世界の動き 2024年8月21日 水曜日

今日の言葉
「米国経済」
 経済の苦境を示す記事が出てきた。(Bloombergより)
 「米ホームセンター運営のロウズは通期の業績見通しを引き下げた。住宅市場の低迷を背景に、消費者はDIYを含むリフォームや大規模な支出を控えている。同社は業績見通し下方修正の要因として、マクロ経済環境の厳しさが続いており、DIYに対する消費者の支出が想定より少ないことを挙げた。高金利とインフレで消費者は裁量的支出を減らしている。中古住宅販売も依然として低調だ。ホームセンター業界ではホーム・デポも先週、通期の既存店売上高予想を下方修正していた。」
 私の経験上、DIYへの支出は消費者の懐具合をはっきり示すものだ。米国景気の停滞感は本物のようだ。
 米国金利の低下傾向が確実になり円高傾向が進みそうだと見る。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事(今日は4つです)
1.バイデン大統領、極秘の核戦略を承認
【記事要旨】
 バイデン大統領は3月、米国の抑止戦略を中国の核兵器の急速な拡大に重点を置くよう方向転換する極秘の核計画を承認した。国防総省は、中国の核兵器備蓄は今後10年間で米国やロシアの核兵器備蓄に匹敵すると考えている。
 「核使用ガイドライン」と呼ばれる改訂戦略は、中国、ロシア、北朝鮮からの協調的な核攻撃の可能性に初めて備えることも目指している。
 約4年ごとに更新されるこの文書は極秘であるため、電子版はなく、少数の選ばれた当局者に配布されるハードコピーのみである。
 この新しい文書は、11月に誰が勝利しても、僅か3年前よりもはるかに不安定な核情勢に直面することをはっきりと思い起こさせる。
 これまで、米国の敵対国が協力する可能性は低いと思われていた。しかし、ロシアと中国の新たな協力関係と、北朝鮮とイランがウクライナ戦争のためにロシアに提供している通常兵器は、ワシントンの考え方を根本的に変えた。
【コメント】
 怖い記事だ。米国の核の傘に依存している日本の立ち位置は米国の核戦略の中でどうなるのだろうか。
 ロシア、中国、北朝鮮の核兵器の標的の中に日本が含まれていることは確実だ。日本が独力でどこまで核攻撃が防げるのか、イージス艦やイージスアショアの有効性を含めて議論が必要だ。

2.イスラエルは人質6人の遺体を発見したと発表
【記事要旨】
 イスラエル軍は昨日、ガザ南部からイスラエル人人質6人の遺体を発見したと発表した。正確な死亡状況は明らかになっていない。
 イスラエルのギャラント国防相は、遺体は「複雑な作戦」でハン・ユニス市の地下にあるハマスのトンネルから回収されたと述べた。ガザには人質が100人以上残っており、うち少なくとも30人は死亡しているとみられる。
 イスラエル当局によると、ハマス主導の10月7日の攻撃で人質にされたとされる約250人のうち、イスラエル軍がこれまでに救出したのは7人のみ。その他、女性や子供を中心に数十人が昨年11月の1週間の停戦中にイスラエルに帰還した。
 昨日、イスラエル軍がガザ市の学校を攻撃し、少なくとも19人が死亡したとパレスチナ民間防衛隊が発表した。
【コメント】
 ブリンケンの努力にもかかわらず、和平は、はるか先だ。

