世界の動き 2024年9月17日 火曜日

今日の言葉
「FOMC」
 9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月17~18日に予定されている。パウエル議長の8月のジャクソンホールでの発言から、9月のFOMCで4年半ぶりとなる利下げが確実視されるている。
 市場は既に0.25%の引き下げは織り込み済みで、0.25%の利下げだと市場に影響を与えないと思われる。0.50%の引き下げだと、米国景気の停滞感が注目され、株はむしろ下がるかもしれない。
 今回の引き下げ幅に加え、FOMC参加者が適切と考える政策金利の見通し(ドットチャート)にも注目だ。
 今朝のTV番組で有名なコメンテーターはPlantirとPfizerを一押ししていた。IT/AI業界、製薬業界からのベストピックだと言うのだが、どうだろうか。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.トランプ大統領暗殺未遂容疑で容疑者が起訴
【記事要旨】
 ドナルド・トランプ大統領暗殺を計画していたとみられる男が昨日フロリダで銃器2件の罪で起訴された。捜査官によると、ライアン・ウェズリー・ラウス容疑者はトランプ氏のゴルフコース近くで約12時間待ち、シークレット・サービスの捜査官が彼を見つけて発砲した。
 トランプ氏は数百ヤード離れたところにいたが、負傷はなかった。シークレット・サービスのロナルド・ロウ代理長官は記者会見で、58歳のラウス容疑者はトランプ氏を視界に捉えておらず、日曜日のシークレット・サービスとの衝突中に半自動小銃を発砲しなかったと述べた。ラウス容疑者は現場から逃走し、後に逮捕された。
 銃撃犯が2か月間で2度もトランプ大統領に接近できたという事実は、シークレット・サービスに対する疑問を提起した。バイデン大統領は記者団に対し、シークレット・サービスは「さらなる支援が必要」であり、議会が行動を起こすべきだと語った。
 ニューヨーク・タイムズのウクライナ特派員は、ウクライナで戦うアメリカ人ボランティアに関する2023年の記事のためにラウスにインタビューした。ラウスはウクライナでしばらく過ごし、タリバンから逃げてきたアフガニスタン兵士の中から新兵を探していたと書いている。
 この銃撃事件は、トランプによって煽られ、トランプに反対する怒りがいかにアメリカの政治を形作ってきたかを浮き彫りにしたとみる同僚もいる。
 米国選挙についてさらに詳しく
 イーロン・マスク氏はソーシャルメディアに、バイデン氏やカマラ・ハリス副大統領を殺そうとする人が誰もいないのはおかしいと示唆する投稿を投稿し、その後削除した。
 大統領選討論会以降に行われた最初の数回の世論調査では、ハリス氏が優勢になる可能性があることが示唆されている。
 ハリス氏が候補者リストのトップに立ち、上院議席が2つ空いているため、民主党は初めて2人の黒人女性を上院に送り込めることを期待している。
【コメント】
 銃声は容疑者がトランプに向けて発射したものでは無かったのか。犯行の意図が徐々にわかってくるだろうが、現状は、なぞだ。

2.タイタン号に何が起きたのか?
【記事要旨】
 米国沿岸警備隊は昨日、昨年タイタン号潜水艇が沈没船タイタニック号を視察した際に何が起きたのかをめぐり、2週間にわたる聴聞会を開始した。証言によると、爆発して乗員5人全員が死亡した潜水艇は、機器の問題に悩まされていた。
 タイタン号を運航していたオーシャンゲート社のエンジニアリングディレクター、トニー・ニッセン氏は、深海探査の承認を拒否したため、2019年に解雇された。ニッセン氏は証言の中で、タイタン号の船体は安全ではないと判断したが、オーシャンゲート社は問題について嘘をつき、そのミッションのキャンセルは支援船の問題のせいにしたと述べた。
 最後の数時間:船からの最後の通信の記録によると、乗組員は惨事の直前に航海を中止して浮上しようとした可能性がある。乗組員は最後のメッセージで、タイタン号が降下を助けていた重りのうち2つを落としたことを支援船に伝えた。
【コメント】
 タイタンは2023年6月18日の潜航中に遭難。 大規模な捜索が行われたが、4日後に水深3800メートルの海底で破片となって発見された。 ツアー運営会社の最高経営責任者(CEO)ら乗っていた5人全員は、水圧によって内側に押しつぶされ死亡したとみられている。

