昨日から那須に来ている。那須は栃木県の北端。東京の天気予報で「北関東の山沿いのエリアでは雪が降るでしょう」というと必ず雪雲がかかっている。
昨日は、車を駐車するのに雪かきに時間がかかった。庭は一面雪景色だ。夜半から朝にかけて粉雪が降い、雪解けは望めない。
こんなとき思い出すのは、三好達治の「雪」という詩だ。
「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪降りつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪降りつむ。」
たった二行の詩だがいろいろと考えさせられる。
・舞台は、越後か富山かどこか豪雪地帯だろう。京都や山陰もありか。
・太郎と次郎は兄弟だろうが、別の家に住んでいるのかな。
・だとすれば太郎と次郎は大人だろうか。
・眠らせているのは誰だろうか。雪か?家か?母親か?
津々と雪の降る夜の冷たさと家の中の暖かさ。
雪明りにほの白く家々が見える。
雪の真綿にくるまれて深い眠りについている兄弟。
そんな情景が浮かんでくる一度聞いたら忘れられない詩だ。
(2022.2.5 Saturday)