世界の動き 2024年5月20日 月曜日

今日の言葉:
「農林中金」
農林中央金庫が総額1兆2000億円の資本増強を検討していると日経新聞が18日報じた。米金利高に伴って米国債などの運用収支が悪化し、今期(2025年3月期)には5000億円超の最終赤字に転落する見通しで、出資者のJAなどと協議に入ったという。
報道によると、米金利の上昇に伴って米国債など含み損が生じて運用収支が悪化。含み損の損失処理に伴って赤字となる見通し。23年12月末時点の含み損は1兆9000億円だった。
資本増強に関しては一般企業の普通株に近い性質の「後配出資」で7000億円の出資を受けるとともに期限付き劣後ローン5000億円を調達し、過去の永久劣後ローン7000億円は償還する内容で9月ごろまでの合意を目指すとしている。
農林中金はそのままの名前で海外で通用する国際金融市場でも大きな存在だ。昔は住専への貸出、その後はサブプライム関連の投資で、巨額損失を計上したことがある。今回は米国の金利動向の読み違いによるもので、ALM上の単純なミスに見える。規模の割に、運用力には懸念がある。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.イラン大統領を乗せたヘリコプターが墜落
【記事要旨】
イラン国営メディアによると、昨日、イランのエブラヒム・ライシ大統領を乗せたヘリコプターが墜落した。 ホセイン・アミール・アブドラヒアン外務大臣も乗っていたヘリコプターはまだ見つかっていない。
墜落の原因はすぐには分からなかった。 国営ニュースは、少なくとも20の捜索救助チームが参加する大規模な作戦が進行中だったが、悪天候が作業を妨げたと報じた。
国営メディアによると、閣僚の代表団がヘリコプター3機の隊列で同氏とともに移動し、残りの2機は目的地に到着したという。
背景: この暴落は、国際関係にとって微妙な時期に起こった。中東におけるより広範な紛争の脅威を鎮めるために、米国とイランの高官が仲介者を通じて会談を行った数日後のことだった。
ライシ氏:彼はイランの政治機構において最高指導者ハメネイ師に次いで2番目に権力のある人物だ。同氏が次期最高指導者になるよう育てられていると信じられていた。
次のステップ:イランの法律は、大統領が死亡した場合、権力は第一副大統領に移譲され、6か月以内に選挙を実施しなければならないと規定している。 第一副大統領には保守派政治家のモハマド・モクベル氏だ。
【コメント】
このニュースは驚いた。大統領と外相を同時に失う事態になると中東の大国イランへの動揺は大きい。反イスラエル運動の支援者としてのイランの政策へはどのような影響が出るのだろうか。しばらくは動きが沈静化すると見るが、その先はわからない。

2.ロシアがハリコフに近づく
【記事要旨】
ロシア軍はウクライナ第二の都市ハリコフ郊外に接近しており、間もなく砲撃の射程内に入る可能性があり、ロシア政府が住宅街を攻撃し、そこにある発電所を標的にすることが可能になる。
専門家らは、ロシアがウクライナ軍がロシアの町や都市を大砲で狙うのを防ぐための緩衝地帯を設けようとしている可能性もある、としている。 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、それが攻撃の目的であり、ロシア軍が都市自体を占領する計画はないと述べた。 軍事専門家も、ロシアにはそのような作戦を遂行するための兵力が不足していると述べている。
しかし、ロシアがハリコフ地域への侵攻を強める中、過剰に拡張された軍事力で600マイルを超える前線を守るウクライナには、展開できる予備兵力がほとんどない。 土曜日、ボランティアへの奨励金と徴兵を回避しようとする者への新たな罰則を含む動員法が施行された。 そして今回、ウクライナは一部の受刑者の兵役も認めることになった。
士気の高揚:昨日、誰もが認める世界ヘビー級チャンピオンになったボクサー、オレクサンドル・ウシクを中心にウクライナ国民が結集した。
【コメント】
ウクライナは本当に苦境だ。特に防空システムが不足しているようだが、ロシアが至近距離に近付くと、ミサイルやドローンでなく、普通の大砲での砲撃が可能になり、ウクライナの防御能力は削がれる。

