世界の動き 2025年12月29日 月曜日

今日の一言
「パッシブに任せておけばそれでよい」
 以下はそれを示すBloombergの記事だ。
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 アクティブ運用の受難
S&P500種株価指数が過去最高値を更新する中、2025年リターンのかなりの部分は、少数かつ互いに強く相関するテクノロジーの超大型株が占めた。そのパフォーマンスの格差が資金の流れを左右した。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)がICIデータを基に推計したところによれば、アクティブ運用の株式ミューチュアルファンドからは過去1年で約1兆ドル(約156兆円)の資金が流出した。資金の純流出は11年連続。一方、パッシブ運用の株式上場投資信託(ETF)には6000億ドル余りが流れ込んだ。
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 2024年の S&P500 の上昇の「半分以上」を Magnificent 7 が占めたと推計される。S&P500 が 100 上がったとしたら、そのうち 50 以上は Magnificent 7 が押し上げたという計算になる。
 ■ Magnificent 7 の特徴
– 2024年の平均上昇率は 63% と非常に高い
– 時価総額は S&P500 全体の 約1/3 を占めるまで拡大
 したがってパッシブ運用では、放っておけば株価上昇を謳歌できたが、アクティブ運用で、これらの株を保有しない選択をしたファンドは大惨事を引き起こすことになる。
 株価上昇トレンドが見通せなくなる2026年はそうはいかないだろうが、しばらくはタイタニックの上での舞踏会が続くのだろう。いつまでかは、はっきりしないが、ブラックスワンへの備えが必要な時期だ。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.文化を満喫する季節
【記事要旨】
 年末の慌ただしさの中でも、2025年に生まれた豊かな映画・本・音楽などの文化をゆっくり味わう時間を持つことが大切だ。
 アルゴリズムによる効率的な推薦もあるが、思いがけない偶然の出会いこそ文化の醍醐味だ。
 映画では、NYTの2人の批評家が共通して選んだ作品、「Sinners」「One Battle After Another」「My Undesirable Friends: Part I — Last Air in Moscow」「It Was Just an Acid」「Marty Supreme」、を観るのは最高の時間の過ごし方だ。
 読書では、膨大な「ベスト100」などに圧倒される人向けに、批評家が特に強い印象を受けた本が挙げられ(ヘイリー・コーエン・ギリランドの『血に染まった花』)、筆者自身が読んでいる長編小説(スウェーデン人作家、ヨナス・ハッセン・ケミリの638ページの小説『シスターズ』)や、批評家が「誰にでも薦めたい」と絶賛する作品(ヴァージニア・エバンスの『The Correspondent』とヘレン・ガーナーの『The Season』)が読書リストの上位に上げられている。
 音楽は、NYTのプレイリストを再生するだけで今年の名曲を一気に楽しめる。
 また、読者が選んだ「個人的でユニークなお気に入りリスト」など、型にはまらない楽しみ方も推奨される。
 さらに、今年のベストコメディ、旅行先、詩、ワイン、文化部が夢中になった41の事柄など、多彩な「ベスト・オブ」も紹介され、2026年の新たな文化の波に向けて、今こそ文化を存分に味わうべきだ。
【コメント】
 年末恒例の記事だが、こんなに膨大なリストを挙げられては、立ちすくんでしまう。個人的にはカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を読了したい。

2.ゼレンスキー大統領、フロリダでトランプ大統領と会談
【記事要旨】
 トランプ大統領は、マール・アー・ラーゴでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との会談に先立ち、ロシアとの戦争は「終結する」か「長期間続く」かのどちらかになると述べ、不透明な見通しを示した。会談に先立ち、トランプ大統領はロシアのウラジーミル・V・プーチン大統領と電話会談を行い、会談後にもプーチン大統領に電話すると述べた。
 前日、ロシアは数百機のドローンとミサイルでキエフを10時間近く攻撃し、2人が死亡、少なくとも32人が負傷したと地元当局は発表した。
【コメント】
 - 最終合意はまだ出ていない。以下が現在わかっていることだ。
– トランプ大統領は「合意の芽がある」と発言
– ゼレンスキー大統領は20項目の和平案を提示
– 安全保障協定の議論が前進
– プーチン大統領とも継続協議予定
– 交渉は「前向きに進んでいるが、まだ途中段階」。

その他の記事
・ミャンマーでは、壊滅的な内戦のさなか、軍事政権が議会選挙を実施したが、野党関係者は出馬を禁じられたり投獄されたりしており、この選挙は見せかけだと広く見なされている。
・タイとカンボジアは土曜日、72時間の停戦に合意した。これにより、20日間続いた国境紛争の終結への道が開かれる可能性がある。
・トランプ大統領は、ナイジェリアにおける米軍の空爆の標的はキリスト教徒を殺害していたイスラム国のテロリストだと述べたが、アナリストらは状況はより複雑だと指摘している。
・イスラエルは、ソマリアから分離独立した自治区であるソマリランドを正式に承認した最初の国となり、一部の近隣諸国から非難を浴びている。
・1950年代に世界的に有名なセックスシンボルとなったフランス人女優、ブリジット・バルドーさんが91歳で亡くなった。晩年、彼女は多くの人から人種差別的とみなされた政治的見解で悪名を馳せた。

2025年12月29日 月曜日 今日は東証の大納会ですね。