世界の動き 2024年12月17日 火曜日

今日の一言
「USスチールの買収」
昨年末、日本製鉄が一株55ドルで買収を発表する直前、USスチールの株価は39.28ドルだった。買収価格は4割のプレミアムが乗っており総額約2兆円の買収計画だった。買収発表後株価は50ドル近くまで上昇した。
現在の株価は32.74ドル。市場は買収の可能性は全く消滅したと見ていることがわかる。
一方、こんなニュースも出てきた。
ソフトバンクグループが今後4年間で米国に1000億ドル(約15兆4000億円)を投資する計画だと、トランプ次期米大統領が発表した。同社の孫正義会長兼社長と並んで開いたイベントでトランプ氏は、「孫氏は選挙後の米国に大きな楽観を感じているからこそ、この投資を行う」と発言。関係者によると、ソフトバンクGの計画にはAIと関連インフラを中心に10万人の雇用創出を約束することも含まれる。
ソフトバンクの素早い動きと、新旧ビジネスの金額の桁の違いにも驚かされる。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.シリア反政府勢力指導者、制裁解除を要求
【記事要旨】
シリアで政権を握った反政府連合の指導者アハメド・アルシャラ氏は、昨日の記者とのインタビューで、緊急の優先事項は、米国と他の国々にシリアに対する制裁を解除するよう促した。彼の過激派グループであるハヤト・タハリール・アル・シャムに対するテロ指定を解除し、アサド政権に課せられた制裁を停止するよう求めた。
同日、ロシアへの逃亡の決断について、アル・アサド大統領は、反政府勢力がダマスカスに進軍したためロシア軍に避難させられたとSNSで述べた。
米国は昨日、シリア中部でISを標的とした空爆を実施し、12人を殺害したと発表した。イスラエルもシリア沿岸地域に大規模な空爆を実施した。
ロシア:ウラジミール・プーチン大統領は、彼の親密な同盟国であるアサド政権の崩壊についてまだ公にコメントしていない。この沈黙は、シリアにおけるロシアの軍事基地の将来をめぐる不確実性を浮き彫りにしている。
【コメント】
ロシアの空軍と海軍の基地は中近東で死活的に重要な拠点だ。ロシアは反政府勢力と交渉して基地の権益は必ず確保するだろう。米国イスラエルとの勢力争いが起き、シリアは代理戦争の場になる運命を免れそうにない。

2.ドイツ政府が崩壊
【記事要旨】
ドイツ議会は昨日、オラフ・ショルツ首相の政権を解散する決議をし、フランスの政権崩壊に続き、欧州のリーダーシップ危機が深刻化している。
ショルツ首相は、11月に3党連立政権が分裂した後の不信任投票に敗れ、法案や予算を可決するための議会過半数を失った。欧州最大の経済を担うドイツは、現在、暫定政権の手に委ねられており、2月に総選挙が行われる見込みだ。
7つの政党の中では保守派のキリスト教民主党が最も勝利する見込みが高いが、世論調査によると、政治的に極右の政党、特に右派の政党が好成績を収めると見込まれている。ショルツ首相は首相の職を失う予想だ。
【コメント】
「ドイツのための選択肢」AfDが躍進する可能性が高そうだ。フランスとドイツで右傾化が進む。両国の右派は疎遠だから欧州の求心力がとても弱まると見る。

3.トランプ氏、選挙後初の記者会見
【記事要旨】
トランプ次期大統領は昨日、選挙後初の記者会見をマール・ア・ラゴで行い、国境警備、ドローンの目撃情報、ウクライナ戦争など、さまざまな話題について約1時間にわたり幅広い発言を行った。また、日本のテクノロジー企業ソフトバンクが米国のプロジェクトに1000億ドルを投資することも発表した。
トランプ氏は2期目に入るにつれて共和党への彼の支配力が強まり、一部の大企業のCEO達がトランプ氏を口説こうと躍起になっていることからを示唆した。
米国政治についてさらに詳しく:
・トランプ氏が国防総省のトップに指名したピート・ヘグゼス氏は、性的暴行でトランプ氏を告発した女性を、金銭和解の秘密保持条項から外すと述べた。
・トランプ大統領が保健長官に指名したロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、連邦議会で共和党議員らと会談し、長年にわたるワクチン反対の立場について質問される可能性が高い。
【コメント】
孫さんはトランプ氏にとって力強い支援を与えたことになる。

その他の記事
米国:
ウィスコンシン州マディソンのキリスト教学校で少年が銃を乱射し、少なくとも2人が死亡、その後、校内で遺体で発見されたと警察が発表した。
カナダ:
クリスティア・フリーランド副首相は、ジャスティン・トルドー首相を痛烈に非難し、突然辞任した。
健康:
脳損傷の症状緩和を求めて、一部の退役軍人が米国では違法の幻覚剤を求めて海外へ渡っている。

2024年12月17日 火曜日