米国では収穫祭の祝日で今年もあと1か月。今年を振りかえり来年に思いを致す時期だ。
WSJのコラムではAndy KesslerはThe Market’s Mixed Signals:Stocks are winning the cage match, but bonds may have the last laugh. と言う記事を書いている。
何がMixed Signalsかと言えば以下だ。
・株価は上昇しており、経済ブームの兆候を示している。
・石油は、景気後退に向かっているかのように下落している。
・住宅価格は、金利引き下げが続くかのように上昇している。
・金は上昇しており、インフレが戻ってきたことを示唆している。
・ドルは、ヨーロッパ、カナダ、中国が苦しんでいるかのように強い。
・コアインフレは上昇しており、2021年4月以来3%を超えている。
・長期債は、FRBが金利引き下げを停止する必要があることを示している。
・パランティアの株価は、人工知能の誇大宣伝により、今年250%以上上昇し、現在約1450億ドルの価値がある。素晴らしい会社だが、先走りすぎている。株価は、税引き後営業利益の483倍、売上高の55倍だ。
彼の株式市場に対する見方は以下だ。
「なぜこんなことが起こるのか?市場の配管が壊れているのではないかと心配している。かつては取引所に人間のトレーダーがいた。現在、取引は不透明な高頻度取引組織とクオンツファンドによって支配されている。機関投資家は個人取引に後れを取り、誇大宣伝家が株に息を吹きかけると、株価は上がりる。健全ではない。」
彼の株式市場の見方は尤もだ。株式市場は本来の、企業による資金調達と投資家の資金提供の場から、投機的なマネーゲームの場に変容したのだ。このような株式市場から距離を置こうとするのはウォーレンバフェットが債券投資にシフトしているという動きと重なる。
さて、どうするか。
トランプ相場にのって、楽団が演奏している間(しばらくは続きそうだ)はダンスに興じるタイタニックの乗客のようにするか、それとも守勢のポジションを取るのか。考え所だ。
2024年12月1日 日曜日