今日の一言
「中国の方がまし」
Bloombergの記事より
『習近平指導部による景気てこ入れやイノベーションの推進を受け、中国株の値上がりは米国株に対してリードを広げるとの見方が広がっている。フランクリン・テンプルトン・インスティテュートは、中国のGDP成長率目標は今年も5%前後と野心的で、当局は達成に向けて市場を後押しする措置や追加の刺激策を展開するとの見方だ。一方、米国ではトランプ大統領の関税政策で、リセッション(景気後退)懸念が拡大し、超大型株は大きく下げている。』
米国内では消費者の不安が高まり、リセッション入りの見方が広まっている。中国経済を弱めようとするトランプの施策が逆回転している皮肉な状況だ。
ニューヨークタイムズ電子版より
1.米国、判事の命令を無視して数百人を国外追放
【記事要旨】
マルコ・ルビオ国務長官は昨日、ギャングのメンバーとされた数百人のベネズエラ人が米国からエルサルバドルに送られたと発表した。これは連邦判事がトランプ政権にそのような国外追放をやめるよう命じた翌日のことである。
フライトのタイミングによって、トランプ政権が明確な裁判所命令を無視したかどうかが決まるかもしれない。判事は土曜日のワシントンで午後7時少し前に命令を出した。エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は昨日、判事の命令に関するスクリーンショットをソーシャルメディアに投稿し、「しまった… 遅すぎた」というメッセージを添えた。
背景:トランプ大統領の政権は、エルサルバドルにギャングのメンバー容疑者を引き取るために金銭を支払うという合意が、より大きな取り組みの始まりとなることを期待している。政権は、1798年の外国人敵対者法を利用して、数十年にわたって移民に与えられてきた正当な手続きなしにベネズエラのギャングのメンバーを逮捕し、国外追放しようとしている。この法律は、第二次世界大戦中に日系アメリカ人を強制収容したことで最もよく知られている。
反応:ベネズエラ政府は昨日の声明で、この法律を適用しようとする試みは「人道に対する罪を構成する」と述べた。
関連記事:
・コーネル大学の留学生は、親パレスチナ活動家としての国外追放につながる恐れがある2つの大統領令の執行を阻止するために訴訟を起こした。
・ブラウン大学医学部のレバノン人医師兼教授は、有効なビザを持ち、国外追放を阻止する裁判所命令があったにもかかわらず、国外追放されたと、彼女の弁護士と裁判所の書類が伝えている。
トランプについてさらに詳しく
・トランプの関税に対する報復は、彼の有権者に最も大きな打撃を与えるだろう。
・トランプが選出されて以来、米国の株式市場は下落し、現在、世界の他の市場よりも出遅れている。
【コメント】
日系人を収容所に入れる根拠にした法律がギャングに適用されたのには驚いた。
いずれにしても、米国永住者であれ、正規なビザを持っているものであれ、米国に敵対する外国人とトランプ政権が判断すれば国外追放できるわけだ。これでは中国やロシアと変わらない。
2.ロシアにおけるウクライナの大胆な作戦は終焉に近づいている
【記事要旨】
軍事アナリストや兵士によると、ウクライナ軍は過去1週間でロシアのクルスク地方のわずかな土地を除いてすべて撤退した。キエフがロシア領土を奪取し占領しようと数ヶ月にわたって行ってきた作戦は、容赦ない空爆やドローン攻撃に直面して終焉を迎えつつあるようだ。
ウクライナ兵士によると、クルスクでの戦闘は今やロシア領土の保持よりも、ロシア軍がウクライナのスームィ地方に侵攻して戦争の新たな戦線を開くのを防ぐための最善の防御陣地の支配に重点が置かれている。
今後の展開:米国の中東担当特使スティーブ・ウィトコフ氏は昨日、トランプ大統領が今週ロシアのウラジミール・プーチン大統領と停戦について話し合うことを期待していると述べた。
【コメント】
ウクライナにとって戦況は厳しい。トランプはプーチンに手玉に取られている。停戦は遠い。
3.サウジアラビアで亡くなる東アフリカの労働者
【記事要旨】
サウジアラビアで家政婦や乳母として高収入を約束されたケニア人女性は、棺桶に入って帰らない限り、身体的・性的虐待の跡を負って帰国することが多い。
タイムズの調査によると、過去5年間に少なくとも274人のケニア人労働者(ほとんどが女性)がサウジアラビアで死亡した。数え切れないほど多くのウガンダ人も死亡したが、ウガンダ政府はデータを公表していない。
【コメント】
アラブの盟主サウジアラビアでは、自国民以外の出稼ぎ労働者、特にアフリカ系労働者には極めて差別的な扱いをすることで知られていたが、この記事は一つの証明だ。
その他の記事
(日本では大リーグの開幕戦で盛り上がっているがタイムズのスポーツ欄はこんな感じです)
サッカー:
ニューカッスル・ユナイテッドがカラバオ・カップ決勝でリバプールを破り優勝、56年ぶりの優勝を飾った。
F1:
ランド・ノリスがシーズン開幕戦オーストラリア・グランプリでマックス・フェルスタッペンの終盤の激しいプレッシャーをかわし優勝を飾った。
テニス:
17歳のミラ・アンドリーバの台頭は避けられないと思われた。そして、コーチのコンチータ・マルティネスがそれを加速させた。
2025年3月17日 月曜日