世界の動き 2022.4.15 Friday

N.Y. Times 電子版より
今日の一言:
マスク氏のTwitter買収提案には驚いた。GAFAと言われる巨大企業の経営者は巨大企業を自由に買収できる経済力を持つ。5兆円を超える時価総額と言えば日本では日立製作所でも買収できる規模だ。彼我の差は大きい。Sigh!

1.ロシアの旗艦が沈没
【記事要旨】
 ウクライナが沿岸警備部隊からのミサイル発射で、ロシア黒海艦隊旗艦のモスクワが沈没したと発表。露は嵐の中で曳航されていた同艦が火災で沈没したと発表。ウ軍にとっては象徴的は勝利であり露にとっては恥辱的。ウは自主開発のネプチューンミサイルが使用されたと発表。開戦以来、黒海艦隊はウクライナの沿岸でウにミサイル発射や砲撃を繰り返し、ウクライナの海上通商も閉鎖している。EU首脳は露からのエネルギー輸入の禁止を検討中。
 40日間抵抗をつづけたマリウポリは陥落間近と専門家は分析。露はフィンランドとスウェーデンがNATOに加入すればバルト海沿岸への核兵器配備を言明。
【感想】
 モスクワという名前の旗艦が沈没したというのはまさに象徴的な出来事。プーチンは怒り心頭で倍返しを企図するだろう。露国内での反戦の動きの活発化に期待したいが。

2.マスク、Twitterの敵対的買収を目指す
【記事要旨】
 イーロン・マスクはTwitter株を総額430億ドルで買収し非公開化する提案を行った。同氏はTwitterの熱心な利用者で、同氏に批判的な人を非難したり、株価操縦に使ったり、コロナについての誤った情報を広めている。T社の中道路線を繰り返し批判してきた。
 T社取締役会は提案を検討し受諾か拒否かを決定する。拒否の場合は他の買い手white knightを捜すことになろう。
 マスクについては19世紀型の強欲資本家でwho used their papers to pursue their personal agendas, sensationalize world events and harass their enemiesと評する見方も。
【感想】
 金があれば何でもできるということ。マスクは007シリーズで登場した悪のメディア王に見えてくる。この動きでTwitter株は暴騰すると思われ、買収できなくてもマスクには巨額の富が転がり込む。

3.英は亡命希望者をルワンダへ送付
【記事要旨】
 英仏海峡を渡り流入する難民に対する英国のこの決定は人権擁護者から批判をあびる。ルワンダはこれにより157百万ドルを受け取り、定住を認める方針を示す。ジョンソン首相は議会承認が必要で、すぐに実行は出来ないだろうと発言。野党は非人権的な動きと政府を批判。
【感想】
 ルワンダが安全な国なら、受容可能な解決策とも思われる。

その他:
フィリピンの台風
More than 120 people have died in the central part of the Philippines after a tropical storm caused landslides and flooding.
中国のコロナ
Nearly 400 million people are estimated to be under some form of lockdown in China. Its economy is paying the price: Experts think its target of 5.5 percent economic growth for 2022 is now unrealis
初のお手伝い
A long-running Japanese reality TV show recently came to Netflix, where it is astonishing Western audiences. The premise? Toddlers running errands without adult supervision.

(2022.4.15 Friday)

世界の動き 2022.4.14 Thursday

N.Y. Times 電子版より
今日の一言:
防衛省の防衛研究所の人たちがウクライナ情勢をめぐりTVにコメンテーターとして出演している。彼らは公務員だと思うが、良いのだろうか? 国会で証言するのは良いと思うが、日本政府の見方を漏らすことにならないのだろうか?気になる。

1.フィンランドとスウェーデンはNATO加盟を検討
【記事要旨】
 フィンランドとスウェーデンはNATO加盟を検討し、今後数週間で認められる見通し。プーチンの侵攻は、ウクライナのナショナリズムを強め、西欧の連帯を強め、NATOの拡大をもたらしている。ポーランドとバルト3国の首脳はキーフへ訪問し戦争犯罪の証拠を集めた。欧州安全保障協力機構OSCEの初期的な報告では明確な戦争犯罪の証拠がある由。
 イエレン財務長官は中国にロシアに停戦を働きかけることを促す。傍観は大国の地位に傷がつく。開戦後ロシアの技術者数千人が出国しロシアへは大きな打撃。
【感想】
 「近攻遠交策」の具体化ですな。

