世界の動き 2022年12月5日 月曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉:
「師走」
 12月は師走だ。その語源には諸説あるが、もっとも有名な説は、師匠である僧侶が、お経をあげるために東西を馳せる「師馳す(しはす)」だというものだ。
 ほかにも、年が果てる(終わる)という意味の「年果つ(としはつ)」が「しはす」に変化したという説もある。すでに万葉集のころから「シハス」と呼ばれていたらしい。
 いずれにしても一年の締めくくりの月だ。無病息災、商売繁盛で行きたいものだ。いまは静かに雨が降ってる。一年を思い返し来年に思いを馳せる月でもある。

ニューヨークタイムズ記事
1.「ゼロCovid」は中国の社会契約を侵食したか?
【記事要旨】
 習近平国家主席の「新型コロナウイルスゼロ」政策は、政治的自由の制限と引き換えに、中国の人々が安定と快適さを得られるという暗黙の契約は、書き換えられた。
 人口のほぼ 40% にあたる 5 億 3000 万人近くが、11 月下旬に何らかの形でロックダウンされていた。人々は飢えに苦しんだり、医療の遅れのために死亡したり、大勢の人々が仕事の中断や一時解雇に耐えてきた。
 その結果、幻滅感が増し、1989 年の天安門広場でのデモ以来、最も広範な抗議行動となった。
 中国が規制を緩和することで、不満の感覚は吹き飛ばされる可能性がある。
【コメント】
 副首相が規制緩和に触れ、PCR検査場が撤去されたりしているようで、中国政府は本腰を入れているようだ。

2.イランの道徳警察の終焉
【記事要旨】
 イランは、国の厳格なイスラム服装法に違反したと思われる若い女性、マーサー・アミニの死によって起きた数ヶ月の抗議の後、道徳警察を廃止した。
 イランの司法長官によって発表された決定は、9月のアミニの死以来の抗議運動にとって重要な勝利であるように見えた。
 この運動は、イランの権威主義的聖職者支配システムに対する数十年来で最大の挑戦の1つだった。人権団体によると、治安部隊の取り締まりで、数百人が死亡し、約 14,000 人が逮捕された。
 道徳警察の主な役割は、女性が体を長くゆったりとした服で覆い、髪をヘッド スカーフまたはヒジャブで覆うようにすることで、規制は常に不均一で恣意的だった。
 法務長官は木曜日、当局はヘッド スカーフの規制を見直しており、15 日以内に決定を下す予定であると述べたが、抗議者たちは現在、服装法の改革以上のものを求めている。
【コメント】
 ここでも民衆の力が規制を緩和させている。民意の勝利だ。

3.ロシアは原油価格の上限に逆らう
【記事要旨】
 金曜日に、G7 は、ロシアの原油価格を 1 バレル 60 ドルに制限することでクレムリンの財政が悪化する一方で、世界的な価格ショックを回避するのに十分な量のロシアの石油を市場に残しておく政策を発表した。 1 バレルあたり 60 ドルという数字は、ロシアの石油の主要な買い手が現在支払う金額に近い妥協案だった。
 ロシアは、石油生産を抑制しても、石油の市場価格に見合った国とのみ協力すると脅した。ゼレンスキー大統領は、価格制限がロシアの侵略を食い止めるには不十分であると懸念した。
【コメント】
 ロシア原油を買う国がいる限り上限価格戦略は機能しないと見る。ロシア産原油の輸送にに保険を提供しないという戦略が効果的だろう。

その他:
イタリアの地滑り
 A deadly landslide on the Italian island of Ischia led to scrutiny of buildings that may have been built illegally.
偽の気候基金が暗躍
A phony climate foundation helped German officials collaborate with the Kremlin-owned energy company Gazprom to complete a direct gas pipeline between Russia and Germany.
南極クルーズでの事故
 One passenger died and four others were injured when a rogue wave struck a cruise ship en route to the Antarctic. 

(この事故には驚いた。大きな波が客室の窓ガラスを割り、死者・負傷者が出たようだ)

2022年12月5日 月曜日