McKinseyのPodCast 2023年のトップ10記事

 McKinseyのPodCastはテーマの設定がとてもタイムリーで時々聞いている。話の内容を文章にもしてくれているので英語が聞き取れない部分も理解できる。

 そのPodCastから、2023年の人気Top10が発表された。
 Overall top ten for 2023 (以下原文のまま引用)
1. The economic potential of generative AI: The next productivity frontier
2. What is generative AI?
3. McKinsey Technology Trends Outlook 2023
4. What every CEO should know about generative AI
5. The State of Organizations 2023: Ten shifts transforming organizations
6. The state of AI in 2023: Generative AI’s breakout year
7. 2023 summer reading guide
8. What is AI?
9. What is Gen Z?
10. Stepping up: Becoming a high-potential CEO candidate

 驚くべきことに、トップ10の内、実に6つ(3位のTech Trendを含め)がAIについての記事だ。

 トップ1の記事は文章にすると68ページのレポートだ。その結論部分は、「生成AIの時代はたった始まりに過ぎません。この技術に対する興奮は実感され、初期のパイロットプロジェクトも魅力的です。しかし、技術の利点を完全に実現するには時間がかかり、ビジネスおよび社会のリーダーはまだ解決しなければならない重要な課題があります。これには、生成AIに固有のリスクの管理、労働力が必要とする新しいスキルや能力の特定、再研修や新しいスキルの開発など、中核となるビジネスプロセスの再考が含まれます。」となっている。

 実はこれはChatGPTに翻訳してもらったものだ。Google翻訳もよく使うが、原文が途中で切られている類の文章の翻訳は苦手だ。ChatGPTはぶつ切れ風の文章を苦も無く翻訳してくれる。

 去年は全く予想していなかったが、今年は仕事に大いに生成AIを使っている。この技術への対応が、企業にとっては成長の鍵であり、個人にとっては自分がAIにリプレースされずに、AIを使う側に回って生き残っていく鍵だ。

 AIが導く先はユートピアかディストピアか定かでないが、ユートピアになるように国も企業も個人も賢く対応することが肝要だ。あまり自信は持てませんが。。

2023年12月24日 クリスマス・イブに

心の瞳

 日航機の墜落で亡くなった坂本九さんが生前最後にラジオ収録した歌で、今は中高生の合唱曲として、とてもポピュラーになっているそうだ。これは今朝のNHKのラジオ番組「ビバ合唱」で聞いた話の受け売りだ。

 合唱ではよく聞き取れなかったが、YouTubeで坂本九の歌う画像を見つけた。歌詞は以下だ。

 心の瞳で君を見つめれば
 愛することそれがどんなことか
 わかりかけてきた
 言葉で言えない胸の暖かさ
 遠回りをしていた人生だけど
 君だけがいまでは

 と続く、胸がジーンとくる曲だが、中高生でこんな感情が理解できるのだろうか。

2023年12月23日 土曜日

世界の動き 2023年12月22日 金曜日

今日の言葉:
「冬至」
年も押し迫ってきた。クリスマスがあり、それまでに年賀状を出さないと新年に届かない。せわしない。
ああ、今日は柚子湯に入ってゆったりしたい。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.国連安全保障理事会、ガザ支援に関する採決を準備
【記事要旨】
米国は昨日、ガザへの援助物資を大規模かつ安全に提供することを可能にする国連安全保障理事会決議に関する妥協点を見つけるためにエジプトと高官レベルの交渉を行ったと米国当局者が述べた。
米国のウッド国連次席大使は同日、記者団に対し、米国はまだ協議中で、戦闘の一時停止も求めた決議案に署名する準備はまだ整っていないと語った。
ガザへのラファ国境越えを管理しているエジプトは、援助物資の送達を国連が引き継ぐことを望んでいる。 イスラエルからの圧力を受けている米国は、イスラエルは援助物資の確認に関与する必要があると述べ、国連査察が援助物資の提供を加速するとの主張に異議を唱えている。
安保理では米国の要請により今週3回延期してきた採決が、行われる可能性がある。
イスラエルでは、先週イスラエル軍によって人質3人が誤って殺害される前に、自国軍がほぼ3人の人質を発見できたことを知ったと軍が発表した。 戦闘犬の Go-Pro カメラからの映像には、若い人質たちの声が捉えられてした。
ガザ地区当局者によると、ガザ地区の死者数は約2万人に達した。 これは、過去40年間のイスラエルとの戦争におけるアラブ側の最大の損失である。
イスラエルが表明した戦争目標はハマスを破壊することだ。 しかしイスラエルは、10月7日の攻撃の主要な計画者とされるハマスの当局者をまだ特定していない。
【コメント】
イスラエルを支援する米国も世界的な悪者になりつつある。地政学的な変化がいいもの、わるものの立場を複雑に変化させる。