2.コロナ患者5億人越え
【記事要旨】
 3年目に入ったコロナ禍で感染者は今年だけで2億人を数え累計5億人を超えた。2週間前との比較では1日100万人が感染し34%減少、死者は一日3700人で24%減少。感染検査能力の不足が感染者数を小さくしておりWHOはアフリカでは住民の65%が感染しているとの見方。検査しなければ何株に感染しているかも把握出来ない。
【感想】
 日本でも検査しないので陽性者数が小さくなっていると思われる。厚労省の医系技官は感染当初からPCR検査に後ろ向きでそのスタンスは変わっていない。何故かは不明だ。

3.フィリピンの独裁者の息子が次期大統領へ
【記事要旨】
 フェルディナンド・マルコスJr.は1965から1986年まで続いた父親の専制への批判から自分の家族を守ることに多くの時間を費やしてきたが、いまは来月に予想される次期大統領選の最有力候補だ。「ボンボン」というあだ名で呼ばれる彼は、専制の歴史を塗り替え、専制の記憶のない若い世代にSNS中心の選挙活動を続けている。ノーベル平和賞を受賞したジャーナリストのマリア・レスは、過去の歴史を書き換えようとするボンボンの選挙運動を批判している。台風が襲ったレイテ島では48人が地滑りで死亡。
【感想】
 マルコスの息子か?世襲制だな。と思ったら、我が国の首相もそうだった。

その他:
フランス大統領選の決選投票
Both President Emmanuel Macron and Marine Le Pen, his far-right challenger, are seeking to appeal to voters on the left after the traditional left-wing candidate lost in the first round of voting.
メキシコでもコンボイ
Scores of truck drivers in Mexico set up a blockade to protest new safety inspections ordered by the Texas governor. The clash has already snarled traffic on a major international bridge for days.
マッキンゼーの利益相反に関する興味深い記事
The consulting firm McKinsey & Company works for many of the world’s biggest companies, as well as for governments in the United States, Europe and Asia. A Times investigation found that working on both sides of the fence was part of McKinsey’s pitch. In the U.S., it allowed employees who worked for opioid makers and other pharmaceutical companies to also consult for the F.D.A., raising stark questions about conflicts of interest.

(2022.4.14 Thursday)

世界の動き 2022.4.13 Wednesday

N.Y. Times 電子版より
今日の一言:
2021年に中国では291万台のEVが売れ、世界全体ではEVの販売台数がハイブリッドを上回ったとの報道。トヨタの全方位戦略が心配。EVに本腰を入れて取り組むべきと思う。

1.プーチンの抗弁
【記事要旨】
 プーチンは、和平交渉が行き詰まり、「我々は人々を救い出しロシアの安全を確保するために戦っている」とロシア兵をたたえる。「ロシアは世界から孤立するつもりはなくロシアのような大国を孤立化させることは出来ない」と制裁に耐える姿勢を強調。ドンバス地域に兵力を増派し「当初からドンバス地域の人々を救う」のが戦闘の目的だったと強調。
 ニュージーランドは50人の部隊を支援物資配布のため欧州に派遣決定。中国メディアはプーチンの発言をおうむ返しする。
【感想】
 ウソも100回繰り返せば真実になる。国内向けにはそうかもしれないが世界に信じ込ませることは出来ない。

2.スリランカのデフォルト
【記事要旨】
 市民の抗議活動激化を受け、食料、医薬品、肥料の輸入に資金が必要なスリランカ政府は対外債務の支払いを停止し、500億ドルにおよぶ対外債務の支払いがデフォルトになるおそれ。コロナ下、観光収入に大きく依存する同国で一年半以上海外旅行客を受け入れていない。市民の抗議は暴動化しGotabaya Rajapaksa大統領の退陣を要求。スリランカ経済は急成長してきたが現政権は専制化し汚職が蔓延、右派僧侶や軍部の政治介入が目立ってきた。
IMFは債務のリストラを交渉しはじめ、中国とインドからの支援を期待。
【感想】
 スリランカは中国とインドにとって勢力圏として重視されており何らかの支援は出てくると思われる。

