世界の動き 2024年12月10日 火曜日

今日の一言
「最後の努力」
 日本製鉄はUSスチール買収に向けた最後の努力を続けている。以下Bloombergの記事より。
 『日本製鉄は米鉄鋼大手USスチール従業員に宛てた書簡を公表し、買収の一環として全米鉄鋼労働組合(USW)に提案している14億ドル(約2100億円)の設備投資計画に関して詳細を約束をしたと説明した。
 買収に反対するUSW幹部が考えを変えるかは不明だが、対米外国投資委員会(CFIUS)の審査が終了する前にUSWの支持を確保しようと、日鉄はあらゆる手段を講じている。』
 トランプは反対しているが、市は日鉄の買収を歓迎している。労組が反対を続ければUSスチールに将来は無いと思うのだが。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.シリア反政府勢力が実権を握ったるが、計画はまだ不明
【記事要旨】
 ダマスカスを制圧した反政府勢力は昨日、新政府が直ちに活動を開始すると発表した。シリア国民数百万人と世界は、アサド一族による数十年にわたる統治の衝撃的な終焉を受け止めるのに苦労している。反政府勢力の戦闘員は公共の建物の外に陣取り、交通整理を行い、権力を誇示した。
 昨日、シリアのタイムズ紙記者は、放棄されたシリア軍の戦車、無人の検問所、バッシャール・アル・アサド大統領の引き裂かれたポスターが地面に散乱しているのを目にした。車や店の割れた窓ガラスという無法状態の初期兆候は多くの人を恐れさせているが、残忍な指導者の追放に対する高揚感もあった。
 反政府勢力は今、民族、宗派、宗教の深い分裂を抱える国に対する支配を拡大するという複雑な課題に直面している。
 以下、Timesの特派員とのQ&A。
Q: アサド政権の崩壊に寄与した地域的要因について説明して欲しい?
A: アサド政権を支援していたヒズボラをイスラエルが弱体化させたことが大きな要因だ。シリアでヒズボラと協力してきたイランにとって、シリアでの活動はより困難になった。ロシアも他の場所で忙しかった。だから、こうした国際的な要因がこの状況を生んだ。これらの勢力に加えトルコも、今後に係ってくるだろう。
Q: 今度に向けての最大の課題は何か?
A: 軍事および安全保障面で膨大な変化があり、人々が安全な自分たちの国にできるかどうかという疑問が数多く生じる。
 国を統治または統制する計画はまだない。かなり西にあるダマスカスで起きていることは、アレッポで起きていることとはあまり関係がなく、イラク国境やヨルダン付近の南部で起きていることとはまったく関係がない。これらすべての地域で紛争があり、イスラム国を含むさまざまな主体が関与している。イスラム国はここ数年で復活を遂げている。
 イランは実際に、シリア人全員が参加する、このすべてを解決する一種の全国会議の開催を提案している。誰かが来てそれを組織してくれることを願っているのだが、現時点では気が遠くなるような話だ。
【コメント】
 独裁者が強権で押さえつける以外に過去50年間この国は統治できなかったのだ。確かに先行きは気の遠くなるような話だ。

2.ハイチの首都で大虐殺
【記事要旨】
 国連人権高等弁務官は昨日、ポルトープランスで週末に起きた大虐殺で約200人が殺害されたと述べた。
 ハイチの有力人権団体は、この殺害は、息子の致命的な病気は魔術によるものだと聞かされたギャング団長の個人的な復讐だと説明した。ブードゥー教を信仰する高齢者が標的にされたようだ。国連によると、殺害された人のうち約130人は60歳以上で、ギャング団員が遺体を焼いて海に投げ込んだと付け加えた。
 大量強制送還:ドミニカ共和国に逃げた絶望的なハイチ人は、現在檻に入れられて送還されている。ドミニカ当局は、毎週1万人の強制送還を目標にしていると述べている。
【コメント】
 ドミニカとハイチの比較。以下AIの回答。
 ドミニカ共和国とハイチは、カリブ海に浮かぶイスパニョーラ島に位置する国々で、歴史や文化、宗主国などが異なる2か国です。
 ドミニカ共和国は、ハイチから逃れてきた人々を強制送還していると報じられています。国連は強制送還をやめるよう呼びかけていますが、ドミニカ共和国側は「安全保障政策の一環」としています。
 ドミニカ共和国は、ハイチの人々の労働力なしには成り立たない経済状況ですが、その労働力としてのハイチの人々もまた様々な課題に直面しています。
 ハイチは、西半球の最貧国に位置づけられ、長年にわたる政情不安や、頻発する自然災害の影響を受け、基礎的な社会基盤が整備されていません。
 ハイチでは、2021年7月の大統領暗殺事件以降、政情不安が続いています。また、同年8月のハイチ南西部大地震やハリケーンなどの自然災害の発生等により、社会的混乱が続いています。

3.フランス初の大規模な#MeToo訴訟が裁判へ
【記事要旨】
 5年前、フランスの女優アデル・エネルは、彼女が12歳、彼が36歳のときに監督クリストフ・ルッジャが彼女を誘惑し、性的暴行を加えたと告発し、同国の映画界に衝撃を与えた。
 昨日、この訴訟は法廷に持ち込まれ、フランスで裁判に進んだ初の大規模な#MeToo訴訟となった。59歳のルッジャは未成年者に対する加重性的暴行の罪で起訴されている。ルッジャは繰り返し容疑を否定している。証言の中で、彼はエネルに性的接触をしたという告発を「完全な嘘」と形容した。
【コメント】
 もう23年前の多分物証に欠ける事件について、裁判はどのように進むのだろうか。

その他の記事
韓国:
 尹錫悦大統領は出国を禁じられ、当局は戒厳令の布告が内乱に当たるかどうか調査中。
インド:
 トランプ・オーガニゼーションは、ステータスに飢えた住宅購入者が有名な米国ブランドを熱望するインドで温かい歓迎を受けている。
ウクライナ:
 テレグラムの人気はロシアとの戦争中に急上昇し、キエフ当局はメッセージングアプリの利点とセキュリティリスクをますます比較検討するようになっている。

中国
貿易:
 北京の鉱物輸出禁止は予想以上に深刻。また、世界中の企業に対し、中国で採掘された重要な鉱物が米国に流入しないように命じている。
自動車:
 中国の自動車メーカーは、今のところ米国を除いた世界展開の一環として、メキシコで工場用地を探している。
テクノロジー:
 中国の独占禁止規制当局は、人工知能システムを動かすチップのほとんどを製造している米国企業、エヌビディアを調査していると発表した。

 中国東部でインフルエンサーを目指していたリンエルさんは、トランスジェンダーであることをカミングアウトした後、両親に性自認を変えるために病院に送られた。
 リンエルさんは3か月間、自分の意志に反してそこに閉じ込められ、電気ショック療法を受けさせられた。医師はリンエルさんに髪を短く切り、男性の服を着るよう勧めた。
 リンエルさんはその後病院を訴え、和解金を受け取った。これは、トランスジェンダーの人が関与するいわゆる転向療法をめぐる中国初の訴訟である。

2024年12月10日 火曜日