3.中国による外国への干渉事件が増加中
【記事要旨】
 ニューヨーク州知事室の元上級補佐官が今月、中国政府に利益をもたらすために地位を利用したとして告発された。
 オーストラリア、英国、カナダ、フランス、ニュージーランド、オランダでも、中国の政治介入の疑いのある同様の事件が最近浮上している。
 中国は権力の座に潜入するため、または中国の反体制派や北京批判者を黙らせるために、中国系移民を募集していると述べている。タイムズの同僚が秘密工作を詳しく調査した。
【コメント】
 BBCの記事より。
『2024年6月11日
ゴードン・コレーラ BBC安全保障担当編集委員
 西側のスパイ機関はもう何年も前から、主要な活動対象を切り替えて、中国に注力する必要があると繰り返している。イギリスの情報機関、政府通信本部(GCHQ)のトップは、これこそ「時代を決定する課題」だと主張した。
 これに先立ち西側では、国のためにスパイ行為やハッキングを行なったことを理由にした逮捕が相次いだ。そして5月半ばにはロンドン警視庁が、香港の諜報機関に協力した疑いで3人を訴追し、これを受けてイギリス外務省は今月10日、中国大使を呼び出した。
 つまり、西側と中国の間で通常は水面下で続く権力や影響力をめぐるせめぎあいが、表に噴出してしまったのだ。
 西側諸国、つまりアメリカと同盟各国は、中国のスパイ活動になんとしても対抗するつもりでいる。しかし各国の政府高官は、中国の挑戦に対する西側の認識が真剣さに欠けており、諜報活動で西側は中国に後れをとっていると懸念している。その結果、中国のスパイ活動に対して西側は脆弱(ぜいじゃく)になってしまい、西側と中国の双方でいつ、破局につながる誤算が起きてもおかしくないというのだ。』
 中国対策が後手に回っているという警鐘だ。

その他の記事
ヨーロッパ:
 中央ヨーロッパの洪水で少なくとも17人が死亡した。大雨は続いており、当局は今後さらに被害が拡大する恐れがあると懸念している。
TikTok:
 中国所有の同アプリの弁護士は、1月中旬に発効予定の禁止措置に反対して米国の裁判所で厳しい尋問を受けた。
中国:
 中国で20年近く投獄されていた牧師が突然釈放され、米国に帰国した。

ビジネス
テクノロジー:
 中国が技術的に米国を追い抜くかどうかは、アジア唯一の先進チップメーカーである SMIC にかかっている。
AI:
 影響力のある科学者グループが、人工知能を監督する国際機関の設立を呼びかけた。

エミー賞
 「将軍」は多くの賞を受賞しました。本当にそんなに良い作品なのでしょうか?
 FX の封建時代の日本を描いた大予算の叙事詩「将軍」は、日曜日に最優秀ドラマ賞を含む 18 のエミー賞を記録。これは 1 年間で番組が受賞した賞の最多記録であり、外国語のシリーズとしては大きな躍進です。
 「将軍」は、1975 年の同名小説を感情的かつ文化的に深みのあるものに発展させたものです。主演俳優の演技は、ドラマ部門で最優秀男優賞と最優秀女優賞 (真田広之と沢井杏奈) を獲得しました。敵の侍と忍者の暗殺者を巻き込んだ手に汗握るアクションや禁断の恋愛を描いた「将軍」は、次に一気見する価値があります。