3.中国経済の転換
【記事要旨】
 中国政府に、大企業を叩き富を再配分する共同富裕策を緩める動き。第3期目を目指す習近平は、自分の統治下で、繫栄し強力で安定した中国になったことを強調し、原油価格の高騰、コロナ、ウクライナ戦争の経済への影響を弱めたい。共産党の成長第一主義がインフラや不動産への過大投資を招きEvergrandに代表される巨大な債務が蓄積されている。アクセルとブレーキを共に大きく踏みこむ政策の行方に注視。
【感想】
 共同富裕策は国民の多数から支持を得られると踏んだのだろうが企業を踏みつけると中国経済のダイナミズムが失われる。平時の政策判断は難しくないが、難局を乗り切るのには何がベストチョイスかは中国ならずとも我が国にとっても大問題のはず。日本では大きな政策議論がないのは残念。

その他:
過熱する米経済
In the U.S., consumer prices rose 8.5 percent in March compared with last year — the fastest inflation rate since 1981. Rising gas costs and higher rents buoyed the rise, but pay raises are not keeping up. Follow live updates here.
ジョンソンは罪に問われる
Britain’s prime minister, Boris Johnson, will be fined for breaking lockdown rules, making him the first holder of his office in living memory to be found in breach of the law.
ニューヨークの地下鉄は懐かしいが
At least 10 people were shot on a subway platform in New York City on Tuesday morning. No deaths have been reported, but the gunman is still at large.

(2022.4.13 Wednesday)

世界の動き 2022.4.12 Tuesday

N.Y. Times 電子版より
今日の一言:
那須の桜は今が満開。桜前線に沿って日本をオートバイで北上する楽しさを片岡義男が書いていたな。

1.ブッチャでの1か月間の恐怖
【記事要旨】
 子供に魔法瓶に入れたお茶を届けようとして狙撃され殺害された母親。性奴隷として外套だけで納屋に閉じ込められ殺害された女性。自宅で殺害され一か月放置された二人の姉妹。これらはNYTの記者がブッチャで見た惨状である。7週目に入った戦争は東部で拡大しプーチンは数万人の増派を決定している。クラマトルスク市では駅がミサイル攻撃され57名が死亡。バイデン政権は戦争犯罪の国際機関の調査にどれだけ協力するか検討中。
【感想】
 血なまぐさい映像が増え、戦争の悲惨さが世界に広まっている。一方では中国やインド、ブラジルのようにロシア制裁に消極的な政権がある。それぞれにポジションがあり国際政治の現実が見られる。

2.日本は軍事制約を削ぎ始める
【記事要旨】
 日本は第二次大戦後75年維持してきた平和主義を離れウクライナに軍備品の送付を決定。ロシアに対して米欧に協調している日本は、軍事予算の増額と敵基地攻撃能力の獲得が国内で大きな議論になっている。政権党内のハト派出身の岸田首相は、コロナ対策と経済回復から、防衛重視へ変化し、「スピード感を持って防衛力の拡充に努める」と述べた。

 日本の北海道はロシアから25マイルしか離れておらず北方4島の所属問題は日ロ平和条約締結を妨げている。日本の最大の防衛上の脅威は、台湾進攻を隠さぬ中国と、核ミサイル開発を進める北朝鮮だ。
【感想】
 ウクライナへの日本の軍備品の送付は海外から見ると日本の大きな政策転換に映ると知った。特に国会で大きな議論になったこともなく、かわいそうなウクライナを助けるという情緒的な判断で実施された。

3.韓国はコロナ対策を緩和
【記事要旨】
 昨日の感染者数90928人は2か月で最低。PCRの無制限の無料調査は止め、高リスク者のみへ検査制限開始。屋内でのマスク制限は継続されるが殆どのコロナ規制は解除される見込み。ゼロコロナ政策継続の中国以外のアジア諸国と同様の動き。
【感想】
 日本は韓国に追随するだろう。何事も後追いが過ぎる。

