世界の動き 2022年7月6日 水曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「オシロイバナ(白粉花)」
 家の前面道路わき(正確には線路わき)に白粉花の群落がある。
 どこかから取ってきた黒い小さな円い種をまいたら10年ほどで長さ10mを越える群落に成長した。赤い花の種をまいたところには赤い花が、黄色い花の種をまいたところは黄色い花が咲く。中間は赤と黄色が混ざった朱色っぽい花になる。メンデルの法則がわかる花の色だ。
 花屋で売っていない半雑草扱いの花だが、毎年咲いてくれる義理堅さが嬉しい花だ。花は、夕方に咲き、翌朝にはしぼんでしまうという性質をもっていて、この様子が人目を忍んでいるように見えることから、「臆病」「内気」という花言葉だそうだ。

1.ロシアは新たな攻勢を準備
【記事要旨】
 ルハンスク掌握後ドネツク州への本格侵攻を準備。Bakhmut市、スロビアンスク市への攻勢が始まりドネツク州の要衝クラマトルスク市の占領が露軍の目標になる。Denys Shmyhalウクライナ首相はウクライナ復興には7500億ドル必要とうったえる。NATOは2か国の参加を承認。NATOメンバー30か国の議会承認が必要。
【コメント】
 無言

2.英国では閣僚が辞任
【記事要旨】
 不祥事が相次ぐジョンソン政権への抗議のため、リシ・スナック財務相とサジド・ジャヴィド保健相が辞任を表明。3年間のジョンソン政権では最も危機的な状況。保守党の副院内総務ピンチャーのスキャンダルによる辞任もジョンソンには痛手。
【コメント】
 不祥事が続き党の求心力を失いつつあるジョンソン政権の維持は難しそうだ、

3.Twitterはインド政府を訴える
【記事要旨】
 記事の削除やアカウントの制限を命じる政府の指示に抗議し政府を提訴。月曜までに数十アカウントへの制限を命じられ、違反はTwitter役員への刑事犯罪が問われる状況に反論した。政府の人権弾圧、コロナ対応批判、報道の自由抑圧についてのTweetが政府の規制対象。モディ首相と与党は何年間もテック企業の報道への規制を続けてきた。
【コメント】
 インドのことを笑っていられない。日本の報道の自由度はここ数年急落してきている。政権に忖度し官僚やメディアに「モノ言えば」の風潮も出てきている印象がある。

その他:
ブータンの入国税
Bhutan will require a $200 tax on international visitors when it reopens this fall in order to limit the negative effects of tourism.
シドニーの豪雨
About 50,000 people were urged to evacuate after Sydney received eight months’ worth of rain in four days, the BBC reports.
Bitcoinを法定通貨にしている国があるのか??
El Salvador, which made Bitcoin a national currency, has moved closer to default after its cryptocurrency holdings lost about 60 percent of their presumed value.

(2022年7月6日 水曜日)

世界の動き 2022年7月5日 火曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「エンゲージメント調査」
 エンゲージメントとは従業員が仕事にやりがいを持ち、企業と従業員が強い絆で結ばれている状態のこと。エンゲージメントの状況を全社的に調査し、離職が少なく業績が上がる組織作りを目指すためにKPIとして活用するのがエンゲージメント調査だ。
 昨日の日経一面の囲み記事で「パナソニック子会社でエンゲージメントの結果を執行役員のボーナスに反映する」というのがあった。
 本来エンゲージメント調査は企業の状況把握のための「手段」だが、その結果を執行役員のボーナスに反映させるのには違和感を感じる。「手段」が「目的」化しないかという懸念だ。調査の結果を上手に活用し業績向上に結び付けるのが経営の腕の見せ所なので、そこが評価されるべき点なのだ。

1.シカゴ近郊で銃乱射
【記事要旨】
 シカゴ近郊の裕福なエリアであるハイランドパーク市で独立記念日のパレードに向け建物屋上からライフル銃が乱射され少なくとも6人が死亡24人以上が負傷した。犯人は捕まっていない。パンデミック後の銃乱射事件の増加が懸念されており特にメモリアルデー(5月最終月曜)や独立記念日(7月4日)といった暖かくなった時期の祝日に増加ずる傾向。
【コメント】
 Home Aloneに出てくるような豊かな白人居住地域での乱射事件だ。犯人の意図は何なのだろうか。

