世界の動き 2023年9月26日 火曜日

今日の言葉:
「ESG銘柄」
ESG銘柄はブームで大きく値上がりしてきたが、そこに大きな収益機会を見込むヘッジファンドが出てきている。メッキを剥がして値下げを促し空売りで儲けようという戦法だ。(以下Bloombegの記事より)

『ヘッジファンドが空売りの照準をESG(環境・社会・企業統治)銘柄に定め始めた。実態を伴うことなく環境に優しいとの誤った印象を与え、米政府による支援策でバリュエーションが割高になっている銘柄をあぶりだそうとしている。
ブルー・オルカ・キャピタルのCIOによると、「あらゆるESG銘柄」の株価がつり上がっているので、大きな収益が見込める空売り機会がある」。
ブルー・オルカが現在、空売りしている銘柄には、MSCIのESGランキングで「A」を付与されているバイオマス燃料生産のエンビバなどが含まれる。損益が赤字となっているエンビバの株価は年初から90%近く下げている。
ゴールドマン・サックスのアナリストは、インフレ抑制法によって再生可能テクノロジーやその他のグリーン資産に最大3兆3000億ドル(約490兆円)が流れ込むと試算し、同法がグリーン経済を大きく後押しする原動力になると見込んでいる。
一方で、補助金の効果が薄れてきた時にどの企業、あるいはどのセクターが行き詰まるかを見極めようとする動きもここにきて目立ってきた。アルゴノート・キャピタル・パートナーズはグリーン水素銘柄や一部の風力タービン生産企業、スイスのアナコンダ・インベストは米国の太陽光発電銘柄をショートにしている。』
記事に出ているエンビバは、バイオマス発電用の木質チップ供給者として北米一の企業だが、株価が90%も下がったとは知らなかった。木質バイオマス発電自体が本当にグリーンかどうか疑義があるので、まさに空売りの対象になるのだろうと思う。ヘッジファンドの目の付け所は鋭いと思う。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.ストライキ中のハリウッドの脚本家が契約に至る
【記事要旨】
全米脚本家組合の指導部は今日、ハリウッドで最長の労働争議の一つに終止符を打ち、業界の再始動に近づく可能性のある大手スタジオとの契約合意について採決を行う予定だ。
146日間のストライキを経て、ギルドはストリーミングコンテンツの報酬の増額、テレビ番組の最小限の人員配置に関するスタジオの譲歩、人工知能技術が作家の信用と報酬を侵害しないという保証など、望んでいたもののほとんどを手に入れた。
日曜日の夜に達した契約合意がギルド指導部によって承認されれば、ギルドのメンバーである11,000人の作家がそれを批准するために投票することになる。 深夜と昼間のトーク番組が復活する可能性がある。
しかし、ハリウッドの大部分は依然として停止状態にある。数万人の俳優がストライキを続けており、脚本家との契約により交渉が加速する可能性がある。 さらに、10万人を超える舞台裏のスタッフ(ディレクター、カメラマン、その他多くのスタッフ)が仕事をしない状態で待機し続けている。
脚本家らの契約は、米国の組織労働者による交渉力が成果をあげていることを示唆している。
【コメント】
すっかり忘れていたが、まだストが続いていたのだ。日本では大手百貨店の従業員が一日ストをしただけで大きなニュースになった。組合の組織力の低下も日本の給料が上がらない理由の一つになっているのだろうか。

2.ウクライナ、ロシア黒海艦隊司令官殺害と発表
【記事要旨】
ウクライナ軍は昨日、先週のミサイル攻撃でロシア黒海艦隊司令官と他の将校33人を殺害したと発表した。 もしそれが確認されれば、この損失はロシア海軍にとって、昨年の艦隊旗艦の沈没以来最大の損害となるだろう。
モスクワ国防省からの即時コメントはないが、黒海艦隊司令官ヴィクトル・ソコロフ提督は、モスクワ海軍の最高幹部の一人である。
戦争におけるその他の展開
ゼレンスキー大統領は、米国製エイブラムス戦車の初期ロットが予定より早く納入されたと述べた。
ロシアは、ウクライナが黒海から穀物を輸送する新たなルートの試行以来、初の大規模攻撃でオデッサ港を攻撃した。
【コメント】
ウクライナの反転攻勢は、クリミアで顕著な成果を上げているようだ。ただロシアにとってセバストーポリは単なる軍事拠点ではなく、民族の誇りの拠り所のようなので、今後のロシアの報復は熾烈なものになるだろう。

3.バングラデシュは致命的なデング熱の流行に直面
【記事要旨】
当局によると、デング熱の流行は同国史上最も深刻で、蚊が媒介するウイルスによる感染が地方から急速に広がり、首都ダッカのパンク状態の病院体制に負担がかかっている。
昨日、当局は、2022年全体では281人だったデング熱関連死亡者数が、今年は8月までで909人だった、と発表した。
【コメント】
dengue feverは東南アジアでよくある伝染病だ。蚊に刺されないように注意するが、流行地に行くときは怖いものだ。

その他:
太平洋諸島をめぐる米中の綱引き
President Biden hosted 18 Pacific Island leaders at the White House yesterday, in the latest illustration of a competition for influence between the U.S. and China.
アマゾンもAI強化
Amazon said that it would invest up to $4 billion in the artificial intelligence start-up Anthropic as it seeks to keep pace with rivals Microsoft and Google.
教育は人の手で
OpenAI sharpened its chatbot by hiring hundreds of people to teach the bot, much like an army of tutors guiding a student.

2023年9月26日 火曜日