3.イスラエルの高官がネタニヤフ首相に異議を唱える
【記事要旨】
イスラエル国防大臣のヨアヴ・ギャラント氏と中道派の元軍司令官ベニー・ガンツ氏は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、ガザに対する決定的な戦略を立てるよう要求した。 ガンツ氏は土曜日に最後通牒を突き付け、ネタニヤフ首相の計画がなければ同氏の党は6月8日までに政権を離脱すると述べた。
現在、ネタニヤフ首相の緊急戦時内閣は、イスラエルの攻撃にちての同首相の説明がたどたどしいと敵対者がみなしていることから、崩壊の瀬戸際にある。 しかしアナリストらは、たとえガンツ氏の政党がいなくてもネタニヤフ氏の連立政権は依然として過半数を握るだろう、と述べた。
人質:ガザでは、イスラエル軍が10月7日の攻撃でハマスが捕らえた捕虜3人の遺体を収容した。
ガザ: 戦時中の、救援物資を含む生存物資の市場が出現した。
【コメント】
最後の文章が、日本の戦後の闇市の成立を思い起こさせる。

国際報道:
コンゴ:
軍はクーデターを阻止したと述べ、米国大使は米国人がこの作戦に参加した可能性を「非常に懸念している」と述べた。
ジョージア:
大統領は外国の影響による分裂を招く法案に拒否権を発動したが、議会は拒否権を無効にする可能性が高い。
ニジェール:
すべての米軍が9月15日までに西アフリカの国を撤退すると両政府が発表した。
スロバキア:
ロベルト・フィコ首相の容体は改善しつつある。 暗殺未遂の容疑者は、エロティックな詩を書いた「奇妙で怒っている」孤独者と呼ばれていた。
中国:
習近平はロシアのウラジーミル・プーチン大統領を北京に温かく歓迎し、西側諸国に反抗する団結の姿勢を示した。
宇宙:
米国は、中国とロシアの進歩に対抗して、宇宙で戦争を遂行する能力を拡大している。
米国:
暴力の脅威の増大により、政治家の仕事のやり方が変化しつつある。
ニューカレドニア:
フランスの統治に対する抗議活動が沸騰し、内戦が再発するのではないかとの懸念が高まった。
ネパール:
救助隊は、雪崩で死亡してから7か月以上経って、シシャパンマ山から米国人登山者とそのガイドの遺体を回収した。
メキシコシティ:
都市のスプロール化が抑制されておらず、インフラが整備されていないため、給水に負担がかかっている。 この夏、1 つの重要なシステムが機能しなくなる可能性がある
フランス:
この国は、オリンピックに先立って、擦って嗅ぐだけのバゲット切手を発行した。

(台湾についての報道は無かった。明日のトップニュースかもしれない)

2024年5月20日 月曜日

価格上昇の実態(身近な事例から)

 先日、2024年1-3月期のGDPが0.4%(年率2.0%)減少と言う報道があった。消費は0.7%(年率2.8%)の減少で、GDP減少の大きな要因になっている。

 物価上昇に対して所得の伸びが追い付かない状況が、消費の落ち込みの理由と考えられる。今日、家の近くの100均に行って、物価の上昇を実感したのでご紹介したい。

 いつも100均で買うのは、B5版のノートと、A4のプリンター用紙だ。B5版のノートは、
  1年前は 30ページ3冊で 100円だった。
  半年前は 30ページ2冊で 100円になった。
  今日は  50ページ1冊で 100円だった。
  一年で1ページ当たり単価は2.2倍になった。

  A4プリンター用紙は、
  1年前は 100枚  100円
  半年前は 70枚  100円
  今日は  60枚  100円だった。
  一年で1枚当たり単価は66%の上昇だ。

 もう一つ、くるぶしまでの綿のソックスを買った。
POLOのマークに似た刺繡があり愛用しているのだ。
 これは以前と変わらず1足100円だった。

 ノートやプリンター用紙はすっかり100均で買う習慣が付いており、近所に文房具店も無くなり、多くに人もそうなので、値段が大幅に上がったのだろう。  一方、衣料品やスーパーでも安く売っているので靴下は値上がりしないのだろうか。

