米国大統領選候補の討論会

 共和党でトランプに次いで第二位の候補につけているフロリダ州知事と、民主党で2028年を狙っているカリフォルニア州知事が討論会で舌戦を繰り広げた。以下、日本のメディアで詳しく報道している毎日新聞の記事を紹介したい。
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 米西部カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(56)=民主党=と南部フロリダ州のロン・デサンティス知事(45)=共和党=が11月30日、南部ジョージア州で討論会に臨んだ。2028年の大統領選への出馬を視野に入れるニューサム氏は、24年大統領選を目指すデサンティス氏を相手に舌戦を展開。「民主党の代表」として存在感を誇示し、「ポスト・バイデン」に向けて布石を打った。

 討論会は保守系のケーブルテレビ局「FOXニュース」が企画した。民主党が優勢な「青い州」と共和党が優勢な「赤い州」で政策を競うのが主題で、大規模州の知事で2大政党の有望株でもある両知事が招かれた。FOXは共和党寄りの姿勢で知られ、ニューサム氏は「敵地」に乗り込む形になった。

 ニューサム氏は10月にイスラエルや中国を相次いで訪問するなど、知事の枠を超えた活動が目立っており、「バイデン氏が健康問題などで出馬を断念した場合に備えて、24年大統領選の準備をしている」との風評もある。

 討論会の冒頭では「我々は2人とも24年の党候補には指名されない」と強調。共和党候補指名争いでトランプ前大統領に独走を許すデサンティス氏をからかいながら、自身の24年大統領選への「野心」を否定。再選を目指すバイデン氏の「実績を説明するために来た」と説明した。

  討論会では、人工妊娠中絶や性的少数者に関する教育、投票権を巡って規制を強化するデサンティス氏を「(産科の)医師や生殖医療を望む女性、教員らを刑罰の対象にして、投票するのを難しくしようとする男だ」と批判。デサンティス氏が81歳のバイデン氏の「認知能力」に疑問を投げかけると、「デサンティス氏が何歳であろうと、100歳のバイデン氏の方を支持する」と擁護した。

 一方、カリフォルニア州での人口流出や物価高騰、治安悪化といった自身に不利な問題では、司会者の質問に正面から答えない場面も目に付いた。

 ニューサム氏には、保守派知事の代表格であるデサンティス氏と討論することで、全米レベルでの知名度や党内での声望を高める狙いがあったとみられる。民主党中道左派に近いシンクタンク「第三の道」共同創設者のマット・ベネット氏はニューサム氏について「28年大統領選に向けた準備をしているのは間違いない」と指摘する。ただ、バイデン氏が何らかの理由で出馬を断念した場合、24年大統領選でもカマラ・ハリス副大統領(59)らと並ぶ有力候補となる。

 カリフォルニア州憲法には「3選禁止条項」があるため、現在2期目のニューサム氏は26年の次期知事選には立候補できない。今後もバイデン氏を側面支援しながら、党内での存在感向上を図るとみられる。【ワシントン秋山信一】
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 米国のメディアではもちろん大きく取り上げられているが、大勢はニューサム氏に分があったという見方だ。
 バイデン大統領が健康上の理由で来年出馬が難しくなったら、ニューサム氏が出てくる可能性が高そうだ。同氏が中国やイスラエルを州知事として訪問していたのも、外交にも強く、海外にも顔が売れているという主張のための布石だったとわかる。とても戦略的なひとでもありそうだ。デサンティス氏は来日したことがあり自民党の政治家は面談していたようだが、ニューサム氏にコンタクトの有る政治家はいるのだろうか。

 年末が近づき日本の政局も動いてきた。ポスト岸田は、派閥の合従連衡はいい加減やめて、世界の地政学の状況や海外とのコミュニケーション能力をみて決定されるべきだ。(といtっても誰も思い浮かばないのが寂しい!)

2023年12月2日 土曜日