世界の動き 2023年12月4日 月曜日

今日の言葉:
「アバターは永遠に」
 50年のキャリアを誇る米国の人気ロックバンド「KISS」。メンバーが引退した後も、バンドは3次元(3D)アバターとして生き続けることになる。
  KISSは2日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで「最終公演」を行った。そこでの最後の曲、「ゴッド・ゲイヴ・ロックンロール・トゥ・ユー」ではリードボーカルのポール・スタンレー、ベースのジーン・シモンズ、ドラムのエリック・シンガー、ギターのトミー・セイヤーのアバターたちが登場し、演奏を披露した。アバターはジョージ・ルーカス氏の視覚効果会社インダストリアル・ライト&マジックが制作した。
  KISSはこれまでに44枚のアルバムを発表し、累計販売は1億枚を超える。バンドのフロントマンを務めるスタンレーは「自分たちが成し遂げてきたことは素晴らしいことだが、それだけでは十分ではない」と録画されたビデオ内でコメント。「バンドは生き続ける価値がある。バンドは自分たちよりも大きな存在なのだから」と語った。
  KISSがアバターによるコンサートツアーを開始するのは2-3年先になるとみられる。それまではゲームやメタバース、「エンタメビジネスのまったく新たな手法」に登場することになりそうだと、ポップハウスのパール・スンディン最高経営責任者(CEO)は述べた。
  人間が消滅してもアバターは不滅だということだ。人間が電脳世界で永遠に生存する世界がすぐそこに来ているようだ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.モディ首相の党が州選挙で勝利
【記事要旨】
 インド北部の州での選挙は、モディ首相とインド人民党(B.J.P.)にとって大きな試練とみなされたが、結果は、党が主要な人口密集地域での支配力を拡大したことを示した。
 この結果は、最大野党であるインド国民会議派にとってさらなる打撃となり、マディヤ・プラデシュ州、チャッティースガル州、ラジャスタン州の3州でモディ首相のBJPと争って敗れた。 国民議会派が勝利したのはテランガーナ州のみだった。
 モディ氏は今、春の総選挙に向けてさらに強い立場にある。 来月、モディ首相はウッタルプラデーシュ州の破壊されたモスクの跡地に建設中の新しいヒンズー教寺院の落成式を行い、自身の拠点をさらに活性化させる予定だ。
 数カ月にわたる民族暴力と、北東部州から焦点を移そうとする政府の努力の後、マニプールの遺体安置所は依然として引き取り手のない遺体でいっぱいだ。 家族らは、愛する人を迎えに行くのが怖くて出来ないと話している。
 米国でシーク教徒分離主義者殺害の疑いのある計画は、手の込んだおとり捜査によって阻止され、殺し屋を装った潜入捜査官と1万5000ドルの現金札が関与した。
【コメント】
 タイムズはモディ政権に批判的だが、政権は着々とヒンズー教徒の優越政策を進め支持を増やしている。カナダと米国でのシーク教徒の暗殺計画を見れば、動きはインド国内にとどまらず世界中で反政府の動きを見張っており、ロシアや中国と変わらない。

2.イスラエル、ガザ南部への地上侵攻を準備
【記事要旨】
 イスラエルによる週末の空爆で休戦が終了したことを受け、イスラエルは昨日、ガザ南部での避難命令を拡大した。 イスラエル軍は、北部で戦闘が始まった際に多くのガザ人が避難した南部への地上侵攻の準備を進めているようだ。
 米政府高官らは、戦闘が激化する中、ガザ地区の民間人を救うための行動をイスラエルに要請した。 多くのガザ人はどこに行けばいいのか分からない。この地域はすでに過密状態で、戦闘が始まって以来、ガザ人の80パーセントが家を離れている。
 米国防総省は、昨日紅海で米海軍駆逐艦が攻撃を受けたが、これはイラン支援の民兵組織との緊張激化の兆候である可能性があると発表した。
 タイムズ紙は、イスラエル高官がハマスの攻撃計画に関する諜報報告を無視または却下したことを示唆する証拠を発見した。 戦争が終わったら、彼らは辞職するか解雇されるかもしれない。
 パリでのナイフ襲撃事件:当局は、容疑者は精神障害を患っており、ガザを含む世界中でイスラム教徒が死亡したことに腹を立てていると警察に供述していたと発表した。
【コメント】
 結局戦闘の停止は永続せず、停戦の希望は絶たれた。

3.フィリピンで死者を出した爆発テロ
【記事要旨】
 イスラム国ISは、フィリピン南部の都市マラウィでカトリックのミサに参加していた少なくとも4人が死亡、数十人が負傷した爆発事件の犯行声明を出した。
 この爆発は、手榴弾または手製爆弾によって引き起こされたと考えられており、2017年に武装勢力との激しい戦闘の中心となったミンダナオ州立大学の体育館を破壊した。国軍参謀長は、この爆撃は「 過去数日間南部で武装勢力と衝突があった後の、報復攻撃かもしれない」と述べた。
【コメント】
 フィリピンでの地震は大きく報じられたが、この事件は知らなかった。宗教間の対立が抑圧された側からのテロ攻撃の引き金になる。こうした事件は世界中で起きる可能性がある。

その他記事:
・日本の津波警報
 Tsunami warnings in Japan and the Philippines were lifted after a powerful earthquake struck the region on Saturday.
・中国恒大集団の香港での倒産処理
China Evergrande may be on its last legs: A judge could force the property developer to liquidate and pay back creditors, who are owed tens of billions of dollars.
・中国のカナダ選挙への関与
 Han Dong, a member of Canada’s Parliament, may have received election support from the Chinese Consulate.

2023年12月4日 月曜日