組織文化の監査

企業文化とは何か?
 企業文化とは一言で言えば「社風」とか「仕事のやり方」である。同じ業種に属する企業でも大きく異なるのが普通だ。大きな不祥事が発生した企業では、「会社の為なら少しぐらい法を曲げても良い」とか「前から決まっているやり方なのでそれを踏襲すればよい」という「社風」が定着しているのが通例だ。

組織文化の監査
 企業価値を守り高めるために、監査役監査や内部監査では何をどう監査すればよいだろうか。
 なかなか難しいが、以下のような切り口で監査を進めることが考えられる。

【社内社外からのサーベイによる意見取得】
・トップの確固たる姿勢を従業員は感じているか
・コンプライアンスや倫理の重要性に対する従業員の理解
・従業員サーベイ、顧客サーベイの結果
・顧客からの苦情
【研修】
・従業員のレベルに合わせた研修プログラムの存在
・研修頻度と参加記録、効果測定
【コンプライアンス】
・内部通報制度の活用
・監査が発見したリスクとそのコントロール態勢
・不備・不正への是正措置と有効性
【人事】
・方針への違反に対する処置の適切性と一貫性
・従業員の離職率
・企業にマイナスのメディアでの報道
・退職者インタビューの実施
【ソフトコントロール】
・従業員の能力ー適応性と学習意欲
・信頼と寛容さーチームワーク、問題解決への助け合い
・経営者のリーダーシップー例を示す
・高い期待ー向上のための努力、目標の引き上げ
・共通の価値観ー正しいことを正しいやり方で
・高い倫理基準ー正直、平等、公正

 以上のような諸点を確認することで組織文化の状況をある程度監査することができよう。ただ、ある部門の結果が企業全体の結果になるわけではないので部門を絞らずに広くカバーすることが重要だ。

【まずは一歩踏み出そう】

 単発的に行うのではなく、継続して行うことが肝心だ。監査部門が組織文化の監査をしているという事実が組織に緊張感をもたらし、社風が改善するという効果も期待できる。まずは初めて見よう。The first step is always the hardest.

(2022年7月16日 土曜日)

世界の動き 2022年7月15日 金曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「物価対策」
 個人的な体験。私が就職した昭和50年(1975年)はオイルショックの後の狂乱物価の時代だった。物価上昇を追いかける形で給料が上がった。物価上昇に対する不安はなかった。日本経済の先行きが明るく成長期待があったからだ。
 物価対策として、自分の経験からは、以下が大切だ。
・賃金を引き上げる
・経済の先行に期待を持たせる
 政策は上記2点を促進する具体策を取るべきで、補助金のバラマキや、財政と金融に依存した施策は効果が薄い。

1.スリランカGotabaya Rajapaksa大統領が辞任
【記事要旨】
 Gotabaya Rajapaksaは逃走後辞任を文書で発表。後任に不人気の前首相を指名するがこの人は首相辞任を表明している人物。権力の空白化によりスリランカの絶望的な経済状況の長期化が懸念される。
【コメント】
 スリランカは数十年の内戦の経験がある。内戦状態に戻らないように誰が舵取り出来るのだろうか。

2.イランについて米とイスラエルは対応が分かれる
【記事要旨】
 Yair Lapidイスラエル暫定首相はバイデン大統領にイランの核開発の芽を何としても摘むべきだと強調するが、2015年の核合意がイランの核兵器制限には有効とバイデンは考える。バイデンは今日サウジを訪問し、一時は人権問題で疎遠だった、Mohammed bin Salman皇太子と面談予定。
【コメント】
 イスラエルのイランへの考えは一貫している。米国は政権が変わると政策が大きく変わる。トランプの政策の後始末をバイデンがしており弱いリーダーと言う印象を与える。

