N.Y.Times 電子版より
1.オミクロンの拡大によりインドで広がる既視感
数か月前にデルタ株の拡大で大きな被害を受けたというのに、今、またぞろ広がるオミクロンは既視感を与える。
Now, with the rise of Omicron, the mixed signals from the government and rapid spread through cities are fueling a sense of déjà vu.
ニューデリーでは夜間の外出を禁止し、レストランや映画館の入場を制限している一方で、他方ではモディ首相はマスクなしに選挙のための遊説を行ってる、とか、政府の動きはちぐはぐだ。
インド人が接種したワクチンの90%を占めるアストラゼネカ製ワクチンは重症化を防ぐ効果はあるようだが感染を防ぐ効果は殆どないことも問題のようだ。
2.カザフではデモ隊が政府の建物を焼き討ち
政府が価格のキャップを外したことにより燃料が倍に値上がりしたことに端を発する抗議デモが暴徒化。400か所に火をつけ、200人が逮捕され、警察発砲で最低一人が死亡した。
このニュースは今日の昼のニュースで取り上げられていました。死亡者はもっと増えているようです。
2019年に就任したトカエフ大統領(それまで27年間大統領として実権を握ってきたナザルバエフ前大統領の傀儡という見方もある)は、ロシアの支援で苦境を切り抜けようとしているがこれまで蓄積してきた国民の不満が一気に火を噴いている模様だ。
As protests continued, the president promised to “act with maximum toughness.” Authorities shut off the internet and blocked social media and chat apps.
補足:カザフスタンについて
・面積:大きい。日本の7倍。世界9位。旧ソ連の共和国で最大
・人口:1900万人(2021年国連資料)
・一人当たりGDP:10000ドル弱でけっこう高い
・民族はカザフ系68%, ロシア系19%
・宗教はイスラム教70%. ロシア正教26%
・ロシアと親密。中国とも親密(日本やECとも親密)だが中国の影響力の高まりはロシアは望んでいない模様。
・原油・ガス産出国だが燃料価格を上手くコントロールできない政治・経済の脆弱性がある。
3.仕事も希望も失った中国のハイテク企業
詳しく言うと以下のようなことです。共産主義に沿っていないという一言で政府は何でも出来る状態、というのは怖い。
Major corporations have been hit with antitrust fines, and media and entertainment platforms are pulling popular content and influencers, wary of repeated government warnings that the content is not ideologically appropriate.
Tencent, Alibaba, DiDiといった欧米でよく知られたハイテク企業は業績が落ち込み株価も振るわない。
(2022.1.6)