル」に入っており、特にエグジット再開とプライベートクレジットへの資金流入が目立っています。 公募市場のボラティリティや関税・地政学要因を横目に見つつ、「ディシプリン強化+流動性確保」をキーワードに2026年サイクルに入っている印象です。

PE市場:ディール・エグジットの回復

 2025年後半は世界のPEディール価値が前年同期比で2ケタ増となり、Q3時点で年間1.6兆ドル(前年同期比+23%)規模に達するなど、2023年前後の停滞から明確な回復が確認されています。M&A・IPOの回復でエグジット価値も2025年Q3までで2022〜24年の通年を上回るペースとなり、LPへの分配再開期待から2026年の売却案件増が見込まれているのが昨年末以降の大きな変化です。

PEの投資テーマとスタンス

 テック・インフラ・サービス(特にデジタルインフラ、エネルギートランジション、ミッションクリティカルSaaS)がディール中心で、バリュエーションは高止まりだが「ハンズオンでの価値創造」を前提としたより選別的な投資が主流になっています。2025年半ば以降の関税・金利不透明感を受け、「レバレッジ抑制」「ストラクチャーの保守化」「ファンドレベルでの流動性管理強化」がキーワードとなり、2026年に向けてもディシプリン重視のトーンが維持されています。

プライベートクレジット:成長と質の両にらみ

 2025年を通じてプライベートクレジットAUMは前年比で数%台の四半期成長を続け、特にQ1〜Q2は4~5%成長と強い伸び、その後やや減速しつつもQ3〜Q4にかけて再加速が見込まれるなど、「拡大トレンドが続いた年」と整理されています。直接融資(ダイレクトレンディング)はタリフ不透明感やボラティリティでディール数自体はモデストながら、リファイナンスとアドオンM&A向けの案件が目立ち、スプレッドは高水準を維持したまま2026年入りしています。

プライベートクレジットの昨年末からの注目点

 2026年アウトルックでは、第一順位シニアローンの直接起源案件の利回りが8.0~8.5%程度でトラフを形成するとの見方が多く、利下げが浅い中で「依然として過去12年の上半分の水準」として、イールド面の魅力が強調されています。​   セミリキッド型ビークル(個人向けオープンエンド/インターバルファンド)への資金流入が加速し、米国ダイレクトレンディング市場の約3分の1を占める水準に達したことは、2025年末時点での大きな構造変化です。

公募クレジットとの関係・構造面の変化

 2024~25年にかけて「プライベート→パブリック」「パブリック→プライベート」のリファイナンスがほぼ同程度見られるなど、レバレッジドローン・ハイイールド市場との間で資金調達が双方向に行き来する状況が定着しつつあります。​  銀行は貸出をバランスシートから落とし、プライベートクレジットと共同で組成するケースが増えており、レバレッジの一部が銀行からノンバンク(プライベートファンド)にシフトしている点は、システミックリスクの観点からも昨年末時点で強調されているトレンドです。

投資家目線でのインプリケーション

 PE:2023~24年の「デニード・エグジット」が解消されつつあり、2026年にかけて分配再開・セカンダリー市場活性化が期待される一方、金利・関税・地政学でシナリオ差が大きく、ファンド選別(Vintage・戦略・GPのトラックレコード)が一層重要になっています。

 プライベートクレジット:利回りは依然魅力的で、ロスレートも管理可能との見方が多いものの、ストラクチャー(コベナンツ、シニアリティ、スポンサーの質)による分散がリスク管理の肝となり、「拡大市場のなかでどの部分に乗るか」が昨年末以降の主な論点になっています。

 日本のプライベートクレジット市場の現状は「銀行貸出が厚い中で、ミドルマーケット向けダイレクトレンディングを中心にニッチを切り開きつつある初期成長フェーズ」だ。機関投資家のオルタ配分拡大と海外マネージャーの参入が今後数年の主な推進力になるとの見方があるが、そうなるのだろうか。

2026年1月10日 土曜日​

 
 
 
 

2026年1月10日 土曜日