2024年9月17日 火曜日

世界の動き 2024年9月16日 月曜日

今日の言葉
「敬老の日」
65歳以上の高齢者が人口の3割。80歳以上が1割に達するとのことだ。
医療費、年金、労働人口、日本を巡る大きな問題は、老齢化問題を避けて通れない。自民党の総裁選候補者からは、こうした点に関する政策が聞かれない。
敬老と言う言葉がさび付いている。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.偽りの話がいかにしてトランプ陣営の中心となったか
【記事要旨】
先週の討論会でドナルド・トランプがオハイオ州スプリングフィールドのハイチ移民がペットを食べているという虚偽の主張をした後、この町は不安なままである。この週末、町の病院2つが封鎖され、今週初めには爆破予告により学校、企業、市役所が閉鎖された。
昨日、トランプの副大統領候補であるJD・ヴァンスは、虚偽の主張を堅持し、「アメリカのメディアが実際に注目するようにストーリーを作り上げることもいとわない」と述べた。
トランプや他の政治家、一部の過激派組織からの言葉は、スプリングフィールドに定住した数千人のハイチ人の一部を動揺させている。中には大都市への移住を検討している者もいる。
しかし、トランプ氏の反移民論の中心となっている町がもうひとつある。コロラド州オーロラだ。この町は暴力的なベネズエラのストリートギャングに占拠されたという市長の虚偽の主張は、右派メディアとトランプ陣営の焦点となった。現在、市長は、トランプ氏の発言が地域社会の恐怖をかき立てているため、被害を回復しようとしていると述べている。
私たちは読者に選挙について知りたいことを尋ね、その質問を記者に投げかけている。
質問:選挙運動に何百万ドルもの資金が費やされることは、手に負えなくなっているのか?  法律で制限すべきなのか? — アンソニー・ローズ、イギリス、ドーバー
回答:米国の選挙運動に投じられる資金は年々増加し続けており、終わりは見えない。興味深いのは、その支出が巨額の寄付者と大量の小口寄付者の両方によって推進されていることだ。たとえば、カマラ・ハリス副大統領が大統領候補になった最初の3日間で、主に小口寄付者がオンライン寄付ポータルActBlueを通じて民主党の活動と候補者に1億7,300万ドルを寄付した。
憲法改正をしない限り、この政治資金と政治支出の急増を抑制する可能性はほとんどない。最高裁判所は、金銭は言論の自由に相当するものであり保護されなければならないと広く判断し、議会が以前に設けていた制限を弱めてきた。
大統領選挙に関するニュース
・フロリダ州ウェストパームビーチで「自宅近く」で銃撃があったが、トランプ前大統領は無傷だったと同陣営は発表した。当局は銃撃の意図は不明だとしている。
・ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は土曜日のイベントでトランプ支持者に対し、20年前のクジラの死骸の取り扱いについて捜査を受けていると語った。
・多くの若い女性にとって、トランプ政権の時代は政治を左寄りに傾けたと新たな分析が示している。
【コメント】
トランプへの銃撃未遂か?犯人は捕まったそうだから続報を待ちたい。

2.イスラエル軍の攻撃で人質3人が死亡
【記事要旨】
イスラエル軍は昨日、11月にハマスの上級司令官を狙ったイスラエルの空爆により人質3人が死亡した可能性が高いと発表した。軍は、12月に人質の遺体が発見された場所、諜報資料、分析に基づいて調査を行ったが、死因を決定的に特定することはできないと述べた。
イスラエルでは最近、ネタニヤフ首相の戦争中の行動に対する怒りが高まっており、ハマスが生き延びることになっても、残りの人質の解放を優先する停戦協定を求める声が多く上がっている。先月、兵士らがガザで人質6人の遺体を発見し、テルアビブなどの都市で大規模な抗議活動が起きた。12月には、イスラエル軍が誤って人質3人を射殺したというニュースが報じられ、憤慨の声が上がった。
【コメント】
昨年11月の事件の詳細をイスラエル軍が今頃発表するのはどんな意図があるのだろか。軍もネタニヤフに反旗を翻しつつあるのかも知れない。

3.中国の養子縁組制度の遺産をめぐり、家族は引き裂かれている
【記事要旨】
中国は今月、ほぼすべての外国人養子縁組を停止し、数世代にわたり米国人家族を形成してきた制度を終わらせると発表した。1992年に制度が始まって以来、8万2000人以上の中国人の子供が米国に養子縁組されてきた。
養子縁組した家族の中には、この制度が多くの中国人家族に1人しか子供を持てないという厳しい政策の副産物であると認識し、制度の終了を喜ぶ家族もいる。ほとんどの家族が養子縁組の経験を大切にしているが、虐待や、子供を実の親や文化から引き離すことで生じたトラウマを認識している家族も多くいる。
【コメント】
米国では中国からの養子縁組の希望が多かったそうだが何故なのだろうか。米国に住んでいたころは、ごく普通の家庭が養子を育てているのを見てお驚いたことがある。米国の受け入れる文化に、中国のニーズがマッチしていたのだろうが、それに転機が来たということだろう。

その他のニュース
イラン:
ハマスとフーシ派はイラクに事務所を開設し、イラン政府は地域ブロックの構築を目指している。
中国:
同国の沿岸警備隊は南シナ海を支配しようとフィリピンの船を損傷し、隊員を負傷させた。
健康:
WHOがMPOXワクチンを承認し、アフリカでの使用への道が開かれた。

2024年9月16日 月曜日

より本質的な課題の解決には?

