世界の動き 2024年10月23日 水曜日

今日の一言
「暗雲か」
Bloombergの記事より要旨
『ウォール街の大手銀行2行が米国株式市場の今後数年の行方について対照的な見解を示している。
ゴールドマン・サックスは、S&P500指数の年率リターンが3%程度にとどまると予測し、相場の高水準や米国債利回り上昇による資金流出の可能性を指摘している。
一方、JPモルガンはより楽観的で、主要企業の株価が今後10~15年間も投資家のポートフォリオの柱となり、年率6.7%のリターンを見込んでいる。
ただし、バリュエーションの低下は避けられないとしつつも、堅実なファンダメンタルズがそれを補うと予測している。両行の見解の違いは、利下げ後の市場不確実性を反映している。』
筆者の考える不確定要因
・金利上昇懸念:レバレッジを利用する投資ファンドにとっての運用資金コストの上昇
・米国大統領選挙後の政治の不安定化
・イスラエル、ウクライナを巡る戦乱の継続
いずれにしてもあまり明るい見通しは持てない。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.共和党議員らが選挙に疑念を植え付ける
【記事要旨】
ドナルド・トランプ氏が11月5日の選挙は不正選挙になるだろうと広く主張する中、同氏の同盟者の一部はすでに今年の投票に疑問を呈している。彼らの取り組みは、トランプ氏が負けた場合に選挙結果を覆すための下地作りに役立つ可能性がある。
トランプ氏が2020年の選挙結果を覆そうとするのを支援したペンシルベニア州選出のスコット・ペリー下院議員も、この取り組みを主導する1人だ。同氏と共和党議員らは州政府を相手取り訴訟を起こし、軍人や海外在住の米国人が投じた投票用紙を検証するシステムが不十分だと主張している。これは、有権者名簿や外国人有権者などの問題に関連して共和党同盟者が起こした約100件の訴訟の1つだ。選挙管理当局者や他の専門家は、これらの主張には根拠がないと述べている。
大統領選挙のその他の動き:
・ロシアは米国の選挙結果をめぐる抗議行動や暴力を煽る行動を取る可能性があると、諜報当局は昨日警告した。
・トランプ氏は、若者にアプローチする戦略の一環として、ジョー・ローガン氏とのポッドキャストインタビューを収録する予定だ。
(ジョー・ローガンは格闘技に関する著名なコメンテーターでポッドキャストで大人気。世論調査では、男性の36%、女性の32%がポッドキャストのリスナーで、よく聴くポッドキャスト番組を尋ねた結果、男性は「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」と「ベン・シャピロ・ショー」と回答し、女性は「ニューヨーク・タイムズ ザ・デイリー」と「ディス・アメリカン・ライフ」と回答している。)
・ハリス陣営は、フェイスブック広告やワッツアップチャンネルの集中攻撃が、幻滅したイスラム教徒やアラブ人の有権者の支持獲得に役立つことを期待している。
・タイムズ紙の分析によると、保守派による政府再編計画「プロジェクト2025」は、トランプ氏の主張とは裏腹に、トランプ氏とその陣営と多くのつながりがあることが判明した。
【コメント】
ジョー・ローガンか。いかにもトランプらしい目の付け所だ。

2.ハマスのゲリラ戦術は敗北を困難にしている
【記事要旨】
ハマスのトップ司令官の殆どは死亡し、一般兵士は壊滅し、隠れ家や備蓄の多くは破壊された。ハマスの戦闘員はイスラエル軍と正面から戦うには敵わないが、ハマスはそういう戦い方をしていない。
小規模な一撃離脱攻撃により、ハマスはイスラエルに損害を与え続け、敗北を免れている。ハマスの広大な地下トンネル網は、イスラエルの破壊努力にもかかわらず、ほぼ無傷のままである。アナリストらによると、ハマスの指導者ヤヒヤ・シンワルの死でさえ、ガザ北部のハマス戦闘員の能力に影響を与える可能性は低い。
外交:アントニー・ブリンケン国務長官は昨日イスラエルを訪問し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、シンワル殺害を「利用」してガザ戦争を終わらせるよう圧力をかけた。
【コメント】
イスラエルとしてはどこまでハマス組織を破壊しつくせば安心できるだろうか。軍事組織としては破壊できても思想を根絶することは不可能だ。

3.ウクライナへの500億ドルの融資
【記事要旨】
米国と欧州は、凍結されたロシア中央銀行の資産を担保とする500億ドルの融資をウクライナに提供する計画をほぼ最終決定したと、米国財務長官が昨日述べた。
今週、ワシントンで国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会中に財務相と中央銀行総裁が協議するため、発表が行われる可能性がある。「これは、ロシアがウクライナに与えている損害のコストと費用をロシアに負担させる方法だ」とジャネット・イエレン財務長官は記者会見で述べた。
関連:米国は、長距離ドローンの製造のためにウクライナに8億ドルの軍事援助を提供することに合意した。
インフレ:IMFは報告書で、世界の中央銀行が金利を数年ぶりの高水準に引き上げたにもかかわらず、世界経済は景気後退に陥るのをなんとか回避したと述べた。
【コメント】
石破内閣での蔵相は誰か覚えていますか?

その他の記事
ロシア:
西側諸国から孤立しているウラジミール・プーチン大統領は、中国、インド、南アフリカの首脳を首脳会談に迎え入れ、外交上の勝利を収めた。
外交:
インドと中国は、ヒマラヤの国境問題で合意に達し、敵対関係が緩和される可能性がある。
インド:
イスラムの政治活動家ウマル・ハリド氏は、裁判も受けずに4年間投獄されている。ハリド氏は、声を上げることの代償の象徴となっている。

2024年10月23日 水曜日