【米国株式市場】
2025年2月2日週(2月2〜6日)の米国株式市場は、AI関連株の調整やトランプ政権による関税方針、経済指標(雇用や景況感)への警戒から上下動を繰り返しつつ、週末にかけてやや重い展開となりました。
主要な市場動向とイベント
週全体としては、S&P500が小幅安で引け、ダウはほぼ横ばい〜やや軟調、NASDAQはAI関連を中心にボラティリティが高い展開でした。
投資家心理を揺らしたテーマは
・中国AI企業の技術ブレイクスルー報道による米テック株の競争懸念(AIバブル崩壊懸念を伴う)
・トランプ政権によるカナダ・メキシコ・中国への関税発動・延期を巡る報道(企業収益・インフレ懸念)
・1月雇用統計が市場予想をやや下回ったことや、米消費者マインド低下などのマクロ指標
FRBの政策スタンスは前週のFOMCで据え置き、「見通し不確実だが雇用とインフレのリスクは概ね均衡」との文言で、大きなサプライズはなし
セクター面では、序盤はAI関連・半導体などハイテクが売られ、週の途中からディフェンシブ(生活必需品、ヘルスケア、金融など)への資金シフトが見られた。
S&P500:週トータル(2月3〜7日)で▲0.2%の下落
ダウ:同週のダウは、週トータルでおおむね小幅安〜横ばい。
NASDAQ:AI関連・テック中心に調整色が強く、週トータルでS&P・ダウを下回るパフォーマンス(▲1%超)
【日本の株式市場】
2025年2月2〜6日の日本株式市場(現物)は、月初の米ハイテク調整とAIバブル懸念を背景に大きく下落してスタートし、その後も戻りは限定的で、「2日急落→3〜6日は方向感乏しい持ち合い〜戻り鈍い」展開でした。
日経平均・TOPIXの動きと騰落率
日経平均株価
6日時点:2日急落後の自律反発で一部戻したものの、なお前週末比マイナス圏(▲1〜2%程度)。
TOPIX
2日に▲2%前後の下落、その後も戻りは限定的で6日時点でも前週末比マイナス圏。
背景要因・投資家心理
背景として、米国でのAI・メガテック調整と「AIバブル崩壊」懸念が日本の半導体・生成AI関連にも波及。
1月末からの米長期金利上昇とドル高一服が、輸出株の買い手控えにつながった側面。
2月第1週にかけての米決算・雇用統計など重要イベントを控え、海外投資家が日本株をややリスクオフ方向に傾けた動き。
2日〜6日のトータルでは「日本株は2日急落の影響が大きく、週後半にかけても戻り切らず、前週末比で日経平均・TOPIXともおおむね▲1〜2%程度の軟調推移。
【金融市場・円ドル為替の動向】
2025年2月2〜6日の局面では、米金利は「強い雇用・インフレ懸念を意識した高止まり〜じり高」、日本金利は「2%台前半でのレンジ推移」、為替は「150円後半のドル高・円安圏で上下しつつ、やや円高方向に振れる場面もある」という構図でした。
米国金利の動き
期間中の米10年国債利回りは、4%台前半で推移しつつ、雇用統計などを控えて小幅に上昇する日が多く、「高止まり圏での神経質な上下」という動きでした。
足もとの水準感から見ると、2025年初からの流れとしては「FRBは利下げ時期を慎重視、インフレ再燃リスクも意識」で、2年債利回りも短期金利見通しを反映しつつ高水準を維持する局面にありました。
2月第1週は、1月雇用統計を控えた「イベント前の金利上昇バイアス」が意識され、リスク資産(特に株式・AI関連)には逆風となる金利環境でした。
日本金利(JGB)の動き
日本の10年国債利回りは、2%台前半で推移しました。
10年国債利回りは、最新データで約2.23%(2026年2月5日)。ちょうど1年前は約1.29%であり、1年間で約0.9%ポイント(約70%超)上昇しています。
2025年12月時点でも1.9〜2.1%前後だったため、2025年後半〜2026年初にかけて2%台に乗せその後も上昇しています。
日米金利差とドル円(USD/JPY)の動き
日米金利差(特に2年・10年)は依然として大きく、米金利>日本金利という構図は維持されており、為替の基調としてはドル高・円安方向を支持する状況でした。
一方で、2月第1週は、 米金利が高止まりしつつも、AI関連株の調整・株価の不安定化でリスクオフ気味のムードが出たことと、BOJの正常化へ向けた議論継続や、日本側長期金利が2%台へ乗せてきたことから、極端なドル高・円安の加速は抑制されました。
円ドルレートの水準感と方向
2025年通年のUSD/JPYの平均は149円台で、2026年初には一時158円台までドル高・円安が進んでいました。
株価調整やリスクオフ、あるいは日本金利上昇観測が意識される局面では一時的な円高方向(150円方向)という「広義のドル高・円安レンジの中での往来」と整理するのが妥当です。
【高市トレードの方向性】
今のところ「高市トレード=株高・円安・金利高」が一直線に続くというより、かなり振れ幅が大きくなりつつある「変形版・高市トレード」の局面に入っている、という見方が妥当です。
現状:何が起きているか
高市政権の「財政拡張+構造改革期待」に支えられ、日本株は2025年にかけて大きく上昇し、2026年入りでも基本シナリオとしては強気な見方が主流です。同時に、国債増発と日銀の量的引き締めでJGB利回りは27年ぶり水準まで上昇、「金利高」はかなり現実のものになっています。円は構造的には弱く、「円安基調」は続いているものの、急激な円安に対しては当局の介入警戒・日銀の追加利上げ観測が出やすく、一本調子ではなく乱高下しやすい局面です。
株高・円安・金利高が同時に続く条件
この3つが同方向でそろうのは、ざっくり言えば「財政拡張+日銀は緩和的(ただしゼロ金利ではない)+世界のリスクオン」が維持される場合です。
株高:
