世界の動き 2024年1月22日 月曜日

今日の言葉:
「拡大か縮小か」
 日本のメガバンクは総じて拡大志向だが、米国のシティバンクは縮小と再編に勤めている。
 シティは20,000人の人員削減を含む再編策を進めており、大株主であるバークシャーハザウェイのバフェット氏の支持を取り付けたとの報道があった。
 金利の行方と経済の行方の不透明さで金融機関の経営は難しさが増しているが、贅肉を削ぎ落し危機に備える方針はどのような事態でも正しい施策だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.ホワイトハウス当局者、人質交渉のため中東へ向かう
【記事要旨】
 バイデン大統領の中東調整官ブレット・マクガーク氏はエジプトとカタールを訪問し、戦闘の一時停止と引き換えにハマスに拘束されている人質解放の合意について首脳らと会談する。
 エジプトとカタールは11月の停戦仲介を支援し、その間にハマスは100人以上を捕虜から解放した。 同様の取引がまた行われることが期待されている。 しかしアメリカ当局者らは、恒久的な停戦を求めるハマスの明らかな願望により、新たな人質解放が複雑になっていると述べた。
 マクガーク氏の訪問は、イスラエルのネタニヤフ首相が人質解放と引き換えにイスラエル軍の撤退を求めるハマスの要求には応じないと改めて述べた中で行われた。 「はっきりさせておきたい。私はハマスの怪物たちの降伏条件を完全に拒否する」とネタニヤフ首相は昨日述べた。
 バイデン大統領がパレスチナ国家の武装解除の可能性を示唆した翌日、ネタニヤフ首相はパレスチナ国家樹立の考えを再び拒否した。 バイデン氏は、何十年にもわたるイスラエル・パレスチナ紛争の唯一実行可能な解決策は、何らかの二国家解決策であると主張しており、最近の歴史ではほとんどの米国と欧州の指導者がこの立場をとっている。
 ネタニヤフ首相は「ヨルダン川西側全域のイスラエルによる完全な治安管理については妥協しない。それはパレスチナ国家とは相容れないものだ」とXに投稿した。
 土曜日、イラク西部でイラク空軍基地がイラン支援の民兵組織による砲撃を受け、少なくとも2人の米軍人が負傷した。
 シリアの首都ダマスカスで土曜日、イラン情報機関高官がイスラエル軍の攻撃で殺害された。
【コメント】
 イスラエルの方針は米国の説得で変わるものではないと見る。国家の安泰には多少の犠牲は止むを得ないというのがイスラエルの変わらぬ国策だ。

2.北朝鮮は本当に攻撃を計画しているのか?
【記事要旨】
 1月5日、北朝鮮は韓国国境の島々付近の海域で数百発の砲弾を発射した。 同国は先週、韓国は核戦争を通じて征服する「敵対国家」であると述べた。 金曜日、米海軍艦隊を撃退するために水中核ドローンの実験を行ったと発表した。 この最新の脅迫の意味については、意見の相違がある。
 複数のアナリストは、これは北朝鮮の指導者である金正恩氏が西側諸国との外交関与に幻滅していることを示す手がかりであると述べ、また少数のアナリストは、同国が韓国への攻撃を計画している可能性を提起している。
 もっと懐疑的な人もいる。ソウルの梨花女子大学の北朝鮮専門家、パク・ウォンゴン氏は、金氏が北朝鮮の敵に制裁の戦争を始める可能性があると説得したいと考えていると見る。
 北朝鮮が攻撃された場合に支援を提供する条約で義務付けられている中国も、金氏の戦術の的となる可能性がある。 ソウルの延世大学中国研究教授デルリー氏は、緊張を高めることで、金氏は習近平氏が「金氏をなだめるために何をしようとしているのか」を知ることができると述べた。
【コメント】
 北朝鮮と中国は安全保障条約を締結しているのだろうか。だとすると、北が韓国を攻撃したとたんに米国が北朝鮮を殲滅するというシナリオには疑問符が付く。
 北からの通常ミサイルの攻撃に日本の原子力発電所は絶えられるのだろうか。日本の防衛力増強は、米国からの兵器の爆買いではなく、いまそこにある危機が具体化した時にどう動くか具体策が必要だ。

3.台湾で危険な疑惑が高まっている
【記事要旨】
 中国が台湾に対する領有権をより強力に主張しているため、この島国は矛盾と疑念の塊となっている。
 台湾の人々は米国によるウクライナとイスラエルへの軍事援助の行き詰まりを目の当たりにし、台湾が危機の際に実際に彼らに何をしてくれるかを想像しようとするにつれ、台湾の米国に対する信頼は急落している。 最近の世論調査では、米国を信頼できると考える回答者はわずか34%で、2021年の45%から減少しており、オンラインでの議論の調査では、世界最古の民主主義には力も支援する意志も欠けているのではないかとの懸念が高まっていることが示されている。
 しかし、その不信感が中国が台湾を飲み込みやすくする可能性がある。
 新しい新世界: 台湾を訪れた中国人にとって、最近行われた台湾の選挙を間近で見て、羨望と涙の両方が湧き起こりました。
【コメント】
 最後のThe New New Worldについての文章が良く理解できなかった。中国人は投票の自由に羨望し、選挙結果には涙したということだろうか。
 米国への信頼が落ちている中で日本の役割が問われる。台湾を中国に失うことは世界一の親日国を失うことになる。

その他の記事より:
・デサンテスは大統領選から撤退
 Gov. Ron DeSantis of Florida suspended his campaign for U.S. president and endorsed Donald Trump.
・タイの不敬罪
 Thailand imposed its longest sentence for criticizing the country’s royalty, giving 50 years in prison to a man for 27 posts on Facebook.
・日本が5番目の月面着陸国に
 Japan became the fifth country to land a spacecraft on the moon.

2024年1月22日 月曜日