トランプ旋風

 就任前からトランプ旋風が吹き荒れている。曰く、グリーンランドは米国領たるべし。パナマ運河は米国領たるべし。関税を避けたければカナダは米国の51番目の州になるべし。メキシコ湾という呼称はアメリカ湾にすべし。非常事態宣言を出して就任初日から輸入品に一律に関税を課す。等々だ。

 トランプの(少なくとも現状は)バディーであるイーロン・マスクは、ドイツのショルツ政権をこき下ろし、極右のAfDへの支持を公言している。英国の労働党政権も非難の的だ。

 こんなに訳の分からない乱暴者が近くにいたらどうするか。「ジャイアン」の子分の「スネ夫」のように言うことを聞きまくるか、「のび太」のように、いうことを聞くふりをしながら事態の変化を待つか、どちらかだ。本当は「できすぎ君」のようにずば抜けた成績でジャイアンに一目置かれる存在になれば良いのだが、これは中国が取りうる戦略で、現在の日本には一目置かれる材料が乏しい。

 だらだら先延ばしするのは日本の得意技で、「検討します」と言うのは「何もしない」という意味で、「真剣に検討します」と言うのは「少し考え始めてみる」という意味だという政府・官庁用語はわれわれにはおなじみだ。

 とりあえず「検討事項」が積みあがるかもしれないが、その内に潮目は必ず変わるものなので、のらくらと時間をかけて「誠心誠意」対応すれば良いのだ。

2025年1月12日 日曜日