 身近な買い物で物価上昇を実感し、それが、消費をセーブさせる効果があるという思いをあらたにした。

2024年5月19日 日曜日

転職希望者1000万人時代(日経・リクルートの記事より)

【労働市場全般】
総務省が発表した「労働力調査2023年平均結果」によると、正規職員・従業員数は3606万人(前年比18万人増)で9年連続の増加、非正規も2124万人(同23万人増)で2年連続の増加となった。失業者数は前年と同じ198万人だが、失業期間が1年以上の失業者数は59万人(同7万人減)で、コロナ明けの経済回復で人手不足が顕在化している。
【転職市場】
転職者数は328万人(同25万人増)と2年連続の増加。転職希望者数も1007万人(同39万人増)と7年連続の増加で、1000万人台を超えた。転職者は男性が151万人(同12万人増)、女性が177万人(同14万人増)で、女性の方が多い。
非労働力人口(15歳以上で就業者と完全失業者以外の合計)4061万人のうち、潜在労働力人口は36万人(同1万人増)。この結果、未活用労働指標は6.1%(同0.1ポイント減)で3年連続で低下しています。(未活用労働指標は労働力人口と潜在労働力を分母に、失業者、追加就労希望者、潜在労働力人口を分子にした比率で、労働市場で十分に活用されていない層を幅広くとらえた指標)。
転職市場を賃金でみてみると、23年の正社員の転職率は7.5%(前年比0.1ポイント減)と3年連続で7.5%前後の高い水準。うち47.6%が30~50代のミドル世代の男性だった。転職後に年収の上がった人は39.1%(同0.4ポイント減)で、平均では転職前の472.5万円から489.6万円に17.1万円(3.6%)上昇。
リスキリング(学び直し)経験のある人は559.3万円(同25.1万円増)、経験のない人は419.5万円(同8.1万円増)となり、年収に100万円以上の開きがでた。
【転職理由】
7割の企業で残業対策を実施しているが、残業時間の減少幅は0.3時間程度にとどまり、若手社員の6割が残業の多さで転職を検討している。残業対策を実施している企業は70.2%にのぼり、業種では「2024年問題」を抱える「運輸・物流」が最多の78.8%。
社員側に残業時間の削減について聞いたところ、「変わらない」が68.6%で最も多く、「減った」は18.7%程度。また、減った場合でも、昨年4月以前の月平均が14.8時間だったのに対して、4月以降は14.5時間とわずか0.3時間にとどまっている。また、「隠れ残業」の経験者は26.3%あり、理由は「労働時間と業務量が合っていない」「職場の文化として定着」「隠れ残業を評価する風潮」など、問題の根深さをうかがわせる。
残業が多いと転職を考えるかどうか聞いたところ、「考える」が18.9%、「やや考える」が36.6%で計55.5%にのぼり、中でも30代が65.0%、20代が62.0%と顕著な高さ。ワークライフバランスや自身の健康などに敏感な若者層の意識を浮き彫りにしている。
【コメント】
毎年正規雇用の1割以上が転職する状況だ。つまらない仕事を長時間させると、3年で3割以上が離職する。
働き甲斐を感じ、自律的に動いてくれる社員をどのように採用し、教育し、維持するかは企業経営の永遠の課題だ。

