世界の動き 2022.3.23 Wednesday

N.Y. Times 電子版より 

今日の一言:「昨日は停電かとひやひやしました。それにしても東電の新鋭火力発電所が地震で止るのはお粗末。コストが上がれば値上げし、供給力が足りなくなると節電をお願いする。なんと気楽な会社だろうか」

1.ロシアでは戦争の停滞により言論を封殺
【記事要旨】
 露裁判所はすでに収監中のナワルヌイ氏に更に9年の刑を追加。言論封殺の表れ。反戦争デモを呼び掛ける同氏に政府の反政府言論に最大15年の刑を与える法改正が適用されたもの。キエフ侵攻は遅延。現在は同市から40キロのマカリフ市の争奪戦。米は露のウクライナでの戦闘力が当初の90%以下に初めて低下したと分析。露の空軍がウクライナの制空権を確保できない。ウ空軍が健闘。チェルノブイリ周囲の山火事が放射性物質を拡散する恐れ。
 世界からの呼びかけにかかわらず中国は紛争に距離を置き積極的に動かず。英仏の美術館は露から借りている作品をどのように露に変換するか検討。
【感想】
 露での反戦言論の盛り上がりは難しい。先日のウクライナ統一集会でのプーチンの演説は、昭和18学徒年の学徒出陣時の東条首相の演説を思い起こさせた。

 米英による露の生物化学兵器使用の恐れ報道は恐ろしい。レッドラインを越えると思うが米英は何もしないのか。

2.ファイザーは貧しい国にコロナ薬を送る
【記事要旨】
 来月4百万錠の治療薬PaxlovidをUNICEFとの契約により無利益で95か国19億人に提供する。効果的なこの薬は先進国がすでに120百万錠を確保している。
【感想】
 ワクチンでも治療薬でも格差がありますね。

3.イムラン・カーン首相、地位にとどまれるか
【記事要旨】
 パキスタンのカーン首相はインフレの激化と軍部の圧力で政権維持が困難に。野党は軍部の支持を失った元クリケット選手のカーン首相の不信任案を提出し、可決が見込まれる。不信任案は来週初めに提出が予想される。カーンは大規模支持大会を計画。野党は対抗大会を開催見込み、衝突もありうる。
【感想】
 印の報道はあるがパキスタンの報道は極端に少なくなる。カーンは反米ポピュリストらしいがどうなんるのだろうか。印パ関係が悪化しなければ良いが。

その他:
スウェーデンで?
Two teachers were killed at a high school in southern Sweden, the latest in a series of attacks in the country’s schools over the past year.
中東での政治変化
Egypt hosted a summit with leaders of Israel and the U.A.E., the latest sign of a swift realignment of Middle Eastern political alliances.
チュニジアの権力者
Tunisia’s president, Kais Saied, who has amassed nearly absolute power, initiated a consultation two months ago that he said would lead to a new constitution and elections. But the process has been shunned by many.

(2022.3.23 Wednesday)

ウクライナ文学考

ウクライナ文学についてN.Y. Timesに記事があった。11世紀からウクライナ語の文学は始まり、18世紀から19世紀にかけて国民文学として確立した。『隊長ブーリバ』や『死せる魂』で有名なゴーゴリはウクライナ人だがロシア語で著作をしたためロシアの作家と見做されることが多い。この辺の言語環境は、現在まで続くロシアとウクライナの複雑な関係が、文学においても垣間見れる。

 19世紀ウクライナの国民詩人シェフチェンコに倣って『ウクライナ賛歌』

 「おおウクライナよ!
  あくまでも碧い森をめぐりて、川は沃野を悠々と流れる。
  晴れた天の下向日葵が揺れて、子らは大輪になって踊る。
  おおウクライナよ!
  けだかくあれ、美しくあれ、永遠に。」

 ウクライナ文学の近代作品は日本語に翻訳されているものも多い。これまでウクライナ人のノーベル文学賞受賞は無かったが(ポーランド人は6人、ロシア人は4人受章している)、近々受賞者が出るかもしれない。
 大切なウクライナ。いつまでもウクライナ。

(2022.3.22 Tuesday)