3.ウクライナで少なくとも23人が死亡
【記事要旨】
 ロシアは東部戦線から数百キロ離れたVinnytsia市をミサイル攻撃し市民に多数の死傷者が出ている。オランダ政府がヘーグでロシアの戦争犯罪についての会議を開催しているさなかの出来事。米国の女子バスケット選手Brittney Grinerの薬物所持裁判はロシアで継続し米国の非力さを示す。
 ウクライナは、東部でロシアが作った2つの人民共和国を承認した北朝鮮との断交を発表。
【コメント】
 ロシアは無差別攻撃を進めウクライナの厭戦気分の盛り上がりを期待しているようだ。いつまで続くのだろうか。

その他:
中国は情報漏洩事件の情報拡散を警戒
Last week, China’s Communist Party moved to censor news about what was probably the largest known breach of a Chinese government computer system. The party is keenly aware of how such lapses harm its credibility.
アジア太平洋でコロナ感染拡大
The Asia-Pacific region is facing a coronavirus surge. Cases in Tokyo this week were at their highest since February, Reuters reports. New Zealand will make masks and rapid tests free as cases increase, The Guardian reports.
イタリアでも政治不安
Italy faces political crisis. Mario Draghi offered to resign as prime minister after a coalition vote exposed fatal fractures in the unity government, but the president refused to accept his resignation.

(2022年7月15日 金曜日)

世界の動き 2022年7月14日 木曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の言葉
「喜捨」
 統一教会で信者への喜捨の強要が話題になっている。喜捨で有名なのはイスラム教のザカート。イスラム教の五行の一つで、困窮者を助けるための義務的な喜捨を指し収入の1割は神へ帰すというのが基本にある考えだ。救貧税とも訳される。イスラム教の国々により解釈が異なるが、例えば税金が無い言われているサウジアラビアにもザカート税は存在している。収入の2.5%が目処のようだ。

1.スリランカの新政権
【記事要旨】
 Gotabaya Rajapaksa大統領はモルジブへ逃走したが、首相のRanil Wickremesinghe氏を後任に指名。同氏は首相の辞任を表明し、スリランカでは政治は混迷。食料、燃料、医薬品の不足は継続。
【コメント】
 誰も政権を担当したがらないと政治はどうなるのだろうか。

2.バイデンの中東歴訪
【記事要旨】
 4日間の歴訪の最初はイスラエルで、イランの革命防衛隊のテロ組織認定継続を約しイランの核化の恐怖を取り除こうとする。サウジでは原油の供給拡大を求める見込み。
【コメント】
 中東の情勢は外からは判断不能だ。イラン、サウジ、トルコという思惑の異なる国々がそれぞれ独自の政策を取り、米国主導で絵を描くことは不可能だ。

3.ウクライナの穀物輸出
【記事要旨】
 イスタンブールでのロシアとウクライナの会合は具体的な成果はまだないが国連は進展は非常に前向きと表明。22百万トンの穀物が黒海に面したウクライナに滞留しており「アフリカの角」地域では飢餓が広がる。
 戦争は米中の対立を深める。米のロシア制裁への協力要請を中国は拒み続けている。
【コメント】
 EUの艦隊が輸送船舶を護衛して穀物を運ぶことができないのか。ロシアはブロックしていないと主張し続けているのだから。

その他:
中国でのコロナ再流行 香港は中国的制限
Shanghai is facing another Covid surge, and residents fear another lockdown.
Hong Kong will require that people in home isolation wear quarantine bracelets, and will introduce a mainland-style electronic health code, The Guardian reports.
日本の原発裁判
A Tokyo court ruled that four former executives of the company that operated the Fukushima nuclear power plant were liable for the 2011 disaster, The Associated Press reports.
日本の女性不平等
In a report on gender parity, Japan ranked lowest of the Group of 7 countries and the lowest in its region, The South China Morning Post reports.

