クロアチア紀行 (その2)

2019年9月5日(木):プリトヴィッツェ湖畔国立公園
オパティアを出発し、ラストケ村なる河が運んだ石灰岩が堆積した上に作った小さな村を散策。以前は水車を使った粉曳が盛んだったそうだが今は住宅の殆どが宿泊施設。お土産屋は一軒の三。川の水が家々の近所や家の下をくぐる光景は珍しい。夏は涼しいだろうが冬の寒気は相当なものだろう。
午後、プリトヴィッツェ湖畔国立公園Nacionairi park Plitvicka jareraにて、下のを湖群を歩く。天気は晴れ。空気は清冽。大きな滝、小さな多くの滝、強い流れ、緩やかな流れ、形状の違う池の数々。

筆者の観点:箱庭的な日本の観光地は海外に大いにアピールできる
プリトヴィッツェ湖畔国立公園は奥入瀬渓谷を長く巨大にした印象を受ける。現在十和田湖畔は閑古鳥が鳴いている。観光船の客も少ないと聞く。
先日函館を訪れた際、十和田湖畔の町の中学生が修学旅行に来て、自分たちが作った小冊子を配っていた。英語の勉強も兼ねてSNSやFacebookを使って英語で情報発信したらどうだろうか。スケールは小さいが十和田湖の静謐さと奥入瀬の渓谷美はプリトヴィッツェに十分匹敵すると筆者は考える。
宿泊はプリトヴィッツェ公園内のイェゼロJezero。旧ユーゴ時代に国民の福祉のために作った大型宿泊施設とのことで、ユースホステルのような作り。森に面した静かな部屋だが壁が薄く隣室の音がよく聞こえる。
十和田奥入瀬では、多くの日本型の旅館が経営困難に直面していると聞く。何件かの旅館が集合して外人客が気兼ねなく安価で宿泊できる休暇村のようなものを試行してはどうだろうか。

2019年9月6日(金):プリトヴィッツェ湖畔国立公園、トロギール
この日は上の湖を歩く。あいにくの雨。雨中行軍のようになる。上は次男が使わなくなったEMSの雨よけショートコート。下は島忠で買ったビニール製のズボン。上は防水効果が薄く、しかも持っていたバッグをコートで包もうとしたらボタンができない部分があったため水が浸入。濡れみずくになる。下半身はしっかりガードできた。家内は靴の上から履くビニールのカバーシューズを使用。これも完全に水を防げた。大雨で見物には最悪の状態で印象は薄かった。
昼食後、トロギールTrogirへ。一周15分ほど。あまりに小さい島で驚く。
聖ロブロ大聖堂を見学。入口のアダムとイブの像。鐘楼が立派。
この町には橋で道路がつながっているものの島内は一般車両の通行は不可能。

筆者の視点:統一的な街並みの美しさを保存・再建する必要がある
日本の観光地ではまだ車両の制限が緩い。自動車を街の外で食い止めて、徒歩で観光が楽しめる街作りが必要だろう。駐車場の整備や、観光客が魅力を感じる美しい街並みの整備には多くの住民の利害調整が必要と思われる。
スロベニアでもクロアチアでも家々は統一感がある。茶色の瓦屋根。白い壁の家々。日本ではこのような統一感のある街並みは殆ど無い。私が思いつくのは京都の町屋、飛騨高山や金沢の一部、妻籠宿、関ケ原近辺の古い町並み、ぐらいである。日本中でプレハブの安っぽい家々が増え街の統一感はどんどん失われている。どこかの地方自治体が音頭を取って自分たちに特徴のある街並みができたらどんなに素敵だろうか。

夕方スプリットSplit着。町の大きさと賑やかさに大いに驚く。夕食はLuxorという宮殿内のレストランで。便利なロケーションで食事もおいしい。
宿泊はホテルグロボHotel Globo。これは相当に古いホテルで設備は古くアメニティ少ない。

筆者の視点:観光地は遅くまで営業して欲しい
姫路城に行ったときにお城が望める食堂で食事した。日本には美しい城が多い。夜ライトアップしたお城をバックに食事が楽しめるレストランが欲しい。その時に何かアトラクションがあると楽しい。侍のパレードでもよさこいでもよいのではないだろうか。
日本の観光地は夜が早い。ゆっくり食事を食事や買い物が10時ころまで楽しめる仕掛けが欲しい。

2019年9月7日(土):スプリット、ドブロブニク
まずスプリット観光。ディオクレティアヌス皇帝の引退後の宮殿跡を見学。
ディオクレティアヌスはローマ帝国最盛期の皇帝でキリスト教を迫害した皇帝としても知られる。その後キリスト教が国教になると、ディオクレティアヌスの
遺跡はキリスト教徒に荒らされるようになりその後スラブ人の流入もあり宮殿跡であることもわからなくなっていたという。
宮殿の地下は宮殿建設の往時がわかり興味深い。狭い階段を通って大聖堂の上に上がると市街が一望できる。宮殿には東西南北に門がありわかりやすい。
昼食後長駆してドブロブニクDubrovnikへ移動する。
夕方のドブロブニクを散策。
堀田善衛の随筆集でドブロブニクの記述があり、昔から気になっていた街だ。
宿泊は、Grand Villa Argentina。城壁旧港から東へ15分ほど。奇麗なホテルで設備・アメニティともに充実している。

筆者の視点:プラスチックバッグ考
海外旅行の楽しみの一つに地元のスーパーに行き日本にないめずらしい食材を買い物することがある。その国特有の食べ物、飲み物、調味料、いろいろある。スプリットでは、チューブ入りのトマトソース、レバーパテ、即席アスパラスープを発見した。買い物すれば袋が必要になる。クロアチアのスーパーでは袋はすべて有料で0.6Kn取られる。約10円である。日本との所得差を考えれば一枚60円という感じだろう。そのスーパーの名前や絵柄が大きく入っており奇麗なので私は袋を購入した。
日本のスーパーでは有料のところは少ない。マイバッグを持参するとポイントをくれるところが多い。Zaraが日本でプラから紙袋化して一枚20円取ることにしたという報道があった。買い物客の女性には不評のようだ。昨年初めにタイに行ったときは多くの飲食店で紙のストローを使っていた。
日本はプラスチックの使用については世界の趨勢に遅れている。環境先進国を標榜している国としては大いに寂しい。