内需・賃上げ・設備投資が回り、企業収益が増える。
コーポレートガバナンス改革・資本効率改善でPERの上振れ余地がある。
円安:
日米金利差がまだ十分に大きい、あるいは市場が「円は構造的に弱い」と見ている。
政府・日銀が急激な円安でない限り容認的。
金利高:
インフレ・賃上げが定着し、日銀が緩やかに利上げ・国債買入縮小を継続。
財政拡張・国債増発へのリスクプレミアムが乗る。
現状の政策・景気シナリオを見る限り、2026年も「緩やかな政策正常化+財政は拡張気味」という組み合わせが続く公算が大きく、基本線としては「株高・金利高・円安寄り(ただし円は介入警戒で頭打ちしやすい)」という方向に引っ張られやすい環境です。
どこがリスクになるか
・「株高」が崩れるパターン
米テックの再調整や世界景気減速でリスクオフになれば、日本株も巻き込まれる。財政・国債への不信が強まり、「株も債券も売られ、円も売られる」という2025年末に見られた“Sell Japan”相場が再燃するリスク。
・「円安」が止まる/反転するパターン
円安があまりにも進み、当局が実弾介入+日銀がタカ派シフトを強める場合。米国の利下げ開始で日米金利差が縮小した場合。
・「金利高」が行き過ぎるパターン
財政拡張への不信が強まり、JGB利回りが急騰すると、株式のバリュエーションに圧力、銀行以外のセクターに逆風。
実務的な見方
ベースシナリオ:
2026年は「新・高市トレード」として、
日本株:ガバナンス改革・賃上げ・設備投資を材料に、押し目を挟みながらも高値圏維持〜高値更新を狙う動き。
円:構造的には弱めだが、150円台以深では介入・日銀タカ派化リスクがあるため、レンジの上限はかなり意識される。
金利:10年JGBは2%台前半〜半ばで高止まり。超長期ゾーンは財政懸念次第でボラティリティ高め。
リスクシナリオ:
「Sell Japan」再燃で、株・債・円の“三重安”が一時的に表面化する可能性も残る。
その場合、「高市トレード」は一時的に崩れ、むしろボラティリティを取りに行くトレード(ボンド・先物・オプション)が主戦場になるイメージです。
戦略の方向感:プロの立場であれば、
株:構造改革・国内需要・賃上げの恩恵を受ける銘柄に軸足を置きつつ、金利上昇・円急変に敏感な外需・高PER株はポジション管理をタイトに。
債券:超長期の金利上振れリスクを意識し、デュレーションはやや短め〜中期ゾーン中心、あるいは金利上昇局面での段階的なサイド積み。
為替:基調は円安方向だが、介入リスクを見ながらコール・プットオプション等でテールをヘッジ、というのが今の環境にフィットしやすい形だと思われます。
【PE市場、プライベートクレジット市場の動向】
最近はヘッジファンドへの機関投資家のアロケーションが増加している。
ヘッジファンド:増配分の流れは明確
BNPパリバの「2026 Hedge Fund Outlook」によると、調査対象アロケーターのうち2025年に55%がヘッジファンドへのネット配分を増やし、2026年も64%がネットで増やす意向とされています。
同レポートは、2025年にヘッジファンド業界が現金より平均641bp高(約10.5%)のリターンを上げたことを背景に、2026年も約240億ドルの追加純流入が見込まれるとしています。
BofAの調査では、回答したアロケーターの約51%が2026年にヘッジファンド配分を増やす意向とされ、「他のオルタナティブよりヘッジファンドの方を増やす」とのトーンが示されています。
プライベートエクイティ(PE)・プライベートクレジット(PC):減らすというより“成長続く”
BlackRockの2026 Private Markets Outlookでは、プライベートクレジットはむしろ「全体の貸出に占める比率を高め、2026年も機会拡大」とされており、配分縮小ではなく成長分野として位置づけられています。
Nuveenのグローバル機関投資家サーベイでは、66%の投資家が今後5年でプライベートアセット(PE・PC等)への配分を増やす意向と回答しており、「オルタの中核は依然としてプライベート市場」というニュアンスです。
McKinseyのGlobal Private Markets Reportでも、PE・PCを含むプライベートマーケットはAUM拡大基調が続いており、直近はディール減速・エグジット環境悪化でテンポは鈍っているものの「構造的な縮小トレンド」とまでは位置づけられていません。
「PE/PCからHFへ」の明示的なリバランス報道は?
BNPパリバやBofAのヘッジファンド見通しは「HF配分を増やす投資家が多い」点を強調していますが、「原資としてPEやPC配分を削る」と明示しているわけではありません。
一方、オルタ全体の中でボラティリティ増加への対応として“リキッドなオルタ”(ヘッジファンド・絶対収益戦略)を厚くする、レバレッジドローンや一部PE戦略に対するリスク認識の高まりから、新規コミットメントのペースを抑え、既存ポートフォリオの自然減を待つといった「相対的なウェイト調整」を示唆する論調は見られますが、これは各ハウスのアウトルックの中でのニュアンスレベルにとどまっています。
実務的な読み方
2025〜26年の流れとしては
ヘッジファンド:マルチストラテジーなどを中心に「再評価・増配分」。
PE・PC:ディール・エグジット環境は難しいが、長期分散・インカム源としての位置づけは維持、全体としては「横ばい〜やや増やす」スタンスが主流。
という構図で、「PE・PCを減らしてHFへ大きく振り替え」という決定的なシフトを示すエビデンスは限定的です。
2026年2月7日 土曜日 曇り
AM10:30 気温3度 さっき散歩したら粉雪が舞っていました。