その他:
完全試合
A 20-year-old pitcher, Roki Sasaki, pitched the first perfect game in Japanese professional baseball in 28 years.
Fish&Chipが持たない
Britain’s fish-and-chip shops are struggling as the war in Ukraine has made the meal’s main ingredients scarcer and more expensive. Of 10,000 shops, 3,000 may close.
ネポティズム資本主義
Donald Trump’s son-in-law, Jared Kushner, secured a $2 billion investment from a fund led by the Saudi crown prince, despite objections from the fund’s advisers about the merits of the deal.

(2022.4.12 Tuesday)

世界の動き 2022.4.11 Monday

N.Y. Times 電子版より
今日の一言:
佐々木朗希投手が完全試合達成。13連続三振。19奪三振。105球。
人生のPerfect Mormentを見ました。

1.米はドンダスでの虐殺を警戒
【記事要旨】
 米軍によるとドンダス地方のイジウムからドニプロに掛けて大攻勢が見込まれる。空港が破壊されたドニプロではボランティアが運転するバスが救出活動。キエフから撤兵した露は東部での占領地域拡大に注力。露軍は侵攻の総司令官にシリアで民間人住居地域を攻撃したアレキサンダー・ドボルニコフが任命された。
 英ジョンソン首相はキーフを訪問しゼレンスキーと会談。オーストリアのネハンメル首相もキーフを訪問し今日プーチンと会談を予定。兵役年齢のウクライナ男性数千人が出国したが行為を恥じているとの報道。露では戦争支持派が反戦言動を抑圧。
【感想】
 欧州は軍事支援を強化。実際に派兵しないだけでほどんど参戦しているのと同じ状況になっている。ここまで支援するなら露の軍事行動前に経済制裁と軍事支援を発動しておけばよかったのにと思う。後知恵ですが。

2.マクロンとルペンが決選投票に
【記事要旨】
 マクロンは28.5%、ルペンは24.2%の得票率で4月24日の決選投票に進む見込み。ルペンの高得票は欧州の右傾化と反外国人の動きを示すとの見方も。ルペンは反移民政策から燃料価格の高騰やインフレを非難する姿勢に言動をソフト化。マクロンはウクライナ情勢に注力しすぎで国内問題に無関心の印象を与えている。投票終了の3時間前で投票率は65%。2002年以来最低で国民の政治への幻滅を示す。もしルペンが勝利すれば、英のBrexitとトランプの大統領選勝利に匹敵する政治的激震になる。
【感想】
 中道が28.5%で極右が24.2%ですか。政治には正規分布のベルカーブが当てはまらないんですな。
 英ジョンソンはウクライナ戦争で支持率を高めパーティー疑惑も吹き飛んだ。マクロンは戦争解決に努力してきたが自国で評価されていないのは皮肉。

3.カーンはパキスタン首相を解任される
【記事要旨】
 日曜の不信任案可決を受け、パキスタンでは早期の総選挙が予想される。野党のシェバズ・シャリフが暫定首相を10月の総選挙まで務める。2018年に政権についたカーンは経済の立て直しに失敗し軍部の支持を失ったのが失脚の原因。市場の自由化を図る一方福祉国家を目指す等カーンの政策は矛盾。外交では米国寄りから中露寄りに転換していた。
【感想】
 パキスタン情勢は連日NYTが取り上げている。軍事政権樹立を懸念しているのだろう。

その他:
メッカへの巡礼再開へ
Saudi Arabia will allow one million Muslims to travel to Mecca this year for the hajj, as long as they are vaccinated and under 65, and test negative.
シュンドルボンって初耳。マングローブで有名な世界遺産
In the Sundarbans, one of the largest deltas in the world that straddles India and Bangladesh, local women are leading an effort to mitigate the dangers of rising waters.
中国のロックダウンの影響
China’s lockdowns are holding up truck drivers, causing a new disruption to the global supply chain.

(2022.4.11 Monday)