 自民党の総裁選報道が過熱している。

 政策論でメディアが取り上げているのが、選択的夫婦別姓制の是非、マイナ保険証の扱い、ライドシェアの是非等だ。いずれも些末な問題だ。

 日本の直面する老齢化、労働人口の減少に対する技術ての対応や、新技術を核とする国造りの観点での議論は殆ど無い。G7で最低に沈んでいる一人当たり国民所得の改善をどのように実現してゆくのだろうか。

 中国や米国(州によるが)ではすでに無人のタクシーが商用運転を行っている。日本はEVだけでなく無人運転でも世界から2周遅れの印象を受ける。大都市近郊でも運転手不足からバスが大幅減便になり老齢者の足を奪っている。ライドシェアもタクシー会社の反対で遅々として進まない。

 選択的夫婦別姓に関しては、どうでもよい議論に思える。「日本の麗しい伝統」を破壊するので反対という論は理解できないし、法制化してまでやるような問題かとも思う。この位しか対立軸がないのでメディアも敢えて取り上げているようだ。

 私の予想では、小泉進次郎が選出され、彼は公約通りすぐに解散して総選挙実施。自民党は議席の減少を最小限に食い止め、裏金議員の殆どは禊を済ませたことを喜ぶ。心地よいぬるま湯が継続する。良かったですな、ご同輩。

2024年9月15日

世界の動き 2024年9月13日 金曜日

今日の言葉
「ポートフォリオの入れ替え」
 ウォーレン・バフェット(BerkshireHertherway)の投資動向(何を売った、何を買った)は広く報道されている。
 昨日は、BOAとAppleの持ち株を大きく減らしているという報道があった。株の売買の理由は、1.業界をどう見るか 2.業界内でその企業をどう見るか 3.その企業の短期的な動向がどうか という3つの要因に依存する。
 バフェットは長期の投資家だから3で動くことは少ない。銀行業界とIT業界への関心があり(1)、業界内で抜きんでた企業だから(2)BOAとAppleを長期保有していたはずだ。今回の動き、業界内での選定を誤ったことの証明だ。BOAは良い銀行ではあるが、JPMoruganChaseが業績・株価ともにBOAを圧倒している。AppleもAIでは大きく出遅れている印象だ。この後何をするかに注目だ。こう書いている間に、バフェットの右腕がBerkshire 株の自分の持ち分を売却しているというニュースが出てきた。ちょっと具合の悪いニュースだ。

 

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事より
1.米国はウクライナがロシアに向けて長距離兵器を発射するのを許可する構え
【記事要旨】
 バイデン大統領は、米国が提供した武器を使用しないという条件で、ロシア領土の深部に向けてウクライナが西側諸国の長距離兵器を使用することを承認する寸前だったと、欧州当局者は述べた。
 バイデン大統領は本日、ワシントンで英国の新首相キール・スターマー氏と会談し、この問題について話し合う予定だ。英国は、ウクライナに自国の長距離ミサイルの許可を与えたい意向を示しているが、フランスと米国との統一戦略を示すためにホワイトハウスの承認を求めていた。
 バイデン大統領が承認すれば、この動きはウクライナがロシア領土を奪取した後も防衛線を維持するのに役立つ可能性がある。
 クレムリンの反応:ウラジミール・プーチン大統領は昨日、ロシアは西側の動きに対して「適切な決定を下す」と警告した。「これはNATO諸国、つまり米国と欧州諸国がロシアと戦争状態にあることを意味する」と同大統領は述べた。
 背景: ウクライナ政府は数ヶ月にわたり、より多くのロシア軍施設を標的とするためには長距離兵器が必要だと主張してきた。バイデン政権はこれまで、ロシアが中東の米軍を標的とするイランを支援することで報復する可能性があるという米国諜報機関の警告を受けて、モスクワを刺激することを警戒し、躊躇してきた。
 現地の状況: ウクライナ東部の最前線の救援物資配給施設が砲撃を受け、赤十字の職員3人が死亡、2人が負傷した。
【コメント】
 これまで抑制してきた米国の動きに注目だ。ロシアは既に無差別にウクライナを攻撃しているので、ウクライナにロシア奥地の目標への武器使用を許さないという米国の制限は解除されるべきだと思うが、ぐずぐずしてきた間にロシアに勝手にレッドラインを設定されてしまった。