2024年5月18日 土曜日

世界の動き 2024年5月17日 金曜日

今日の言葉:
「中華思想」
中露首脳会談が行われた。ロイターの報道が詳しい。
「 中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は16日、北京で会談し、両国への圧力を強める米国を非難し、防衛・軍事関係をさらに深化させる「新時代」を築くことで合意した。
習氏は、中国はロシアの良き隣人、友人、相互信頼のパートナーであり続けると表明。現在の中ロ関係は容易に実現したものではなく、双方が大切にすべきだと述べた。
5期目の大統領就任後、初の外遊となったプーチン氏は、「われわれは国際法に基づく、多極化した現実を反映した、正義と民主的な世界秩序の原則を守っている」と述べ、中ロの協力関係は特定の国に対するものではなく、世界を安定させる要素だとの認識を示した。」
習近平は、ロシアとの関係は同盟ではないとも述べている。
今や中国は米国と並ぶ「極」であり、自らが誰かと同盟を組む必要性は感じないということではないかと思う。周辺国が朝貢する「中華」が実現しつつあると感じる。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.NATOはウクライナに軍事訓練官を派遣を検討
【記事要旨】
NATO同盟国はウクライナへの軍事訓練員派遣に少しずつ近づいている。 この動きは米国と欧州をより直接的にロシアとの戦争に引き込む可能性がある。
ウクライナ当局者は米国とNATOの当局に対し、より迅速な配備に向けて前線近くで15万人の新兵の訓練を支援するよう要請した。 これまでのところ、米国はウクライナに米軍を駐留させないと断固としており、NATO同盟国にもそうしないよう求めている。
しかし昨日、統合参謀本部議長チャールズ・ブラウン大将は、NATOの訓練員派遣は避けられず、 「時間をかけて、最終的にはそこに到達するだろう」と同氏は記者団に語った。
同将軍は、今のところ、そのような措置はNATOの訓練員を危険にさらすことになり、戦場近くのウクライナの重要なインフラではなく、訓練員を守るために貴重な防空システムを使用するかどうかの決定を意味する可能性が高いと述べた。 訓練員が攻撃されれば、米国はNATOの義務を履行することを余儀なくされ、戦争に引きずり込まれることになる。
前線:ロシアが特に北東部で攻撃を強化しているため、ウクライナの立場は悪化している。 昨日、ゼレンスキー大統領はハリコフ地方を訪問し、現地の状況は「依然として極めて困難」であるが、 「我々は部隊を強化している」と述べた。
ロシア:戦争への取り組みを強化する中、プーチン大統領は北京での習近平との首脳会談で、ロシアと中国の経済関係の強化を呼びかけた。
英国:モスクワはロシアに駐在する英国武官を追放した。 英国は先週、ロシアの武官を追放した。
【コメント】
NATOの危険な動きだ。訓練員もNATOの兵員であり、彼らが被害を受ければ米国も関与せざるを得なくなる恐れがあり、第三次世界大戦への序曲になりそうな動きだ。

2.トランプ氏の弁護士らマイケル・コーエン氏を非難
【記事要旨】
ドナルド・トランプ元大統領の弁護士であるトッド・ブランシュは、マイケル・コーエンを、元上司に復讐するために宣誓して嘘をついた捏造者として描こうとした。 トランプ氏の弁護団は、トランプ氏に対する34件の重罪の根拠となっているコーエン氏の証言の信頼性を損なわせようとしている。
トランプ氏のかつての弁護士でフィクサーであるコーエン氏も、以前に証言で述べた電話についても尋問されたが、その中には、前大統領との性的会合に関する彼女の説明を隠蔽するためにストーミー・ダニエルズ氏に支払った13万ドルに関するものだと述べたものも含まれていた。 ブランシュ氏は、コーエン氏が何年も前の電話での通話を正確に思い出せるかどうか信じられないと表明した。 コーエン氏は、自分の証言は正確であり、過去6年間話し合っていたため会話の内容は覚えていると主張した。
ブランシュ氏はまた、コーエンの動機が怒りであることを証明しようとした。 同氏はコーエン氏に対し、「私と私の家族にした行為のせいで、この男が落ち込んでいくのを望んでいる」と述べたコーエン氏のクリップを含むトランプ氏の起訴に関する発言について迫った。
次はどうなるか:これまで証言台で冷静さを保ってきたコーエンは月曜日に復帰する予定だ。
【コメント】
トランプの弁護士は陪審員数人にコーエンは信用できないという印象を与えればよい。それに成功しつつあるのかどうか、この報道からはわからない。