2.プラハで銃乱射事件、少なくとも15人死亡
【記事要旨】
昨日チェコ共和国で起きた銃乱射事件では、プラハのカレル大学での14人を含む少なくとも15人が死亡したと当局が発表した。 他に24人が負傷した。
容疑者は銃の所持許可を持っており、同大学で世界史を専攻する24歳の学生だった。 当局者らによると、男性は最初にプラハ郊外の町で父親を射殺し、その後学校内で暴れ続けた後、自殺したという。 国家警察署長は、加害者は「海外で起きた同様の恐ろしい出来事に触発された」と述べたが、場所は明らかにしなかった。
中央ヨーロッパの国では銃乱射事件はまれだ。 2019年、オストラヴァ市の病院で銃を持った男が6人を殺害した。 これは、プラハ南東のレストランで銃を持った男が8人を殺害した2015年以来、最も死者数が多い銃乱射事件となった。
【コメント】
平穏なイメージのある中欧での銃乱射には驚いた。カレル橋は、特に夜は美しかった。カレル大学はプラハの旧市街にありカレル橋にも近いようだ。

3.日本はパトリオットミサイルを米国に売却する準備
【記事要旨】
岸田文雄首相の内閣は今日会合を開き、米国が設計した日本製のパトリオット・ミサイルを日本が米国に売り戻すことを可能にする武器輸出制限の変更について話し合う予定だ。
この措置は、第二次世界大戦後の日本の政策における重大な転換を意味する。 それはまた、ロシアとの戦いで米国政府がウクライナを支援するのに役立つ可能性がある。 日本政府はまた、米国に砲弾を送る可能性や、英国やイタリアと開発中の戦闘機の輸出を認める政策変更についても議論している。
この変化は、第二次世界大戦終結以来の平和主義国家である日本が、より大きな世界安全保障上の役割を担っていることを示す一つの兆候である。
【コメント】
日本では殆ど議論にならないが、外交の世界では日本の平和主我からの変化に注目していることを忘れてはなるまい。ただ、冷静に考えると世界的に見てバカ高い日本の武器を買う国があるのだろうか。韓国は安価で高性能の戦車を輸出しているのだが。

その他の記事:
・中露貿易の拡大
China’s trade with Russia this year has exceeded $200 billion as China cashes in on the war in Ukraine.
・ロシア資産をウクライナ戦費に
The U.S. and E.U. are thinking about confiscating more than $300 billion in Russian central bank assets stashed in Western countries. The funds could be used to help Ukraine.
・ジュリアーニの破産申請
Rudy Giuliani filed for bankruptcy, a day after a federal judge ordered him to start paying $148 million in damages to two election workers.
(輝かしいニューヨーク市長時代を知る者には寂しいニュースだ)

2023年12月22日 金曜日

世界の動き 2023年12月21日 木曜日

今日の言葉:
「親会社のガバナンス」
 ダイハツ工業の認証不正が問題になり、当面ダイハツの全車種の販売が停止する。全体で170以上の不正が行われていたそうだ。ダイハツはトヨタの完全子会社であり、グループ全体のガバナンスするトヨタの責任も免れない。トヨタグループでは昨年は日野自動車でも排ガス不正があったばかりだ。トヨタの生産増加への強力な圧力がダイハツを不正に走らせたという説もある。日本を代表する企業のガバナンスが問われている。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.州裁判所、トランプ氏は大統領職に就くことができないとの判決
【記事要旨】
 コロラド州の最高裁判所は火曜日、ドナルド・トランプ前大統領が2021年1月6日の国会議事堂襲撃に至るまでの行動で暴動に加担したとして、再び大統領職に就く資格を剥奪されるとの判決を下した。トランプ氏は米国最高裁に控訴すると述べた。
 この衝撃的な判決により、2024年の大統領選挙の主要な要素が米国最高裁判所の手に委ねられる可能性が高い。
 この判決は、1860年代の南北戦争後に書かれた憲法修正第14条の規定に基づいている。 これは、以前に「合衆国憲法を支持する」と宣誓した人物が、「合衆国憲法に対する暴動や反乱に参加したり、あるいは合衆国憲法の敵に援助や慰安を与えたりしたことがある」場合には、公職に就くことを禁じている。
 この判決により、トランプ氏の名前は同州の共和党予備選投票から除外されることになる。 総選挙については触れていない。
 最高裁判所は6対3で保守派が過半数を占めており、判事3名はトランプ氏自身が任命している。 裁判所は多くの保守的な政策を支持してきたが、自身の利益のために大統領職を曲げたり、民主的プロセスを操作しようとするトランプの試みを判事たちが支持する意欲をあまり示していないとの見方もある。
 重要な点は、トランプ氏は関係なく投票用紙に残る可能性があるということだ。 コロラド州の判事は控訴が進む可能性が高いため、判決を1月4日まで保留した。
 この訴訟が最高裁判所に持ち込まれた場合、裁判官がこの訴訟に関連する多くの法的問題に取り組むのに時間がかかる可能性がある。 彼らは、選挙に向けてトランプ氏が関係する他の訴訟でも判決を下す予定である。 彼らはまた、トランプ氏を大統領に望むかどうかの決定権を有権者から奪うことには消極的かもしれない。
【コメント】
 CNNでは非常に大きく報道されているが、トランプにとって大きな実害は無いのかもしれない。

