WSJを真面目に読む July 20-22, 2012

マレーシアからの投資信託調査チームが帰国。週末からラマダン入り。東京にいるうちにラマダン入りしたら大変だった。興味深いのはラマダンがいつから始まるかは、随分近くになってからしか分からない。6月初めにマレーシア人とラマダン入りがいつかを話したら、7月19日と言っていたのに、今は、21日からだと言っている。宗教の深淵に触れる思いがする。

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【経済】珍しくマレーシアの記事が一面に

Tech investment spills into Malaysia’s Penang

….Then Penang’s true nature reveals itself. Hanger after hanger at the bustling airport is decked out in the liveries of shipping companies DHL International, United Parcel Services and FedEx Corp., each dedicated to flying out boxes fof LED displays, chipsets and other sophisticated electronics.

日本の大震災、タイの洪水の影響があり、マレーシアのペナンがハイテク部品・製品のサプライチェーンのかなめとしてにぎわっているという記事。

hanger: ここでは格納庫の意味。洋服を吊るすハンガーも同じ。飢えはhunger

livery: ここでは機体のカラーリング。よくつかわれるのは制服の意味。

(コメント)

ペナンと言うと、日本では観光地として有名だが、マレーシアを代表する工業地帯でもある。1970年代からタイに先んじて工業化が進んでおり、インフラ面ではタイよりずっと整備が進んでいること。地震や洪水の心配がないこと。人件費は安くはないが、中国の急騰で差が少なくなったこと。政情が安定していること(この記事の中では政権の安定度に若干懸念ありと書かれているが)。等により、マレーシアがここにきて見直されている。

 

【文化】【経済】

Muslim world marks begging of Ramadan

An Indonesian student reads the Quran during an event at the start of Islam’s holy month. Sugar prices jumped ahead of Ramadan as observers often eat sweet treats after fasting all day.

関連記事

Sugar rushes higher on Ramadan, rains

Sugar prices have rallied because buying ahead of Ramadan this year coincided with a disappointing start to Brazil’s harvest.

今週末から約一カ月の断食月(ラマダン)が始まる。イスラム教徒は日の出から日没まで水も飲めないというつらい一カ月だ。日中飲食ができない代わりに、日没後に大食する文化があり、その際甘い物を大いに食べる。そのせいで砂糖の需要が増えている。加えてブラジルでのサトウキビの不作が砂糖の高騰に原因になっている。

(コメント)

 なるほど、ラマダン前は砂糖相場は通常買いなのですね。

 

【企業】

Nokia loses mobile lead amid bad call on phones

Corporate culture lavished funds on R&D but squandered chances to bring innovations to market.

Former Nokia designer Frank Nuovo says Nokia had prototypes that anticipated the iPhone. “I was heartbroken when Apple got the jump on the concept.”

lavish: 気前よく使う、浪費する

squander: 逃す、逸する

2007年に世界の携帯電話市場の42%を押さえトップ企業だったノキアは、2012年第一四半期は21%のシェアにとどまり、14年続いた世界一位の座をサムソンに譲った。以前ノキアのチーフデザイナーだったFrank Nuovo氏によれば、同氏は、iPhoneが発表されるはるか以前から試作品を作っていたという。

(コメント)

ソニーにも同じような話がある。概念が出来る、試作品が出来る、のと、製品化して市場に送り出すのは全く違うレベルのリスクの取り方だと言うことだろう。

GEJack Welchは業界12位に入れない業界では競争しないという至言をはいたが、

GEのように主にBtoBをやっている会社でもそうなのだから、携帯や薄型テレビと言ったBtoCの業界ではなお顕著だと言える。

 日本の家電メーカーはどうしてゆくのか腹の括りどころだ。

 

【市場】

Clampdown in China on corporate sleuthing

Even as the latest doubts over accounting at a Chinese company sent investors fleeing from its shares, investors who specialize in ferreting out dodgy businesses say that a crackdown by Beijing is making their work more difficult and in some cases dangerous.

clampdown: 取り締まり

sleuthing: (犯罪などの)調査

ferret out~: ~を捜しだす

dodgy: 危険な

(コメント)

 最近大きく取り上げられる信用できない海外上場中国企業の会計報告・開示についての記事。中国当局が調査をし始めたので、これまで、中国企業の不正を指摘することで儲けていた会社が、儲かりにくくなってきているようだ。

 

【市場】

Risks rise for Australian banks

Shares in Australia’s major banks are on the tear.

on the tear: ばか騒ぎする

(コメント)

豪州銀行の株価はあがっているが、リスクは増大していると言う記事。そうだよね。住宅市場、失業率等の数字はここにきて悪化している。経済の後退を受けて、豪州銀行のリスクもあがるはずだ。

 

以上