2.ロシアはウクライナ東部を制圧
【記事要旨】
 クリミアを2014年に奪取して以来のロシアの領地(ルハンスク州)の獲得でありロシアは戦略的な勝利と発表。ロシアは5日間の猛砲撃後戦車と歩兵で攻撃し占領地を拡大。
【コメント】
 ロシアが生物化学兵器・さらには核兵器を使用した際のNATOの対応はどうなるのだろうか。

3,中国の億万長者の裁判
【記事を理解するためにwikipediaより】
 Xiao Jianhua (Chinese: 肖建华, born c. 1972) is a Chinese-Canadian businessman and billionaire known for managing assets for descendants of prominent Chinese leaders. He was abducted to Mainland China in 2017.
【記事要旨】
 5年前に香港の高級ホテルから忽然と消えた肖は現在裁判に掛けられているが罪状は不明だ。肖は中国高官の財産の運用で58憶ドルもの財産を築いたと言われる。ある時点では多くの中国企業を傘下に収め、Tomorrow Groupは中国の金融システムを揺るがすほど巨大になり、習近平の腐敗撲滅キャンペーンの対象になった。同様の億万長者Lai Xiaomin (Chinese: 赖小民; 21 July 1962 – 29 January 2021)は死刑判決を受けた。
【コメント】
 中国やロシアと言った強権国家ではいつ寝首をかかれるかわからない。怖い怖い。

その他:
スリランカの経済危機は深刻
Sri Lanka’s energy minister said the country had less than a day’s worth of fuel left, Al Jazeera reports. The crisis forced the country to extend school closures.
上海ではデベロッパーが債務危機
A big Shanghai developer defaulted on its debt, CNN Business reports, deepening China’s real estate crisis.
ベニスでは入場制限
Venice is trying to limit tourists by introducing a reservation system and a daily fee to see the city.

(2022年7月5日 火曜日)

世界の動き 2022年7月4日 月曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より

今日の一言:
 「EUの最低賃金」
 EUでは最低賃金制度の共通化の法案が6月8日に可決された。EU加盟各国の法定最低賃金は、月額500ユーロ未満のブルガリアやルーマニアから、2,000ユーロ超のルクセンブルクまで大きな開きがある。デンマーク、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、イタリア、キプロスの6カ国は驚いたことに法定最低賃金を定めていない。日本国内でも安い地域と高い地域の違いがあるがそれが国家間に拡大していると考えればわかりやすい。多数の個人事業者を含む経営者は共通ルールの導入に反対しており実際の運用がどうなるかは不確定だ。アジア域内で同様のルールが適用されると仮定すると、日本はシンガポール、香港、韓国を下回ることがはっきりする。恰好悪いですね。

1.ロシアはルシチャンスクを占領
【記事要旨】
 ルハンスク州最後のウクライナ側拠点が陥落しロシアがドンバス地域の殆どを制圧したことになる。ロシアは自国内のベルゴロドで爆発が起き市民4名が死亡とウクライナを非難。ウクライナのスロビアンスク市が攻撃され市民多数が死傷。ロシアはソ連時代のミサイルを使用し一般市民への攻撃を加速。
【コメント】
 無言

2.熱波が日本を襲う
【記事要旨】
 史上最悪の熱波により政府はエアコン使用を推奨するも電力供給危機。ここ数日で4500人以上が熱中症で病院に搬送された。東京では最高気温35C以上が土曜で八日連続。ウクライナ戦争以来のLNG価格上昇で発電コストが増嵩している。
【コメント】
 インドやパキスタンと同列の熱波記事。寂しい。

3.パキスタンでの性転換者の権利
【記事要旨】
 4年前にパキスタンは性転換者の権利を法律で認める少数の国の一つとなった。当初はカミングアウトが進んだが近時このような人たちへの暴力行為が頻発している。法律の施行には地域でばらつきがあり、カミングアウトしていない人が殆ど。
【コメント】
 イスラム国での法制化は画期的だが、宗教規範は法律より強いのだろう。

その他:
シドニーでも豪雨 環境保護派への規制強化
Heavy flooding has engulfed Sydney, the BBC reports. At least one man died and thousands more have evacuated.
A new law in the Australian state of New South Wales has sharply increased punishment for demonstrators who disrupt economic activity. Climate activists say they are the target.
日本の同調圧力
Japan never mandated masks or vaccinations. Instead, peer pressure and a fear of public shaming helped the country avoid the worst of Covid.
また北欧で銃乱射
Several people were shot and killed at a mall in Copenhagen yesterday. Danish police have arrested a suspect.

