McKinsey Quarterly の今年最も読まれた記事

 そろそろ年の瀬で、今年を総括する時期が来た。TIMEの Man of the Yearにはトランプ氏が選ばれた。ビジネスをリードするMcKinseyの四半期報の記事で最も読まれたTop10を見るのも、今年の振り返りとして有益かもしれない。
 ”The year’s most popular articles from the McKinsey Quarterly” によると、Top10は以下だ。

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1. 生成 AI のリセット:
 2024 年に潜在能力を価値に変えるための再構築
  生成 AI の成果は、企業がビジネスに対してより深い組織的手術を行った場合にのみ得られる可能性がある。

2. 迅速かつ安全に生成 AI を実装する:
 ジェネレーティブ AI に伴うリスクと機会
  ここでは、リスクを軽減しながら、初日から機会を活かすためのロードマップを示す。

3. エージェントが生成 AI の次のフロンティアである理由:
 情報から行動に移行すること
  複雑なワークフローを完了できる仮想同僚を想像して欲しい。このテクノロジーは生産性とイノベーションの新たな波を約束する。

4. 生成AI の人間的側面:
 生産性への道を切り開く
  生成AI を使用する従業員の数は急増すると予想され、多くの従業員が高度な認知作業に集中できるようになる。組織はこの機会を利用して、仕事をより人間中心にすることができるか?

5. 健全な組織は勝ち続けるが、ルールは急速に変化:
 組織の健全性とパフォーマンスを向上させる
  従業員に意思決定の権限を与え、テクノロジーを使用して価値を生み出し、リーダーシップのスタイルを更新するなど、新しい慣行に焦点を当てる必要がある。

6. CEO への道:
 あらゆる段階で成功を収める
  切望される CEO の役割は、上級管理職にとって頂点だ。特定の属性を開発することで、そこに到達し、レガシーを残すことができる。

7. 生成AI スキル革命:
 人材戦略を再考する
  必要なソフトウェア人材を開発するには、人材をめぐる不確実な時期を乗り切るため、役割ではなくスキルの観点から考える必要がある。

8. 2030 年のデータと AI 主導の企業への道筋を描く:
  生成AI によりデータへの注目が高まり、企業は真にデータに基づく組織を構築するために実質的な変化を起こすようプレッシャーを受けている。

9. マイケル デル氏から直接学ぶ:
 リーダーシップの教訓と AI の未来
  デル テクノロジーズの CEO が、AI の今後、絶え間ない混乱に直面しても企業が成功裏に変革する方法、そして 40 年間で自身のリーダーシップ スタイルがどのように変化してきたかについて語る。

10. 技術責任者の新たな夜明け:
   企業が AI、生成 AI、その他の急速に進化する技術から価値を生み出そうと努める中、企業の技術責任者は業務運営方法を根本的に変えることになる。
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 Top10の殆どが生成AIがらみであるのは驚きではない。ChatGPTが一般に公開されたのが2022年12月。人口に膾炙してきたのが2023年後半。従ってMcKinseyQuarterlyで本格的に取り上げられたのは2024年からだ。

 シンギュラリティを迎えるほどに発達した生成AIをどのように使いこなすのか、リスクをどのように管理するのかは人類にとって重大な課題だ。

 技術責任者にとっては自身の課題だ。CEOにとっては生成Aiを実装した優秀な集団を率い他社を圧倒する成果を上げるのがミッションになる。人知の遭遇したことのない大きなミッションだが、上手く解決できるCEOはどの程度いるのだろうか。

2024年12月14日 土曜日