台風10号の接近により気象庁が最大級の警戒を呼び掛けている。死者行方不明者5000人を記録した伊勢湾台風並みの注意が必要だそうな。
大きな台風と聞くと思い出すのが2000年公開のアメリカ映画The Perfect Stormだ。シーズン前半の不調分を一気に挽回しようとするジョージ・クルーニーが船長だ。後半、漁には成功するが帰路巨大な嵐The Perfect Stormに巻き込まれ船は沈み乗員全員が犠牲になる史実に基づいた映画だ。
映画の元になったハリケーン・グレイスは中心気圧980hP、最大風速80km/hという並みのハリケーンだが、いくつかの低気圧と呼応し、巨大な波を現出させたのだ。
アメリカで特に大きな被害(特に黒人層に)を出したことで有名なハリケーン・カトリーナを調べると、中心気圧902hPで、その強力さに驚く。
経営においてはThe Perfect StormはThe Worst Case Scenarioと同じような意味で使われる。ワーストケースは、現在考えている要因が、すべて最悪に振れた場合に、事業がどうなるか考えるやり方で、殆どの企業で考えている。パーフェクトストームは、映画のように、ハリケーンだけでなく思いがけない低気圧が複数同時に発生するような場合、つまり現在考えてもいない事態が起きたときに、事業がどうなるか準備しておこう、という考え方だ。
現下の、運輸業、宿泊業、旅行業、飲食業において、コロナ禍はパーフェクトストームだったに違いない。現在はあまり影響を受けていない企業も、これを機に、自分たちにとってのパーフェクトストームを想起し準備しておくことが必要だ。
(2020.9.6)