2.ハマス指導者がガザ協議のためエジプトを訪問
【記事要旨】
 ハマスの最高政治指導者イスマイル・ハニヤ氏は昨日、イスラエル人人質の解放につながる可能性のある停戦の可能性について協議するためカイロを訪れた。 イスラエルとハマスはエジプトとカタールの調停者を通じて新たな停戦について協議しようとしており、協議に詳しい関係者によると、いくつかの提案が俎上に上っているという。
 イスラエル当局者は、交渉において初期段階のステップは講じられたと述べたが、まだ合意には至っていないことを強調した。 ハマス高官は、ハマスがさらなる人質解放の議論を始める前に、イスラエルは新たな継続的な停戦を遵守し、ガザへの無制限の援助物の入国を許可する必要があると述べた。 イスラエルは、現在も男性を中心に129人が拘束されているとみている。
 イスラエルはガザにおけるハマスの支配を打破すると誓ったが、最近の出来事により交渉上の立場は複雑になっている。 国際的に停戦を求める声が高まっており、先週イスラエル兵による人質3人の誤射を受け、国内で新たな人質協定を確保するよう圧力が高まっている。
 国連の安全保障理事会はこの2日間で2度目となる戦闘停止を求める決議案の採決を延期した。 外交官らは、米国が交渉にもっと時間を与えるために一時停止を要請したと述べた。
【コメント】
 既視感のある状況だ。このまますんなり停戦にはつながらないと見るが。

3.中国、核実験のための秘密基地を再建
【記事要旨】
 衛星画像は、中国が約60年前に初めて原子爆弾を爆発させた新疆ウイグル自治区の人里離れた砂漠にある軍事基地であるロプヌールに何百もの改修と拡張を行っていることを明らかにしている。 この改修には、大規模な核実験をサポートする深い垂直坑が含まれており、これは中国政府が新世代の核兵器の実験を検討していることを示す最強の証拠である。
 アナリストらは、ロプヌールでの活動は中国の核施設の大規模な近代化を示唆しており、軍備増強を加速させ、核戦争の新時代を引き起こす可能性があると警告した。
 北京の外務省は、基地の改修に関する質問を「影につかまり、根拠もなく『中国の核の脅威』を煽る」として却下した。
【コメント】
 ロシアも核兵器の増強を進めている。世界の緊張はまた一つ高まった。

その他の記事より:
・韓国のAI
 South Korean tech firms are hoping that focusing on languages other than English in A.I. will give them a developmental edge against their U.S. counterparts.
・ベネズエラでも人質交換
 The U.S. said it agreed to release a close ally of President Nicolás Maduro of Venezuela in exchange for 10 jailed Americans.
・EUの移民政策
 The E.U. struck a deal to overhaul its joint migration system, aiming to make it easier to deport failed asylum seekers and limit the entry of migrants.

2023年12月21日 木曜日

 

世界の動き 2023年12月20日 水曜日

今日の言葉:
「配当株」
 米国の配当株の代表にMedtronicがある。同社には50年以上にわたり年間配当金を増額してきた長い歴史があり、パンデミックのピーク時から-38.64%下落したが、復活の準備が整っているため、多くの投資家がこれを気に入っている。医療技術に関しては長く傑出した歴史を持つ。検討に値する銘柄だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.中国地震の生存者が氷点下の気温に直面
【記事要旨】
 月曜日の夜、中国北西部を襲ったマグニチュード5.9の地震により、120人以上が死亡、500人以上が負傷したと当局と国営メディアが昨日発表した。 この地震により、15,000戸の家屋が被害を受け、地域の一部では水道、電気、交通機関が寸断された。
 中国の多くの地域と同様、この地域も突然の寒波に耐えている。 国営メディアによると、震源地である鶏石山県Jishishan Countyの地震時の気温は摂氏マイナス20度程度だった。 地震現場にいたと言う人々は、寒さをしのぐために庭でたき火をしたり、段ボール箱に火をつけたりしたと報告した。
 最も大きな被害を受けている甘粛省Gansu Provinceは中国で最も貧しい地域の一つだ。中国地質大学の教授は、山岳地帯の一部は地震が発生しやすい地帯に属しているが、多くの住宅は地震に耐えられるほど頑丈に建てられていない可能性があると述べた。
 国営メディアによると、救助隊が人々の発掘を続けている。 政府は救助活動を監督するために現場にチームを派遣し、習近平は労働者にできるだけ早くインフラを修復するよう命じた。
【コメント】
 今度は中国で大地震か。他人事でない。首都直下型地震が
起きたら被害は甚大だ。