(2022年7月4日 月曜日)

Miles Davis “My Funny Valentine”

 今朝の日経新聞17面「名作コンシェルジューMusic」で取り上げられている。Milesのクインテットが1964年2月12日にNYCリンカーンセンターでのコンサートを収録したLPだ。

 YouTubeで捜してLPを聞いてみる。(何と便利な世の中になったものだろうか!)日経新聞で解説者吉田俊宏氏が書いているように素晴らしい演奏だ。これには理由があるが記事では触れられていない。

 LPの最初にクインテットを紹介するリンカーンセンターの司会者の言葉が収録されている。彼は「リンカーンの誕生日にセンシティブは問題に興味を持つ聴衆が素晴らしい演奏を聴くために集まった」と言っているのだ。

 確かに2月22日はリンカーンの誕生日だ。ではセンシティブとは何を指しているのか? 1963年はケネディ大統領が人種差別を禁ずる公民権法の議会通過に大変な努力を払った年だ。ケネディは同年11月22日にダラスで凶弾に倒れ、1964年になってジョンソン大統領の下でやっと議会で承認された。

 黒人のMilesが、ケネディが凶弾に倒れた後、公民権運動のさなかにリンカーンセンターで記念すべき演奏をしていたわけだ。Milesの入魂の演奏の理由がわかる。

(2022年7月3日 日曜日)

統合報告書について

 投資対象選定の資料にすべく統合報告書を今調べている。そもそも、統合報告書とは何か。

 「統合報告書とは、企業の売上や資産など法的に開示が定められた財務情報に加え、企業統治や社会的責任(CSR)、知的財産などの非財務情報をまとめたもの。
 欧米を中心とした海外機関投資家が投資の際、企業の社会的責任を重要視し始めたことを契機に、海外の企業で財務情報と非財務情報をまとめて発行するようになった。
 日本でも金融庁と東証が策定したコーポレートガバナンス・コードにおいて、企業側に対し、非財務情報の開示を主体的に取り組むことを促しており、統合報告書を発行する企業が増加している」。(以上、野村証券の説明)

 なぜ統合報告書に注目しているかと言うと、財務諸表だけには現れない企業経営のひだ(ガバナンスの実際のあり方、CSRへの取組、長期的な企業価値の向上を支える理念等)が、よくわかると思われるからだ。

 現在筆者は非上場の飲食チェーンのアドバイザーをしているので、手始めに、飲食業の上場企業ではどこが統合報告書を発行しているか調べてみた。驚くほど少ない。ロイヤルホールディングスと吉野家の2社だけが発行している。発行していることだけで+を差し上げたい。

 比較の詳細説明は省くが、非財務項目として挙げている項目を簡単に比較したい。

 両社が共通して挙げている項目
 ・従業員/パート社員数 (総数の表示にどういう意味があるか不明)
 ・女性管理職比率 (ロイヤル9.4% 吉野家25%)
 ・障害者雇用数/比率 (ロイヤル166人.2.7% 吉野家5.0%)

 一社のみ(吉野家のみ)が挙げている項目
 ・定期健康診断受診率  89.7%
 ・子供食堂への食事提供回数 396回
 ・Co2排出量 100450t(厳密に計算するのは結構大変そうだ)

 ロイヤルの報告書は32ページ、吉野家の報告書は33ページでありコンパクトにまとまっており、投資対象を選ぶ際の参考にすべき内容だと思った。特に吉野家の報告書は読んでいて面白かった。まだ統合報告書を読んだことのない読者には業種のわかりやすさもあり、お勧めだ。

(2022年7月2日 土曜日)