世界の動き 2022.3.22 Tuesday

N.Y. Times 電子版より  今日は寒くなりそう。彼岸過ぎまでは寒さが続く。

1.血みどろのマリウポリへの戦い
【記事要旨】
ウクライナはロシアによるマリウポリへの月曜の最後通告を拒否。避難に成功した一人は「我々は苦痛に満ちで死のうとしている。20日間、地獄の中で我々は死んでいた」と語る。キエフではショッピングモールが破壊され6人の死者が確認された。戦いが1か月に近づき露の侵攻力が欠けるにつれ攻撃は民間人を狙い無差別に。キエフに残る2百万市民は団結を固める。ゼレンスキーは各国への演説で支援要請。
【感想】
ウクライナ人の抗戦の姿勢には胸を打たれる。
和平交渉についての報道が少なくなった印象。何らかの妥結が近いサインではないか。希望的な観測だが。

2.中国でボーイング737機が墜落
【記事要旨】
月曜午後に132人が乗った機が广西壮族自治区で墜落。生存者不明。現場は人里離れた山間部で悪天候も救援を難しくしている。中国東方航空で運行する737-800型は同航空の主力機で従来安全性に定評あったが、記録では1分間に2万フィート急降下した模様。同航空は中国第二の航空会社で過去18年墜落事故なかった。エチオピア、インドネシアで墜落事故が起きた737-Maxとは別種機。
【感想】
737-Maxがまた墜落したかと思ったが従来機の様子。
航空機事故はやはり怖い。

3.香港では制限を緩和
【記事要旨】
林鄭月娥行政長官は月曜に、4月1日から、9か国からの飛行機乗り入れを解除しワクチン接種済の住人の再入国の隔離期間を14日から7日に短縮する、と発表。オミクロン感染のピークは過ぎ、感染は外からより国内起源が多いとの専門家と政府の判断。香港は、深圳・上海をロックダウンしている中国本土とは少し違う政策をとるものの依然世界で最も制限が厳しい。これまで香港は世界との交通を遮断し入国者の3週間隔離政策を取ってきた。
【感想】
世界の動きからは随分遅れた解除策。
韓国は過去6か月以内のワクチン接種者への入国制限を解除した。日本も大分遅れて見えるが。

その他:
オーストラリアのサイバー軍、日本はどうなのかな?
Australia has created a Space Command to counter extraterrestrial threats from China, Russia and others, reflecting the role satellites play in the technological landscape for war.
SECの気候開示ルール、経済誌では大きく取り上げられている
Securities regulators moved closer to enacting a sweeping climate disclosure rule.
日本のつるが増える。
Just over half a century ago, there were only about three dozen red-crowned cranes in all of Japan. There are now 1,900, thanks to the work of conservators, but few scientists think they could survive without human feeding.

(2022.3.22 Tuesday)

世界の動き 2020.3.21 Monday

N.Y. Times 電子版より 今日は春分の日。我が家近くの桜坂では桜が咲き始めました。

1.戦争は遅延し、露はマリウポリ爆撃を続ける
【記事要旨】
400人以上を収容していた演劇学校が爆撃され、住人の多くが意思に反しロシア側へ送られる。衛星写真ではマリウポリでは391のビルが破壊され中には学校や病院も。ゼレンスキー大統領はプーチン大統領との直接対話を呼びかけるがイランの見方ではプーチンはまだその時期ではないと判断。麻薬請けのネオナチ、ジェノサイド、米の生物兵器施設、等露はウソのプロパガンダを拡散。露はキエフ侵攻時民間人の住むアパートに侵入し住人を捕虜として連行。
【感想】
ロシアの蛮行は衰えず、真っ赤なウソを堂々と主張している。この戦争が終わったとしてもロシアとの付き合い方は再考が必要だ。巨大な北朝鮮のような国だ。

2.中国はコロナ対策を微調整
【記事要旨】
2020年以来のゼロコロナ政策について習主席のスタンスが変化。まだロックダウンは続けているが、自宅療養や病院でない隔離施設での収容も認め始める。ここ数週間は32000人以上の感染者が発生し、従来通り病院へ送れば医療は崩壊する恐れある。
【感想】
それにしても驚くのは中国のPCR検査能力。ロックダウンして住人の全員検査はすごい。
もう一つ驚くのは、100万人とか検査しても陽性者が殆ど出ないこと。日本では偽陽性の発生率が数%と言われているが中国ではどうなっているのだろうか。