2.ガザ戦争でアメリカ国民が分断される
【記事要旨】
 ガザ紛争が3カ月に突入する中、米国の有権者はバイデン大統領のガザ戦争への対処方法に広く不支持を示している。
 ニューヨーク・タイムズ紙とシエナ大学の世論調査によると、米国の若者はイスラエルの行為と政権の対応の両方に対して年配の有権者よりもはるかに批判的であることがわかった。 伝統的に民主党支持が高い層である18歳から29歳の有権者の4分の3近くが、バイデン政権の対応を支持していない。
 米国人の合計44%が、民間人の死傷者を防ぐためにイスラエルは軍事作戦を中止すべきだと答え、39%が、たとえ民間人の死傷者(すでに累計2万人近く)が増え続けることになっても、イスラエルは軍事作戦を継続すべきだと考えている。
 イスラエルでの世論調査は、同国はパレスチナ人に対してより強硬な態度を取る必要があるということで一致している。 ネタニヤフ首相に対する世論が低迷する一方で、同首相の右派政府の政策に対する支持は高まっている。
 米国の若い有権者間の対立に関する意見の分裂は、来年の選挙に向けてバイデンが直面する困難を示している。 タイムズの世論調査では、若い有権者の間でドナルド・トランプ氏がバイデン氏を初めてリードしていることが判明した。
 イスラエル・ハマス戦争に関連するその他の進展:
 米国は、紅海における世界の海運に対するフーシ派民兵組織の脅威に対抗するため、海軍任務部隊を組織すると発表した。 バーレーンは中東諸国で唯一参加している。
 国連安全保障理事会は米国の拒否権回避を目的とした新たな停戦決議案を採決する予定だ。 米国は過去2回の試みを阻止している。
【コメント】
 バイデンにとって事態は非常にまずい。トランプのしたり顔が目に浮かぶ世論調査結果だ。

3.アイスランドの噴火は予想より大きかった
【記事要旨】
 同国で最も人口の多い地域であるアイスランド南西部の火山が月曜日に噴火を始めた。 火山学者らは初期評価で、この噴火はスヴァルツェンギ発電所と、地震活動の活発化のため先月避難したグリンダヴィークの町に重大かつ差し迫った脅威をもたらしたと述べた。
 専門家が噴火現場の上空を飛んだ後、状況は当初懸念されていたほど悲惨ではないようだった。 しかし、噴火の規模は予想よりも大きく、溶岩流の方向は依然として予測不可能だ。
【コメント】
 800年振りの大噴火だそうだ。富士山も直近では以下の噴火をしている。他人ごとではない。
 富士市のHPより。
 宝永大噴火(1707年)
1707年(宝永4年)大量のスコリアと火山灰を噴出した宝永大噴火が起こりました。この噴火は日本最大級の地震である宝永地震の49日後に始まり、江戸市中まで大量の火山灰を降下させるなど特徴的な噴火でした。噴火の1~2か月前から山中のみで有感となる地震活動が発生し、十数日前から地震活動が活発化、前日には山麓でも有感となる地震が増加しました(最大規模はマグニチュード5程度)。12月16日朝に南東山腹(今の宝永山)で大爆発を起こし、黒煙、噴石、降灰があり、激しい火山雷があったとのことです。また、その日のうちに江戸にも多量の降灰があり、川崎で5センチメートル積もっています。噴火は月末まで断続的に起きましたが、次第に弱まっていきました。山麓で家屋や耕地に大きな被害があり、噴火後は、洪水等の土砂災害が継続しました。

その他の記事より
・ミャンマー国軍の徴兵
 Myanmar’s ruling military has denied abducting young men to fill its dwindling ranks, but a spate of disappearances is fostering a countrywide climate of fear.
・ロシアの戦略物資調達
 Using specialized e-commerce sites and secretive shipping workarounds, Russia has obtained the components it needs to keep its economy and war in Ukraine going.
・アフリカで広まる炭疽
 Five African countries are battling outbreaks of anthrax, but confusion with the test results has raised the possibility that a second disease is circulating.

2023年12月20日 水曜日