3.EU、中国製EVへの大幅な関税引き上げを提案
【記事要旨】
 EUは昨日、テスラに対し、中国から輸入する車両に9%の追加関税を課すことを提案した。EUが中国の政府補助金からより多くの恩恵を受けていると判断した他の自動車メーカーは、36.3%もの高関税を課される。これは、中国で生産されるEVに課される10%の関税に上乗せされる。
 EUは10月に中国自動車メーカーの調査を開始した。ドイツの自動車メーカーであるBMW、メルセデス、フォルクスワーゲンなど、調査に協力した企業は、中国で生産する自動車に21.3%の関税を課される。
 今回の関税改定は、中国のEVメーカーと対等に競争できるようにするためだ。交渉は進行中で、中国は政府補助金の削減などを提案できるが、こうした動きは起こりそうにない。
 インド:各国が中国への依存を減らそうとする中、世界最大の人口を抱えるインドは、その恩恵を受けようとしているが、同国の港は最大のコンテナ船が停泊するには浅すぎる。90億ドルのプロジェクトでは、最大24,000個のコンテナを積載できる船舶が就航する。
【コメント】
 米国は同様の対応をすでに示している。日本でもBYDの存在感が増しているが、どうするのだろうか。まだ台数は少ないものの、EVセグメントを中国勢に刈り取られるのは国策として放置できないと思うのだが。

4.民主党全国大会の2日目の予定
【記事要旨】
 バラク・オバマ氏が演説する。自身の台頭の原動力となった種類のうねりがカマラ・ハリスを押し上げることを目指します。
 バイデン大統領は昨夜、生涯にわたる公務に対して「ありがとう、ジョー!」と叫ぶ群衆に迎えられた。しかし、彼らはまた、彼が再選に立候補しないことに感謝していた。
 オバマ氏は、ヒラリー・クリントンが優勢だった2008年の予備選挙でハリス氏に支援されました。それを彼が決して忘れない。
 ハリス氏は昨夜登場し、彼女のスーツは注目された。
【コメント】
 英語ではThank you and Good bye, Joe となっている。

その他の記事
イタリア:
 沖合でヨットが沈没し、行方不明となっている乗客6人(英国のソフトウェア界の大物とその娘を含む)の捜索を深海ダイバーが再開した。
(全長58mの大型ヨットだそうです)
バルセロナ:
 同市は観光に対する大規模な反発に見舞われている。私たちは緊張が最も高まっている地域を訪れた。
パキスタン:
 インターネットの速度が極端に低下し、当局が監視とアクセス制御の技術を導入しているのではないかという懸念が高まっている。

2024年8月21日 水曜日

世界の動き 2024年8月20日 火曜日

今日の言葉
「Mpox」
 ゲームのような言葉だが、昔はサル痘と言った危険な感染症だ。
 アフリカで流行が拡大しスウェーデンで感染者が出たそうで、WHOは世界的な感染を警告している。以下のタイムズの記事ではフィリピンでも患者が出たようだ。
 感染症が流行る際に名前の挙がる銘柄に、PSSがある。
 プレシジョン・システム・サイエンス
英語社名 Precision System Science Co., Ltd.
会社サイト https://www.pss.co.jp/
概要 独自技術のDNA抽出装置。全自動遺伝子診断システムに強み。関連試薬も製造。
 注目したい。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.イスラエルは停戦交渉を支援する提案に同意したと米国が発表
【記事要旨】
 ブリンケン国務長官は昨日、エルサレムでの3時間の協議後、ネタニヤフ首相がガザ停戦協定をめぐるイスラエルとハマスの間の溝を埋めることを目的とした「橋渡し提案」を受け入れたと述べた。
 ネタニヤフ首相のスポークスマンは、イスラエルが米国、エジプト、カタールの仲介者が先週提示した提案に同意したと首相がブリンケンに伝えたことを確認した。
 ハマス関係者はこの提案はイスラエルに偏っていると述べている。
  停戦協定に関する交渉は今週エジプトで再開される予定。ブリンケンは、「永続的な平和と安全へのより良い道筋に誰もがたどり着く」ための「おそらく最高の、あるいは最後の」チャンスとなると述べた。
 イスラエルはガザ中央部と南部で攻撃を実施し、パレスチナ当局は、攻撃により日曜以来25人が死亡したと述べた。
 ハマスの軍事部門とイスラム聖戦は、日曜遅くにテルアビブで起きたとされる自爆攻撃の責任を認めた。
【コメント】
 ブリンケンの記者会見をTVで見た。“probably the best, maybe the last” と言う彼の説明に驚き、固い決意を感じた。

