キッシンジャーの名著”Leadership”について

キッシンジャーはその生涯に回顧録を含め多くの本を著している。その多くは批評家に客観性に欠けるとか自慢話だと批判されている。彼が自分で会ったことのある世界の指導者について述べたこの本はそうした批判を免れている。

この本の本質を説明するために、Amazonの書評を紹介したい。
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ヘンリー・キッシンジャーは、この説得力のある本の中で、「リーダーは 2 つの軸の交点で考え、行動するものである。
二軸の一つ目は、必然的に過去から得られる知識と、本質的に推測的で不確実な未来について直観することとのバランスを取ることだ。ニつ目は、彼らが率いる人々の不変の価値観に従うことと願望を奮い立たせることのバランスだ。 方向性を直感的に把握することで、リーダーは目標を設定し、戦略を立てることができる」と述べている。

キッシンジャーは、『リーダーシップ』の中で、6 人の傑出した指導者の人生を、彼らが体現したと信じている独特の国家戦略を通じて分析している。
第二次世界大戦後、コンラート・アデナウアーは、キッシンジャーの言うところの「謙虚の戦略」によって、敗北し道徳的に破綻したドイツを国際共同体に復帰させた。
シャルル・ド・ゴールはフランスを勝利した連合国に並べ、「意志の戦略」によってその歴史的威厳を新たにした。
冷戦中、リチャード・ニクソンは「均衡戦略」によって米国に地政学的優位性を与えた。
25年間にわたる紛争を経て、アンワル・サダトは「超越的な戦略」によって中東に平和のビジョンをもたらした。
逆境をものともせず、リー・クアンユーは「卓越性の戦略」によって強大な都市国家シンガポールを築き上げた。
そして、マーガレット・サッチャーが権力を握ったとき、英国は「ヨーロッパの病人」として知られていたが、彼女は「信念の戦略」によって自国の士気と国際的地位を新たにした。

キッシンジャーは、これらの研究のそれぞれに、歴史認識、公的経験、そして――彼はそれぞれの主題を知っており、彼が説明する出来事の多くに参加していたので――個人的な知識をもたらしている。 リーダーシップは、キッシンジャーだけが下すことができた洞察と判断によって豊かになり、世界秩序と今日のリーダーシップの不可欠性についての彼の考察で締めくくられている。
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いま捜したが、日本語訳はみつからない。AmazonでKindle版が1000円で読める(但し英文です)ので、年末休暇で時間があるときに読んでみたい。

2023年12月3日 日曜日