2.ハリス氏が討論会で勝利したにもかかわらず、選挙戦は依然として非常に接戦
【記事要旨】
 カマラ・ハリス副大統領の討論会での好成績により、彼女の選挙運動は政治的に盛り上がっている。しかし、世論調査では、ドナルド・トランプ氏が依然として共和党の強い支持を得ており、激戦州の調査では、非常に接戦になると予想されている。
「これは激戦州でのわずかな差を競うゲームだ」と、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は述べた。
 ハリス氏の側近は、選挙戦をトランプ氏の適格性に焦点を絞ることに新たな希望を抱いている。
 米国選挙についてさらに詳しく
 トランプ氏は、ハリス氏と再び討論会を行うつもりはないと述べた。
 ハリス氏は討論会後の最初の24時間で4,700万ドルを集めた。
 下院共和党は、中国を標的とする一連の法案を可決した。彼らは、自分たちこそが北京に対して強硬な姿勢を取る政党だと米国民に伝えようとしている。議会選挙では、民主党は自らを「普通のチーム」、共和党を「変人」として揶揄している。
【コメント】
 トランプは「1対3(ハリス+司会者2名)の討論会で抜群のパフォーマンスを示した」と自身を評価したそうだ。何事も自分に有利に表現できる能力には感心する。

3.億万長者の宇宙滞在
【記事要旨】
昨日、民間宇宙飛行士2人が史上初の商業宇宙遊泳を終えた。このミッションは、億万長者の起業家ジャレッド・アイザックマンがイーロン・マスクのロケット会社スペースXと共同で率いたミッションのうちの1つである。
「故郷では、みんなやるべき仕事が山ほどあるが、ここから見ると、地球は確かに完璧な世界のように見える」とアイザックマンはスペースXのクルードラゴンカプセルのハッチに立って語った。スペースXのエンジニア、サラ・ギリスも同席した。
意味:このミッションの成功は、宇宙旅行がもはや政府で働くプロの宇宙飛行士だけのものではないことを再確認させるものだ。お金があれば、あなたも宇宙に行けるのだ。また、いつか人類を火星に送るというマスクの目標も前進させる。
【コメント】
 立花隆さんの「宇宙からの帰還」には宇宙での神秘的な体験が綴られている。億万長者はどんな感慨を抱いたのであろうか。神の作った完璧な世界で不完全な人間が争い、あくせくうごめいている、という印象だったのかな。

その他の記事
中東:
 米国および他の西側当局者によると、イスラエルは日曜日、シリアでの特殊部隊の襲撃でヒズボラのミサイル製造施設を破壊した。
ユーロ圏:
 インフレが鈍化したため、欧州中央銀行は3か月で2度目の利下げを行った。
外交:
 米国は、国連安全保障理事会へのアフリカ諸国から2か国の常任理事国就任を支持すると述べたが、その約束を実現する道は複雑である。

ビジネス
テクノロジー:
 ChatGPTの親会社であるOpenAIは、1500億ドルの評価額となる資金調達ラウンドに近づいている。
自動車:
 ゼネラルモーターズとヒュンダイは、新しい車両とクリーンエネルギー技術で協力する計画。
暗号通貨:
 米国は、2月にナイジェリアで逮捕され健康状態が悪いバイナンスの従業員を釈放するようナイジェリアに要請している。

2024年9月13日 金曜日

世界の動き 2024年9月12日 木曜日

今日の言葉
「監査役」
 これまで多くの会社の監査役をしてきた。
 この簡に得た教訓は「監査役は自分が考える方向に会社を導くことは出来ないが、会社が望ましくない方向へ動くのに竿を指すことは出来る」と言うものだ。
 取締役会の決裁では監査役は案件への同意、不同意を問われる。監査役が不同意の場合は(建前としては)同意を得られるまで決議を繰り返さなければならない。こうした点で、監査役はとても重要な役割を果たしていることがわかる。監査役会のない一人監査役の場合は、一人に重責がかかるのだ。
 監査等委員も同様だが、委員会の決定になるので一人で会社の決議に影響を与える比重は下がる。監査等委員は、役員の指名には意見をいうことが出来、特に監査等委員の指名には監査等委員会の同意が必要だ。

 どう見ても望ましくない方向に会社が進もうとしている際には、積極的に竿を差すのは、監査役・監査等委員の矜持だ。

 

