世界ランキングで日本の順位が低いのは珍しくもなくなっているが、子供の精神的健康度が世界のほぼ最低だと言われると聞き捨てならない。
UNICEFが5年ぶりに世界(OECDとEU加盟国の合計38か国)の子供の、肉体的健康度、学力と社会的スキル、精神的健康度の3つの分野でランク付けしたものだ。
日本は、肉体的健康度で第1位、学力と社会的スキルは27位に、精神的健康度で37位にランクされた。総合では20位だった。
栄養状態が良く肥満が少ないので肉体的には1位。学力は高いが友達を作れなので27位。問題は精神的健康度の37位だ。なぜか。
15歳から19歳の10万人当たりの自殺率7.5人はワースト2位。人生の満足度62%もワースト2位。貧困層に住む子供の割合18.8%は平均以下。これらを勘案すると37位になるそうな。日本を下回るのは自殺率の高いニュージーランドだけだ。
全体を総合した順位は、オランダが1位。デンマーク、ノルウェーが続き、日本は20位。米国は36位だ。
どうすればよいのか。
受験競争の厳しさを挙げている教育評論家もいるが、競争は以前の方がずっと厳しかった。世の中全体の閉塞感や大人の自信の無さが子供にも影響しているのだと思われる。
コロナ禍を乗り切り、経済の成長と雇用の安定をもたらす政治のかじ取りが重要だ。世界で暮らしてみると、これほど自由で平和で安全な国は少ない。このことを大人が再認識し、自信をもって暮らして行くことが、子供の精神的健康度の向上に資すると思われる。
(2020.9.3)