世界の動き 2023年9月27日 水曜日

今日の言葉:
「グロース株とバリュー株」
 グロース株とは、企業の成長に伴い、将来大きく株価が上昇すると期待されている株式銘柄。 短期的な値上がりを期待できる点が主なメリットとして挙げられる。 バリュー株とは、対象企業の株価が企業価値や経済状況と比較して割安と市場から評価されている株式銘柄。 配当利回りが高い傾向にある点が主なメリットとして挙げられる。ここ数年はグロース株への投資が好成績だった。
 今はバリュー株への絶好の投資機会とするllombergの記事より。
『スマートベータの先駆企業リサーチ・アフィリエイツを創業したロブ・アーノット氏はインフレ率が5%に上昇しハードランディングの可能性が高まりつつある今こそ、割高なグロース株を手放してバリュー銘柄に投資するべきだと指摘した。「これまでグロース株の上昇を享受しバリュー銘柄を軽んじてきた人々に、リバランスをして『バーゲン』に乗じる機会があるというのは素晴らしいことだ。足元の環境はバリュー株にとって完璧に近いと私はみている」と話した。
 同意できる見方だと思う。ただバリュー株の銘柄選択はとても難しいのだが。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.南シナ海の緊張は一線を越える
【記事要旨】
 南シナ海でダイバーが水中でロープの一部を切断したビデオが流された。ダイバーはフィリピン沿岸警備隊に所属しており、そのロープはフィリピンの漁船が法的に漁業権のある海域に近づかないように中国軍が設置した障壁の一部だった。 フィリピンが、フィリピン諸島にますます接近し拡大する中国の領土主張に異議を唱え、これまでで最も強力な措置を講じた瞬間だった。
 フィリピンは声明で「この障壁は航行に危険をもたらし、明らかな国際法違反だ」と述べ、この措置は同国の大統領フェルディナンド・E・マルコス・ジュニアの直接の命令に基づいて行われたと付け加えた。
 中国とフィリピン、およびこの地域を哨戒中の米海軍艦隊を含む同盟国との間で直接衝突するリスクについて懸念が高まっている。 しかし多くのアナリストは、中国は米国の挑発を避けるために軍事行動には至らない可能性が高いと指摘している。
 昨日、中国外務省の報道官は 「我々はフィリピンに対し、挑発をしたりトラブルを引き起こさないように忠告する」と述べた。
【コメント】
 マルコス大統領は従来の融和・容認的な対中政策を変え、言うべきことは言う政策に舵をきった。東シナ海での日本の対応にも示唆が多い。

2.ウクライナ、ロシア司令官の死に疑念を認める
【記事要旨】
 ウクライナ軍は、ロシア黒海艦隊司令官ヴィクトル・ソコロフ提督が最近のクリミアのモスクワ海軍司令部へのミサイル攻撃で死亡したかどうかについて、ロシアが黒海艦隊司令官ヴィクトル・ソコロフ提督が映っていると思われるビデオを公開したことを受けて、不確実性を認めた。
 ウクライナのオデッサでは、ロシアの軍艦が海岸を支配し、水路には機雷が立ち並び、民間船舶のほぼすべての移動が依然として禁止されているため、若い船員のほとんどが陸地に足止めされている。
 米国では、政府が劣化ウランで作られた弾薬をウクライナに送っており、この物質が健康や環境に与える潜在的な影響についての懸念が高まっている。
【コメント】
 大きな軍事的成果の発表は注意して聞かなければならないという教訓だ。真実は数日で明らかになるだろう。

3.ナゴルノカラバフで燃料貯蔵所の爆発で68人死亡
【記事要旨】
 アルメニアの保健大臣は昨日、アゼルバイジャンが分離独立したナゴルノ・カラバフ地域にある燃料貯蔵所で月曜に爆発があり、少なくとも68人が死亡したと発表した。
 この地域の首都ステパナケルト近くの夜空を照らす大規模な火災を引き起こした爆発の原因は、現時点では明らかになっていない。 目撃者の報告によると、爆発は人々が車に燃料を補給するために列をなしているときに発生したという。
 日曜日に突然の軍事攻撃によりアゼルバイジャンの支配下に戻ったことを受け、過去1週間で2万8000人以上がこの地域からアルメニアに向けて避難した。
【コメント】
 カナダに勤務していた時にアルメニア出身の同僚がいた。民族の苦悩の話を聞いた事がある。あの辺りでは唯一のキリスト教国だ。ローマ字に似た不思議なアルメニア文字を使う。有名なブランデーがあり、アルマニャックという。

その他:
・バイデン大統領がUAWを支持
 President Biden joined a group of striking General Motors workers in Michigan, an extraordinary gesture of support to a labor union by a sitting American president.
 同様の動きを伝えるBloombergの記事より。
『バイデン米大統領は全米自動車労組(UAW)がストライキを実施しているデトロイト郊外にあるゼネラル・モーターズ(GM)の工場を訪問し、組合員の大幅賃上げ要求に支持を表明した。労組との連帯感を示す歴史的な動きだ。バイデン氏は「皆さん、頑張れ。あなた方は著しい昇給や他の福利厚生を受けるに値する」と労働者を励ました。今回のストでは、福利厚生やバイデン氏自らが推し進めるクリーンエネルギーへの移行なども争点となっている。』

・瀕死のファーストソーラー
 First Solar, which has struggled but survived in Ohio, is critical to understanding whether the U.S. can sustain the industry.
(中国のパネル攻勢で生存が危ぶまれているようだ。京セラやサンヨーの太陽光パネルビジネスと同じ運命をたどるのだろうか)

・アマゾンとグーグルへの訴訟
 The U.S. and 17 states filed suit against Amazon, accusing it of illegally protecting a monopoly over swaths of online retail.
 同様の動きを伝えるBloombergの記事より。
『米連邦取引委員会(FTC)は26日、反トラスト法(独占禁止法)に基づきアマゾン・ドット・コムを提訴した。同社がオンラインのマーケットプレイスを独占し、購入者にとって質の低下を招いているほか、販売業者に過度の手数料を課していると主張している。シアトルの連邦裁判所に提出した訴状でFTCと17州は、アマゾンがオンラインのマーケットプレイスにおいて同業他社を排除し、競争を阻害したと主張している。』
 The Google antitrust trial in the U.S., now in its third week, is shaping up to be perhaps the most secretive antitrust trial of the last few decades.

2023年9月27日 水曜日