3.戦争が世界の飢餓への恐れを拡大
【記事要旨】
露ウ戦争は世界の食料生産へ大きな影響。先月来小麦は21%,
大麦は33%,肥料の一部が40%上昇。コロナと数十年来最悪の中国での収穫が状況を悪化させ、国連は7.6-13.1百万人の飢餓者が増えると予想。過去5年間で、露ウは世界輸出で、小麦の1/3、大麦の17%、ヒマワリ油の75%を占めてきた。ウでの作付けの減少も懸念。米では2月に食糧費の価格は8.6%上昇し40年来で最高。ブラジルからテキサスまで農民は肥料の使用を制限しており作物の小型化が懸念される。
【感想】
なるほど。最終製品だけでなく、生産自体に影響があるということですね。日本へも物価上昇の波は来ておりスタグフレーションが懸念される。

その他:
殺生石が割れた
A “killing stone,” which appears in a famous Japanese legend, split in two. The question now is whether it’s a good or bad omen.
洗礼も自由化
Pope Francis issued a new constitution to govern the Roman Catholic Church. Among the changes: Baptized lay Catholics, including women, can lead departments traditionally headed by cardinals.
ウクライナを理解するために
“Your Ad Could Go Here,” by Oksana Zabuzhko. Short stories about Ukrainians facing personal and political inflection points, written by a famed public intellectual, “veer into the surreal and supernatural,” Alexandra Alter writes.

(2022.3.21 Monday)

『ザ・チーム』を再読して

昨日紹介した『THE TEAM』と同名の本。

『ザ・チーム』斎藤ウィリアム治幸著 日経BP刊

 この本は多分著者にお目にかかった際にいただいたものだ。ウィリアムさんは、著名な起業家で日系二世。米国で起業した後今は(多分今も)東京で起業を支援する仕事をしている。Amazonのこの本の紹介が良くまとまっているので引用する。

(Amazonより引用)
 世界レベルの起業家である日系アメリカ人による痛快な起業家ストーリーと、低迷する日本で一番大きな問題の「発見」とその問題解決編。

 両親が移民一世の家庭で1971年にロサンゼルスに生まれた著者は、英語は苦手だが、数学は抜群にできた。先生の勧めで当時は家1軒分の高価なコンピュータを両親が買ってくれたおかげで、コンピュータの才能を10代前半で一気に開花させる。

 16歳のとき、飛び級でカリフォルニア大学リバーサイド校に入学。NEC、ソニー、東芝など日本メーカー向けのパソコンのビジネスに本格的に取り組み、卒業後、ベンチャー起業家の道へ入る。

 何度も失敗、挫折を繰り返したあと、ソニーと共同開発した指紋認証装置がヒットし、その後に開発した生体認証暗号システムがマイクロソフトに採用されて事実上の世界標準となる。2003年、従業員500人の会社をマイクロソフトに売却して、拠点を日本に移した。

 日本ではスタートアップ段階の企業十数社の面倒をみて、ドバイなどに事務所を設置し、世界的な視野でイノベーションとベンチャー育成に取り組んでいる。その傍ら、国会の福島原子力発電所事故調査委員会事務局や国家戦略会議の部会メンバーとなり、日本復活のための問題解決を模索し、独自の視点から意見を発表している。

 著者によれば、少子高齢化、人口減少、経済成長鈍化、デフレなど目に見える課題が山積の日本だが、最大の問題は目に見えない「チームの不在」であるという。
 イノベーション、アントレプレナーシップ、リスクコントロールは、異質な人材が共通の夢や目標のために力をあわせる仕組みであるチームから生まれる。

 個人主義といわれてもチームで人を鍛えるアメリカ社会と比べ、日本では特に社会のリーダー層の個人主義化がますます進んでいる。現状のままでは、国内でも海外でもチームをつくることができず、競争から脱落するしかない、と警鐘を鳴らす。

 アメリカなどでの知名度が高く、実績も世界レベルの日系人起業家のユニークな自伝と問題提起を兼ねたビジネス書。
(引用終わり)

 著者は全く偉ぶったところのない温和な人柄。ご指摘の日本には「チームが不在」というのは耳が痛い。日本人は個では米国人に勝てないがチームワークでは勝てると従来信じてきた。この神話が通用したのは「プロジェクトX」の時代までのようだ。自由闊達に意見をぶつけあうチーム活動は苦手になっているのは私自身も経験する。

 本書の最後に「政府主導で”日本人が挑戦できる社会”の実現を」という著者の心からの叫びが付されている。この本が著されたのは2012年だ。残念ながら事態は改善しているようには見えない。

(2022.3.20 Sunday)