2.クリントン氏とバイデン氏が民主党全国大会を開幕
【記事要旨】
 民主党全国大会は、シカゴで数時間後に開幕する。バイデン大統領が演説する予定だが、その前にヒラリー・クリントン氏が登壇する。
 クリントン氏はハリス氏に米国にある女性の壁を打破するバトンを渡すことになるだろう。ハリス氏が立候補をする意義をどう定義するか、この数日で明らかになる。
 バイデン氏とその側近は、民主党候補として行う予定だった当初の演説を、新たな瞬間のために何日もかけて書き直してきた。
 およそ1,000人の抗議者が集まり、会場であるユナイテッドセンターに向かって行進した。
 トランプ氏は、テイラー・スウィフトが彼を支持していると示唆するソーシャルメディアの投稿を共有したが、それらは人工知能によって生成されたものだった。
【コメント】
 クリントンは、鼻につく感じの女性だった。ちょっと蓮舫さんに似た感じ。ハリスにはそういうところが無い。多くの人が好感を持つタイプの人に見える。

3.ウクライナはロシア軍の遮断を狙う
【記事要旨】
 ウクライナ軍は最近、ロシアのクルスク地方の橋3本を爆撃しており、同地域を防衛するロシア軍に接近している可能性があると軍事アナリストらは見る。
 セイム川とウクライナ国境の間の地域で唯一の退却または補給ルートである橋への攻撃は、2週間前から続いているウクライナの侵攻に不意を突かれたロシア軍にとって新たな課題となる。同地域に何人のロシア兵が残っているかは不明である。
 ゼレンスキー大統領は、ロシア領土を奪取して将来の和平交渉で有利に働かせたいと考えているが、それは危険な賭けだ。ウラジミール・プーチン大統領を知るロシア人は、プーチン大統領が自国の軍が優勢であると信じ、反撃すると予想している。
【コメント】
 最近ウクライナ戦争のニュース番組を見ていない。この攻勢について小泉悠氏などはどう見ているのだろうか。「危険な賭け」か「攻撃は最大の防御」か素人には判断が難しい。

その他の記事
フィリピン:
 保健当局は今年初のMPOX症例を報告したが、患者が新型でより危険なウイルス株に感染していたかどうかは明らかにしなかった。
ビジネス:
 カナダの小売チェーン、アリマンタシオン・クシュタールは、セブンイレブンを運営する日本の企業を買収したいと考えている。
貿易:
 ドナルド・トランプ氏が当選した場合、中国製品への関税が引き上げられる可能性を懸念し、一部の米国企業は部品を備蓄している。

2024年8月20日 火曜日

世界の動き 2024年8月19日 月曜日

今日の言葉
「新聞休刊日」
 やっとお盆が終わり本格的な経済活動開始の初日が新聞休刊日だ。やれやれ。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.民主党全国大会が始まる
【記事要旨】
 今日、シカゴでは、民主党全国大会初日に関係者と代表者が集まった。
 大会初日には、バイデン大統領の演説が行われる。2日目は、この国の最高の時代は過ぎ去ったという共和党の繰り返しと対照的に、民主党の楽観主義のメッセージに焦点を当てる。最後の2日間は、カマラ・ハリスとミネソタ州のティム・ウォルツ知事が正式に指名を受諾する。
 バラク・オバマとミシェル・オバマのような大物たちが演説する予定だ。大会では新しいスターも登場するだろう。
 論点の一つの中絶の権利について。
 中絶の権利は両党から分裂を招く問題とみなされていましたが、現実には、アメリカ人の大多数は何十年もの間、何らかの形で中絶の合法化を支持してきた。多くの有権者は、アメリカの生活にこれほど定着した権利が消えるなんて信じられない。
 2022年に最高裁が連邦による中絶の権利を覆したとき、その判決は中絶の権利を、リベラル、無所属、穏健派の共和党有権者の新しい連合にとって刺激的な問題に変えた。保守派の州議会は中絶の手続きに対する制限を可決し続けており、民主党の有権者グループにとって、この問題は中心的な問題であり続けてきた。
 2024年も、世論調査によると、有権者は引き続き中絶を最重要問題として挙げている。
 ハリス副大統領は、中絶の権利、銃の安全性、最高裁判事の任命に関して果たすべき役割を見つけた。イスラエルのガザ戦争に対する抗議はシカゴで起こりそうだ。
【コメント】
 民主党に勢いが出てきた。ハリスは女性、黒人、アジア系にアピールし、ウォルツが白人、中流階級にアピールする。役割分担も上手く機能しているようだ。