(2022年7月14日 木曜日)

世界の動き 2022年7月13日 水曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「新興宗教」
 神道、仏教、キリスト教以外が新宗教(新興宗教)と分類される。大きな組織では「幸福の科学」信者数は11百万人(「幸福実現党」の得票数を見るとこの数は過大とおもわれるが)、「創価学会」信者数は8.27百万人を数える。年間のお布施が一人10000円としても大変な資金力があり、政治への影響力も強い。

1.酷暑が中国を襲う
【記事要旨】
 中国の東部と南部の一部を40度以上の熱波が襲っている。建物の屋根や道路が溶けるような酷暑だ。2019年に中国では26800人が熱波で死亡。コロナの感染テストをする保健員が熱で倒れる映像が広まった。中国の中部と南西部では大洪水も起き異常気象が続いている。
【コメント】
 日本でも熱波は来た。台風シーズンに警戒が必要だ。

2.香港の人権活動家起訴される
【記事要旨】
 Koo Sze-yiu氏は、一人で民主主義を訴えるデモを計画したという罪状で9か月の禁錮刑の判決を受けた。同氏は天安門事件以来自由と民主主義を訴えるデモを続けてきた。結腸癌末期のKoo氏は、中国本土の人権派弁護士に比べれば自分が受けている苦難は何でもないと語る。
【コメント】
 そういえば周庭さんは現在どうしているのだろうか。

3.プーチン大統領はイランを訪問
【記事要旨】
 プーチンは来週イランとトルコ訪問予定。非西側諸国との連携で西側の軍事力と制裁に対抗する。イランは軍用ドローンをロシアへ提供すると米国の国家安全保障補佐官は警戒。トルコはウクライナの食糧輸出に関し、ウクライナ、ロシア、国連による会議を主催予定。

その他:
安倍首相の葬儀
Crowds lined Tokyo’s streets to pay their respects at Shinzo Abe’s funeral yesterday, the BBC reports.
スリランカの政変
Sri Lanka’s president, Gotabaya Rajapaksa, is set to resign today, Reuters reports. Airport staff stopped Rajapaksa and members of his family from leaving the country on Monday, CNN reports.
豪州も中国を警戒
Australia urged the U.S. to expand its military presence to avoid a “catastrophic failure of deterrence” in the Indo-Pacific, The Sydney Morning Herald reports.

(2022年7月13日 水曜日)

世界の動き 2022年7月12日 火曜日

ニューヨークタイムズ電子版より

今日の一言:
「第7波」
 政府分科会の尾身会長が第7波の流行を認めた。これまでの6回の流行の経験は第7波対策にどのように活かされるのだろうか。

1.資金凍結への中国人の抗議
【記事要旨】
 4つの地方銀行から資金の引き出しを求める1,000人以上の人たちを警備隊が攻撃し負傷者がでた。大規模な不正調査のため4月以降これらの銀行では資金が凍結されている。中国中部の郑州市では抗議者の行動をコロナ感染監視アプリで制限しようとしたが今はやめている。中国で預金保険がどう機能するか試金石になる。
【コメント】
 預金者の阿鼻叫喚が報じられている。預金が引き出せなくなると預金者はたまったものではない。

2.ウクライナ市民は衝撃に耐える
【記事要旨】
 ロシアは2月の侵攻以来、市民は攻撃対象外というウソを繰り返しているが、東部での攻撃ではロシアのアパートやショッピングセンターへのミサイル攻撃が激化し犠牲になる市民が増えている。
【コメント】
 無言

3.安倍氏銃撃に関する「恨み」
【記事要旨】
 山上容疑者が逮捕された際、日本の警察は彼が特定の団体に恨みがあったと述べたが、団体名を明らかにしなかった。今、統一教会が恨みの対象として明らかになっている。山上の母親は信者で多額の献金をしたとされる。統一教会は安倍の祖父の岸元首相以来保守系政治家とのつながりの強さが指摘されるが安倍元首相とのつながりの強さは不明。
【コメント】
 この事件の扱いは、右と左で大きく異なる。行方を注目したい。

その他:
インドが世界最大の人口国に
The U.N. projected that India might surpass China as the most populous country next year, Bloomberg reports.
BA5は欧州でも感染拡大
E.U. health authorities said older people should get a second Covid booster.
米国の政治情勢
Most Democrats would prefer a candidate other than President Biden to run in 2024, and only 26 percent said the party should renominate him.
Biden’s approval rating is only 33 percent, nearing Donald Trump’s worst ratings during his presidency.

(2022年7月12日 火曜日)