3.スロバキアで容疑者が起訴された
【記事要旨】
当局は、水曜日に複数回銃撃されたロバート・フィコ首相暗殺未遂の容疑者を起訴した。 当局者らによると、銃撃犯は先月の大統領選挙後に過激化した「一匹狼」だった。 スロバキアのニュースメディアは、彼を71歳のアマチュア詩人と表現した。
首相の容体は5時間の手術後に安定したが、副首相は「命の危険を脱したわけではない」と警告した。 同氏は、フィコ氏の回復は「困難」に直面していると述べた。
政治:スロバキアは、右翼国家主義と反移民政策を支持するフィコ支持者と、民主主義を破壊していると主張する反対派の間で大きく分裂している。 批評家らは同氏が国を抑圧的な共産主義の過去に戻そうとしていると非難している。
【コメント】
映像を見ると5発の銃声がはっきり聞こえる。これを生き残ったとすればフィコ首相は強運の持ち主だ。欧州全体でテロの高まりを懸念する。

その他の主要記事:
ガザ:
イスラエル国防大臣は、地上侵攻に対する国際的な懸念にもかかわらず、イスラエル軍はガザ南部のラファにさらに兵力を派遣すると述べた。
セルビア:
政府は高級ホテル建設に関するジャレッド・クシュナー氏との契約を承認したが、野党指導者からの批判を招いた。
Mpox:
以前はサル痘と呼ばれていた感染症のより致死性の高いバージョンが、コンゴ民主共和国、で猛威を振るっているとCDCが警告した。
オランダ:
右翼政党4社は、ヘルト・ウィルダース氏を首相就任から排除する政権樹立で暫定合意に達したと発表した。
TikTok:
ハイテク企業のデータ利用方法を批判している億万長者のフランク・マッコート氏が、このアプリの買収に名乗りを上げた。
ボストン:
女性が、ボーイフレンドである警察官を殺害した容疑で起訴された。 街は裁判に釘付けになっている。

2024年5月17日 金曜日

世界の動き 2024年5月16日 木曜日

今日の言葉
「米国ダウ40000ドルに近づく」
 2つの要因が指摘される。
 その1
 4月の米CPIは変動の大きい食品とエネルギーを除くコアベースで前月比0.3%上昇(予想は0.4%上昇)と、6カ月ぶりに鈍化。3カ月移動平均は年率4.1%上昇と、年初来で最も低い伸びとなっている。
 その2
 4月の米小売売上高は前月比で横ばい。その前の2カ月は伸び率が下方修正され、消費者が慎重姿勢を強めていることが示唆される。自動車とガソリンを除いたベースの小売売上高は前月比0.1%減。米経済を支えてきた底堅い消費者需要が軟化しつつあることを示唆している。
 これら2つの要因で、7月のFOMCでの金利引下げ観測が出ており、米国主要株に好影響が出ている。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.銃撃でスロバキア首相が生命の危機
【記事要旨】
 昨日、スロバキアのロバート・フィコ首相が5発の銃撃を受け重傷を負った。 当局者らは、この攻撃は暗殺未遂とみられ、政治的動機があったと述べた。 警察は容疑者が拘束されたと発表した。
 内務大臣は、フィコさんは銃撃から数時間後も手術を受けており、依然として重篤な状態にあると述べた。
 現場からのビデオには、ハンドロヴァの町の中心部にあるバニコフ広場でガンマンがフィコを銃撃する様子が映っていた。 犯人は他の人々とともに柵の後ろに立っているのが見られ、その後、挨拶に来たフィコを至近距離から銃撃した。
 ロバート・フィコとは誰か? 59歳の政治家は3期目を務めている。 同氏は、ウクライナ支援に反対するハンガリーのヴィクトル・オルバン首相と連携しており、ロシアの指導者ウラジーミル・プーチン氏と強い結びつきを持っている。
【コメント】
 他国の首相が銃撃されたと聞くと、先進国とも思えない印象を受ける。安倍首相が銃撃されたときはそうも思わなかった。状況への理解の差が印象の差をもたらすのだろうか。
 犯人の意図はわからないが、何を狙ったのだろうか。

