世界の動き 2023年4月25日 火曜日

今日の言葉:
「Global South」
 G7開催が近づき、グローバルサウスの重要性が指摘されている。グローバルサウスの老舗としてBRICSがある。
 今朝ラジオを聴いていたらBRICSの大国ブラジルの家計の3分の1は月収15000円以下だそうで所得格差が拡大し治安も悪化しているそうだ。      日本では労働力不足から特定技能外国人の拡大を進めているが、我々の労働力不足を解消するという視点でなく、グローバルサウスが抱える貧困問題の解消に資するという視点が必要ではないだろうか。
 この辺の理念の打ち出し方がとても下手で気になるところだ。難民問題にも手を差し伸べる豊かで安定した民主主義大国としての我が国の政策を世界にアピールする機会だと思う。

ニューヨークタイムズ記事より
1.中国はダメージコントロールを行う
【記事要旨】
 駐仏中国大使がウクライナのような旧ソ連諸国の主権に疑問を呈した後、中国は昨日ダメージコントロールのために迅速に動いた。
 金曜日のTVインタビューでの大使 Lu Shaye のコメントは、週末にヨーロッパの外相と議員の間で外交的な大騒ぎを引き起こした後、中国は、ウクライナを含む、独立を宣言した旧ソ連諸国の主権を認めていると主張し影響を食い止めようとした。
 しかし、問題は消えていない。フランスはLuを外務省に召喚し、説明を求めた。 第二次世界大戦後にソ連に併合されたエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国も、中国大使を召喚すると述べた。
 発言を巡る余波は、ロシアを支持しつつ欧州との貿易を強化しようとする中国の取り組みを混乱させる恐れがある。 ウクライナでの戦争では、中国政府はロシアの侵略を非難することを拒否したが、ロシアを軍事的に支援しないことを約束している。
 Lu のコメントに対し「これが中国とロシアの間での会話の仕方である」と考え、台湾と太平洋に対する中国、ウクライナに対するロシアの考えの表明だと見る専門家もいる。
 これとは別に、国連では、米国と欧州の安全保障理事会メンバーが、ロシアのラブロフ外相が議長を務めた会合に外相を派遣することを拒否した。 中国は大臣を派遣した数少ない国の 1 つだ。
【コメント】
 ポロッと本心が出たということか。あるいは確信犯的な発言で西欧の反応を探ったということだろう。中国共産党の考え方ひとつで外交政策は変わるということは確かだ。

2.中国はチャットボットを抑制
【記事要旨】
 中国は最近、ChatGPT の背後にある人工知能ソフトウェア システムの規則草案を発表した。時代を画する可能性のある技術に対する厳格な規制管理を維持するという政府の決意を示している。
 草案によると、チャットボットのコンテンツは「社会主義のコアバリュー」を反映し「国家権力」や国家の団結を損なう情報を避ける必要があり、チャットボットの作成者は、アルゴリズムを中国の規制当局に登録する必要もある。
 企業はすでに準拠しようとしているが、情報を管理しようとする中国の取り組みは、AIで競争しようとする中国の取り組みを妨げる可能性があると専門家は述べた。 中国の起業家は、中国では利用できない ChatGPT のようなチャットボットに追いつくためにすでに競争を繰り広げている。
 中国の規則は、中国のテクノロジー企業が達成していないレベルのチャットボットに対する技術的管理を要求している。
【コメント】
 原始的な金儲けの為なら何でもありの資本主義が中国の発展を支えてきた。AIでの共産党政権を守ろうとする規制が中国の発展にどのような影響を与えるのだろうか。虎は牙を抜かれるのだろうか。

3.タイの選挙が過熱
【記事要旨】
 追放されたポピュリスト指導者の娘は、来月のタイの選挙で首相の強力な候補であり、政治的王朝の復活が国の不安定性を復活させるかもしれないという懸念を煽っている。
 36 歳のペートンターン シナワットは、タイの政界で最も分極化した一族であるシナワット家の一員であり、政治経験はほとんどない。彼女の父親であるタクシン シナワットは、2006 年のクーデターで首相の座を追われた。彼の妹インラック シナワットが 2011 年に首相になった時期がある。
 批評家は彼女の家族の過去のスキャンダルをつかもうとしたが、ペートンターンは群衆を刺激し、彼女の家族への懐かしさを煽っている。現在の首相が経済成長を遅らせていると非難している人も多い。
 タクシンは、彼が導入した 1 ドルのヘルスケア プログラムと農家へのローンで懐かしく思い出されている。 2001 年以来、彼が設立した政党は、すべての選挙で一貫して最も多くの票を獲得してきている。
  かつて米国の安定した同盟国だったタイは、シナワットを追放した軍事政権の下で中国に近づいている。
【コメント】
 タクシンは国民に人気があった。その遺産で首相を目指す娘の話だ。フィリピンのマルコス王朝の再興に似ている。
 インラックさんも人気があったがポピュリスト政策に軍部が我慢できなかった歴史がある。大衆の人気獲得と軍部の指示のバランスをどのように取ってゆくのか難しい問題だ。

その他:
豪州は軍備革新
 Australia revealed its largest overhaul of military spending since World War II, the BBC reports. It focuses on long-range weapons with an eye toward China’s growing threat.
デサンテス・岸田面談
 Ron DeSantis, Florida’s governor, met with Prime Minister Fumio Kishida of Japan in Tokyo. The trip gives DeSantis, a presumptive Republican presidential candidate, a chance to bolster his foreign policy credentials.
FOXは問題のショー番組を停止
 Fox News dismissed the prime time host Tucker Carlson less than a week after Fox settled a defamation lawsuit in which Carlson’s show figured prominently for its role in spreading misinformation after the 2020 election.

2023年4月25日 火曜日