世界の動き 2024年1月31日 水曜日

今日の言葉:
「Tone at the Top」
 アメリカで良く使われる言葉だ。トップの姿勢と訳せばよいのだろうか。
 昨日、岸田首相と豊田会長が謝罪あした。日本の政治と経済のトップだ。政治の裏金問題、トヨタグループ企業の品質不正問題、共に大きな課題だが、問題に根は、組織の体質を作り育ててきたトップの責任だ。
 Tone at the Top. 重い言葉である、トップへの戒めだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.パキスタン元指導者に有罪判決
【記事要旨】
 昨日、パキスタン元首相イムラン・カーンに懲役10年の判決が言い渡された。 この判決は同氏と同党を排除するための軍部の動きと見られており、2022年4月にカーン氏が追放されて以来初となる国政選挙の約1週間前に下された。
 アナリストらは、今回の選挙はパキスタンの76年の歴史の中で最も信頼性の低い選挙になるだろうと述べている。 長年パキスタンの政治を指導してきた見えざる手である軍は、これまでにも選挙に介入したことがあるが、今回はその干渉がより顕著に現れる。
 カーン氏の人気は、いくつかの訴訟で投獄され、国政選挙への立候補を禁止されているにもかかわらず、権力の座から追放されてからも高いままだ。 軍はカーンの「追放は軍のせいだ」という告発を否定している。 カーン氏を支持するエリート層にも逮捕が広がっているが、軍に対する国民の怒りは高まっている。
 カーンは国家機密を漏洩した疑いで告発された。 この判決は、昨年設立された特別裁判所によって下されたが、アナリストらは、この裁判所は軍の意向を尊重したものであると主張している。 カーン氏はこの裁判を「八百長試合」と呼び、同氏の党は判決に対して控訴すると述べた。
【コメント】
 パキスタンは南アジアの大国だ。まがりなりにも民主主義が維持されてきたが軍部の介入が露骨になっているようだ。経済的な安定をもたらせないと軍への批判は更に高まり国内で動乱が起こって行くだろう。

2.ハマス、戦闘停止計画を検討
【記事要旨】
 ハマスはガザでの戦闘を一時停止する提案を検討しており、それはより多くの人質の解放を可能にする6週間の停戦から始まる。 合意の枠組みはカタール、エジプト、イスラエル、米国の協議から浮上した。
 ハマス指導者が提案を検討することに合意したことで、依然として大きな意見の相違があるとしても、合意の可能性があるとの期待が高まった。
 ハマスの政治責任者、イスマイル・ハニヤ氏は声明で合意に前向きであることを示唆した。 しかし、彼はガザからのイスラエル軍の全面撤退という長年の要求を堅持したが、イスラエルの指導者ベンヤミン・ネタニヤフは即座に拒否した。
 イスラエル軍は昨日、ヨルダン川西岸の病院内でハマスの司令官と他の2人の過激派を殺害した。
【コメント】
 ガザ住民の苦悩を救うためには一刻も早く停戦に合意して欲しいものだ。

3.香港、新たな安全維持法を強行
【記事要旨】
 香港政府は長年棚上げされていた治安維持法の制定を計画していると当局者が昨日明らかにした。 外国の影響力を抑制し、国家機密の窃盗や反逆罪などの犯罪の定義を拡大することになる。 この措置は、2020年に中国政府が可決した包括的な法案と並行して存在することになる。
 この法律は反対意見をさらに沈黙させることが期待されており、当局者は、この法律によって市の行政長官ジョン・リー(李家超)が「私たちの社会にまだ潜んでいる」敵対勢力を排除するだろうと述べている。 批評家らは、これにより人権がさらに削減されることになると主張している。
 背景: 政府は 2003 年に初めてこの法律を制定しようとしたが、この法律が市民の自由を制限することを懸念した住民による大規模な抗議を受けて撤回した。
【コメント】
 香港での新たな締め付けの展開だ。そういえば、香港には戻らないと声明を発表した民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)さんは無事でいるのだろうか。最近報道が無く、心配だ。

その他の記事
・長期化する中国の不動産不況
 China’s real estate market downturn, the longest on record, is accelerating.
・ミャンマーの権力構造
 An arms dealer with close ties to Myanmar’s military junta was acquitted of drug trafficking and money laundering by a Thai court. Some fear he will return to aiding the regime.
・ウクライナで大統領と軍部に溝か
 Ukraine’s government is in tumult as rumors swirl that President Volodymyr Zelensky may fire his top commander.

2024年1月31日 水曜日