アメニティ考

海外の一流ホテルに泊まる楽しみの一つは、ハイレベルのアメニティが揃っていることだった。シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディーローションが、小粋な入れ物に入っていた。石鹸も上質で大きなものが優美な包装を身にまとっていた。同じホテルに連泊する際は、何個も集めて持って帰ったものだ。

今回オランダ・ベルギーの観光旅行では中級のラディソンとヒルトンに泊まったが、アメニティは無く、日本のビジネスホテルのように、シャワールームと洗面に大きな入れ物があり、ハンドソープとシャンプーとリンスが入っていた。味もそっけもないと思った。昨年12月に世界一の誉れの高いバンコクのマンダリン・オリエンタルに泊まった時に、シャワールームと洗面に同様の設備があり大分がっかりした。昔は良くお世話なった、ソーイングキットやタルカムパウダーは有る由もなく、辛うじて歯ブラシと髭剃りがあったのは、一流の名残りかと思われた。

アメニティと言えば、以前仕事でビジネスクラスに良く乗っていた時はJALのポーチがたくさんたまった。JALの業績不振と共にコストカットのためかポーチは配られなくなった。

最近は観光旅行でビジネスクラスを使うが、フィンランド航空ではマリメッコのポーチ、タイ航空ではジム・トンプソンのポーチ、KLMではゴブラン織りのポーチとオランダの建物を模した陶器をアメニティで配っていた。いずれもとても気が利いていて、楽しいものだった。

業績の改善したANAやJALは、現在はどのようなアメニティを配っているのだろうか。日本を思わせる小粋なものを配ってもらいたいものだ。

2024年4月28日 日曜日