年々や猿に着せたる猿の面

ブログの更新をさぼっていたので読者の皆さんから「何しているんだ」というお叱りを時々頂いた。

今日は大晦日。
うっとうしかった2021年も大団円である。
年の終わりにあたり、意を強くして、久しぶりに更新する次第だ。

題名は、正月を読んだ芭蕉の句だ。
アメリカの友人が年末の挨拶メールで引用していたので
久しぶりに思い出した句だ。

解釈は簡単ではない。
「年々猿回しが正月になると家にやってくる。
猿に猿の面をかぶせても中身は猿のままで変わりはしない。
人間も同じで新年だと言って改まって見せても変わりはしない。」
という意味だ。

久保田万太郎の名句。「去年今年 貫く棒の 如きもの」でも変わらない歳と人間が述べられており、こうした考えは我々の好みなのかもしれない。

コロナ禍で心も身体も鈍ってきており、このままではちょっと不甲斐ない。
今年は今年の抜け殻として、
来年はより良き年にするために少し歩を進めたい。

(2021.12.31)