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.ハリス対トランプの討論会で勝ったのは誰か?
【記事要旨】
 カマラ・ハリス副大統領は、ドナルド・トランプとの火曜日の討論会の大半を、主に前大統領のエゴをうまく狙ってコントロールした。
 しかし、彼女は自身の大統領としての計画を詳しく説明する機会を逃し、トランプの政策について話すときが一番落ち着いているように見えた。討論会の後、まだ決めていないアメリカ人の中には、ハリスの方がトランプよりも大統領らしいが、彼女の税制や経済政策についてもっと詳しく知りたいと言う人もいた。
 分析:両候補者は米国について対照的な見解を示したと、タイムズの同僚は書いている。トランプのアメリカは暗く、略奪する移民でいっぱいだ。ハリスは、トランプ時代から立ち直る準備ができている、疲れているが希望に満ちた国を描写している。
 世界観:どちらの候補者も、ガザでの戦争を終わらせたり停戦を確保したりするための具体的な計画を提示しなかった。トランプは、ウクライナにロシアを倒してもらいたいかどうかの回答を避け、当選したらキエフへの米軍支援を終わらせるのではないかという懸念を深めた。
 記憶に残る瞬間:トランプ氏は移民が猫を食べるという誤りとされた噂を繰り返し、ハリス氏は視聴者に自分が銃を所有していることを思い出させた。
【コメント】
 直後の世論調査だとハリスが勝ったと思う人は67%、トランプが勝ったと思う人が37%だった。この結果が浮動票にどの程度影響を与えるのかは疑問だ。

2.ロシアの着実な前進がウクライナ東部を脅かす
【記事要旨】
 ロシアは戦争初期以来最も速い進撃でプロクロフスクに迫っている。ここを占領すれば、ウクライナの主要補給線が遮断されるだけでなく、ロシア軍はドンバス地方の残りの地域を奪取する立場に立つ。
 ​​ウクライナは先月のクルスク地方への奇襲侵攻でロシア政府がドンバスから軍を転向させることを期待していたが、ロシア軍は東部戦線の大半で着実に前進した。
 背景:ロシアの前進はウクライナにとって困難な課題を突きつけている。先月のある時点では、キエフ軍は1日1マイル以上後退した。昨日の米国務長官アントニー・ブリンケンとの会談で、ウクライナ高官はロシア領土の奥深くを攻撃するために西側諸国の兵器を使用する許可を求める要請を繰り返した。ブリンケン氏はその後、バイデン政権はキエフにさらなる自由を与える可能性を排除していないと述べた。
【コメント】
 ロシア内部・あるいはウクライナ内部で反戦の動きが大きくならないとこの戦争は終わらないだろう。
 強力な情報統制の下、そうした動きは期待薄だ。特にロシアでは。

3.メキシコの有権者はまもなく裁判官を選出できる
【記事要旨】
 メキシコ上院は昨日、同国の司法制度を選挙制に移行する提案を僅差で可決した。この計画では、最高裁判所長官を含む7,000人の裁判官が職を解かれることになり、主要民主主義国で最も重要な司法改革の1つとなる。
 ​​憤慨:この措置は、司法関係者、法律専門家、投資家、裁判官、学生、野党議員、その他の批判者から激しい抵抗を受けている。火曜日には抗議者が建物に押し入ったが、最終的には警察によって解散させられた。
 今後の展開:この法案は州議会に送られ、今後数カ月以内に承認される見込み。有権者は早ければ来年にも連邦、州、地方の裁判官を選出し始めることができる。一部の専門家は、この法案の影響が完全に理解されるまでには何年もかかると述べている。
【コメント】
 この改革は民衆が求めていたものでは無かったのだろうか?ロイターによれば、『改革案について、ロペス・オブラドール大統領とシェインバウム次期大統領は、裁判官の責任追及と汚職撲滅に不可欠と説明しているが、国内で数週間にわたり抗議活動が行われている。また米国とカナダが「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」への悪影響に懸念を示し、市場でも通貨ペソの圧迫要因になっていた。』そうだ。

その他の記事
ベトナム:
 台風ヤギによる死者数は143人に上った。雨が続き、小さな村では土砂崩れが起こり、ハノイでは洪水が続いている。
北朝鮮:
 制裁を無視して、平壌はロシアに最新鋭の短距離弾道ミサイルを供給し続けている。
米国:
 最高裁が積極的差別是正措置を制限したため、ハーバード大学の黒人学生の入学者数は今年減少している。

2024年9月12日 木曜日