世界の動き 2025年3月26日 水曜日

今日の一言
「ワシントン、モスクワ、キエフ」
国の政府を都市の名前で示すのは、英語特有の表現の仕方だ。大学の英語の時間で習い、覚えたことの数少ない一つだ。
ワシントンは米国政府、モスクワはロシア政府、キエフはウクライナ政府を指すのだ。
こうした表現は日本では通常使わないので、これまでニューヨークタイムズの記事を翻訳するときはわざわざ英文にある都市名を〇〇政府と翻訳してきたのだがもうやめようと思う。ウクライナ戦争では表現が多用され、広まった印象だからだ。
日本政府はどう表現するか。東京、或いは、霞が関と言うのだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ウクライナとロシア、黒海での停戦に合意
【記事要旨】
ウクライナとロシアは、黒海での戦闘を停止することで合意したと、ホワイトハウスは昨日発表した。海上攻撃の一時停止は重要な一歩となるが、完全な停戦には至らない。
米国はまた、両国がエネルギー施設への攻撃停止について詳細を詰めることで合意したと述べた。サウジアラビアでの3日間の交渉の末に成立したこの合意は、ロシアから何の譲歩も引き出せなかったようだ。
クレムリンは、ロシアの農産物輸出に対する西側諸国の制限が撤廃された場合にのみ、黒海協定を尊重すると述べた。ホワイトハウスの声明では、米国は「農産物および肥料輸出の世界市場へのロシアのアクセス回復を支援する」など、さまざまな措置を講じるとしている。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、この条項は「立場を弱め、制裁を弱める」ものだと述べた。また、制限の解除にはEUの承認が必要だが、現時点では承認される可能性は低い。
得られるもの:キエフとモスクワは、それぞれのエネルギー施設への攻撃を阻止することに関心がある。黒海では、ロシア海軍はウクライナの度重なる攻撃により撤退を余儀なくされている。
今後の見通し:これらの部分的停戦がどのように、いつ実施されるのか、また双方の約束がどれほど堅固なものなのかは不明である。ウクライナの国防相は、合意を成立させるには、できるだけ早くさらなる協議を行う必要があると述べた。

トランプ氏についてさらに詳しく
・トランプ氏は、保守派メディア評論家でイスラエルの熱心な擁護者であるL・ブレント・ボゼル3世氏を駐南アフリカ米国大使に指名する予定だ。
・トランプ氏の暗号通貨ビジネスは、USD1と呼ばれるデジタル通貨を販売すると発表した。この業界はトランプ政権によって規制されている。
・トランプ氏はグリーンランドに関する計画を隠していないが、なぜグリーンランドを欲しがっているのか?
【コメント】
交渉の結果は予想された通りロシアに有利なものだ。米国はロシアに飴を提供するが鞭は使っていない。
トランプは成果を強調するがロシアからは公表では成果がない。トランプには部下から耳に心地良い情報しか上がっていない恐れがある。

2.米政府高官、チャット漏洩の責任を否定
【記事要旨】
トランプ政権の諜報機関トップ2人は昨日、上院公聴会で、誤ってジャーナリストが参加したグループチャットではイエメン攻撃に関する機密情報は共有されなかったと述べた。
情報長官のトゥルシ・ガバード氏とCIA長官のジョン・ラトクリフ氏は、攻撃目標に関する情報の機密性を認めたが、各省庁の機密情報は共有されなかったと主張し、チャットで戦争計画を共有したとして追及されるピート・ヘグゼス国防長官をそのままにした。
トランプ大統領はまた、チャット漏洩の重要性を軽視し、チャットを設定したマイケル・ウォルツ国家安全保障顧問を「非常に良い人」と呼んで擁護した。彼は、誤ってチャットに追加され、漏洩を暴露したジャーナリストを「卑劣な奴」と呼んだ。
ヨーロッパ:チャットには、政権のヨーロッパ人嫌いを示すコメントが含まれていた。ヘグゼス氏は「ヨーロッパのただ乗り」を「哀れ」と呼び、不満を述べた。トランプ氏は昨日、ヘグゼス氏に同意すると述べた。
シグナル:軍のチャットとしてメッセージング アプリとして使用された。安全性はどの程度か?
【コメント】
シグナルは日本では闇バイトグループの使用で有名だ。トランプの依怙贔屓では、ヘグセスもウォルツもgood manとして守られる。

3.パレスチナのオスカー受賞者が入植者に殴られたと語る
【記事要旨】
イスラエル当局は昨日、オスカー受賞ドキュメンタリー「No Other Land」のパレスチナ人監督ハムダン・バラル氏を釈放した。同氏は一晩拘留されていた。バラル氏は、自身と他の目撃者によると、ヨルダン川西岸で覆面をしたイスラエル人入植者による攻撃を受けた後に逮捕された。
イスラエル当局は、石を投げたり、器物損壊の疑いでバラル氏を尋問したが、同氏は否認した。
長引く痛み:イラナ・グリツェフスキー氏はガザでのハマスの監禁から解放されたが、まだ自由になったとは感じていない。同氏のパートナーは依然として人質のままである。
撤退:国連は、イスラエルによる施設への度重なる攻撃を受け、ガザの国際職員の約3分の1を撤退させると発表した。
【コメント】
『No Other Land』は、バーゼル・アドラ、ハムダン・バラル、ユヴァル・アブラハム、レイチェル・ソルが監督デビューした2024年のドキュメンタリー映画。パレスチナ人とイスラエル人の活動家4人による集団が、イスラエルとパレスチナの紛争中に正義への道を進む抵抗行為として制作した。この映画は2019年から2023年にかけて撮影され、占領下のヨルダン川西岸にあるパレスチナ人コミュニティの破壊を映し出している。このコミュニティは、彼らの土地にイスラエルが「射撃地帯」を設定したのを受けて強制的な立ち退きに抵抗していた。(Wikipediaより)

その他の記事
カナダ:インドは、2022年の保守党党首選挙でマーク・カーニー首相の有力な対抗馬であるピエール・ポワリエブル氏を支援したと諜報機関が語った。
インド:ムンバイのコメディクラブが、パフォーマーが州の政治指導者をからかった数時間後に暴徒に襲撃された。
研究:ヨーロッパの大学は、トランプ政権のコスト削減策で職を失った科学者を採用している。

日本:裁判所は、殺人罪で死刑囚として44年間服役しその後判決は覆された男性に140万ドルの賠償金を支払った。
宗教:裁判所は、安倍晋三前首相暗殺事件後の捜査を受けて、統一教会の日本支部に解散を命じた。

2025年3月26日 水曜日