2.ウクライナ、ロシア侵攻継続の意向示す
【記事要旨】
 驚くべき国境越え攻撃から12日目、ウクライナはロシア西部クルスク地域の重要な橋を破壊した。アナリストらは、これはウクライナが同地域での持続的な戦闘にコミットしていることを示していると述べた。
 この動きは、13万人以上が逃亡または避難を余儀なくされた攻撃に対するロシアの対応を妨げる可能性がある。
 多くの人がウクライナに怒りを表明し、ロシアの国営メディアや国防省に怒りを表明した。国境の防衛は手薄で、主に徴兵された若い兵士らが降伏または陣地の放棄を語った。
【コメント】
 「攻撃は最大の防御」となるのか注目だ。

3.プレミアリーグが開幕
【記事要旨】
 昨日、プレミアリーグのシーズン最初の週末、ディフェンディングチャンピオンのマンチェスターシティがチェルシーを2-0で破った。
 マンチェスターシティがリーグ優勝する可能性が高いとの予想だが、来月から始まる公判で115件の不正行為容疑に直面することになる。また、チームの監督であるペップ・グアルディオラが新しい契約にサインするか問題もある。一つの時代が終わりに近づいているというかすかな予感がする。
【コメント】
 昨季にはチャンピオンズリーグ初優勝を含む歴史的な三冠を達成、今季も優勝候補の一角として見事な戦いを続けるマンチェスター・C。 しかし、プレミアリーグが2018年からスタートした財務違反疑惑による調査の結果、115件の違反が見つかったとして告発されている。

その他の記事
タイ:
 議会は、37歳の政治王朝の相続人であるパトンターン・シナワット氏を新首相に選出した。
カシミール:
 インドによって半自治権を剥奪されたイスラム教徒が多数を占めるこの地域で、10年ぶりに地方議会選挙が行われる。
X:
 イーロン・マスク氏は、アカウント停止命令に従う代わりに、ブラジルのソーシャルネットワークを閉鎖すると述べた。

2024年8月19日 月曜日

内部監査の改善(備忘録的メモ)

 内部監査の典型的な改善点を以下に示す。

1.位置づけ

・総務部の一部門と考えられており独立性がない。

・最高経営者の秘書的な仕事をしており客観性も欠ける。

2.報告ライン

・最高経営者と取締役会(監査委員会)へのダブル報告ラインが無く社長直属。

・取締役会への監査結果の報告がない。

・監査後の指摘事項のフォローが無い。

3.監査対象

・営業店舗の人事や施設についての監査のみ。

・業務監査、内部統制監査には未着手。

4.資源配分

・IPO時の速成した組織のままでその後の業容拡大に見合った組織でない。

・人員への教育投資がなされていない。

経営陣に、内部監査は組織のOSだという理解が無いと、無駄な間接部門と見なされ、状況は放置される。

2024年8月18日

NHKパリ五輪総集編

 夜、NHKTVで1時間ほどの総集編を見た。
 体操、レスリング、柔道、フェンシングに多くの時間を費やしていたのに対し、水泳と陸上と主要球技に割かれた時間はとても少なかった。
 「五輪はアマチュアスポーツの祭典」と言われたのは今は昔、どの競技でも、起きてから寝るまで練習漬けの生活をしなければ一流選手に成れないようだ。
 勝てば「努力は報われた」ことになり、負ければ「今までの努力は一体何だったのか」ということになる厳しい勝負の世界だ。
 フェンシングややり投げで外国人のコーチに指導を受け世界一を争える選手が育っているのを見て、競技の国際化を感じた。
 会場を支えるパリの街の美しさと演出の見事さに驚いた大会だった。

2024年8月17日 土曜日