2.中国はフィリピン漁船と対峙するため数十隻の船を派遣
【記事要旨】
 中国は、南シナ海の係争中の環礁であるスカボロー礁に向けて数十隻の沿岸警備隊と海上民兵の船を派遣し、約100隻のフィリピンの小型漁船からなる船団を阻止している。 中国政府が国境から遠く離れた地域の支配権を主張しようとする中、こうした対立は日常茶飯事となり、エスカレートしている。
 「今回我々が見ているのは、間違いなく別次元のものだと言える」と海を監視する団体シーライトのディレクターは語った。 同氏は中国の対応を「圧倒的な武力」の誇示と呼んだ。
 背景:漁船団を組織するフィリピン人団体は、スカボロー礁に対するフィリピンの領有権を主張したいと述べた。 中国政府が黄岩島と呼ぶこの浅瀬は、2012年から中国の管理下にある。フィリピン漁師は長年そこで働いていたが、それ以来立ち入りは制限され散発的になっている。
【コメント】
 腰の据わらない我が国の対応とは違い、フィリピンは決然とした対応をしている。

3.ウクライナにおけるロシアの勢いに米国は懸念
【記事要旨】
 ホワイトハウスは、ウクライナ北東部でロシアの新たな攻勢が加速するのを注視している。 米国当局者らは、これが戦争の軌道を変え、おそらくはかつては暗いロシアの見通しを逆転させる可能性があることを非公式に懸念している。
 モスクワの電子戦技術は、遅れて戦場に登場したが、米国とNATOが提供する大砲や無人機を撃破した。 そして米国の援助の遅れにより、ロシアは砲兵で大きな優位性を得ることができた。 ウクライナの防空弾薬の不足は、ロシアが制限されずに空軍力を使用できることを意味した。
 分析: 一部の専門家は、ハリコフ周辺の領土を占領するモスクワの真の目的は、ウクライナに都市の強化を強制し、他の地域の前線を弱体化させることであると言う。 ウクライナ軍の勢力が薄くなったことで、ロシアは6月にさらなる攻撃のチャンスを得る可能性がある。
【コメント】
 深刻な事態だ。戦争の勝敗は軍事力によるもので、正義によるものではない。

ガザでの戦闘:
ラファ:
 イスラエルは多くのパレスチナ人を「人道地帯」に誘導した。 衛星画像には、攻撃で被害を受け、医療が不足している過密地域が示されている。
武器:
 バイデン政権は議会に対し、イスラエルに10億ドル以上の新型武器を売却するつもりだと述べた。
軍事:
 イスラエル軍の指導者らは、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が戦後ガザを統治する計画をまだ策定していないことに不満を抱いている。

国際報道:
シンガポール:
 リー・シェンロン首相が20年ぶりに辞任した。 彼は繁栄に導いたが不満の高まりも観てきた。
(NHKニュースより引用
 「シンガポールで15日、およそ20年にわたって首相を務めてきたリー・シェンロン氏が退任し、後継のローレンス・ウォン氏が新たな首相に就任しました。米中対立や少子高齢化への対応など課題も山積する中、その手腕が問われることになります。
 新しい首相に就任したローレンス・ウォン氏は15日夜行われた就任式で「私たちのリーダーシップのスタイルはこれまでの世代と違うものになる」と述べて世代交代を強調しました。
 そして、米中対立や少子高齢化など外交や内政の課題を挙げたうえで「共にシンガポールを前に進めよう」と述べ、結束を呼びかけました。
 ウォン新首相は中産階級の家庭で育った官僚出身の51歳。)
香港:
 YouTubeは裁判所命令に従い、抗議賛歌「香港に栄光を」への香港ユーザーのアクセスをブロックすると発表した。
ニューカレドニア:
 死者を出した暴動の勃発を受け、フランスは長年独立を目指してきた南太平洋地域で非常事態宣言の発動に動いた。
米国選挙:
 バイデン大統領とドナルド・トランプ大統領は6月と9月に討論会を行うことで合意しており、両者が壇上で衝突するのは3年ぶり以上となる。
シャチ:
 ジブラルタル海峡近くでクジラが別の船を沈めた。

その他:
 小林圭:パリでミシュラン三ツ星を獲得した初の日本人シェフ。 今、彼は帝国を築くために日本に戻ってきた。
(リッツカールトンのレストランを監修したり、虎屋と組んで御殿場でレストランを開いたりしているようだ。)
 墓碑銘: 自国の貧困を軽減するために戦ったスリランカ人のA.T.アリヤラトネさんが92歳で死去した。

2024年5月16日 木曜日