世界の動き 2024年11月14日 木曜日

今日の一言
「D.O.G.E.」
いま注目を集めている言葉だ。以下BBCの記事から。
『トランプ次期大統領は12日、自らの新政権で「政府効率化省(DOGE)」を新設し、そのトップに実業家イーロン・マスク氏を起用すると発表した。
マスク氏は、政府予算のほぼ3分の1に当たる少なくとも2兆ドル(約310兆円)を、連邦政府の支出から減らすよう求めた(具体的に何を減らすべきかには言及していない)。また、連邦政府機関には責任の範囲が重なっているものが多いとし、何百かの機関を廃止するよう提案している。
トランプ氏は、バイオテクノロジー分野の投資家ヴィヴェク・ラマスワミ氏も、政府効率化省でマスク氏と仕事をすることになると説明した。ラマスワミ氏は予備選で、連邦政府職員の75%以上を解雇し、教育省や連邦捜査局(FBI)、アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局など、いくつかの主要連邦機関を閉鎖すると主張していた。
トランプ氏は、ホワイトハウスや行政管理予算局と協力し、年間6兆5000億ドル(約1000兆円)の政府支出における「大規模な無駄や不正」と闘うとした。』
筆者がニューヨークで都銀の支店に勤務していた時に内部監査の責任者として米国当局の監督を受けた。州の銀行局と連邦準備銀行FRBが監督官庁だった。預金を受け入れているとこれにFDIC(連邦預金保険公社)の監査を受ける。
随分検査負担が大きかった記憶があるが、連邦レベルの監督・監査を削減し州に一元化するようなことになれば楽にはなるが、それぞれの当局により規制の狙いが少しづつ違うので、監督の目の粗さが出ないか気になるところだ。

ニューヨークタイムス電子版よりTop3記事
1.トランプ氏、ワシントンで勝利の行進
【記事要旨】
トランプ次期大統領は昨日、ホワイトハウスに凱旋し、大統領執務室でバイデン大統領と短時間会談した。
「おかえりなさい」とバイデン氏は述べた。これはトランプ氏の政権復帰を阻止できなかったことを認める発言だった。
バイデン氏との会談前、トランプ氏は歓喜に沸く共和党議員の前で演説した。
ランプ氏と一緒にいたのは、イーロン・マスク氏だった。

国防長官:トランプ氏は、フォックス・ニュースの司会者で軍経験のあるピート・ヘグゼス氏を国防長官に指名したが、これは異例の選択だ。
アメリカ第一主義チーム:トランプ氏はまた、フロリダ州選出のマルコ・ルビオ上院議員を国務長官に、元民主党下院議員のトゥルシ・ガバード氏を国家情報長官に指名した。彼らはアメリカ第一主義を優先するチームを編成している。

トランプ氏についての動き:
・上院共和党は、トランプ氏が指名したリック・スコット氏を退け、ミッチ・マコーネル氏に代わる院内総務にジョン・スーン氏を選出した。
・トランプ氏は、人身売買の疑いで捜査を受けているマット・ゲーツ下院議員を司法長官に指名すると述べた。
・選挙運動中、トランプ氏は教育省の閉鎖を提案したが可能だろうか?
・下院は共和党が僅差で過半数を獲得する可能性が高い。

(今、下院も共和党が過半数と言う報道があった。大統領、上院、下院すべてを共和党が支配することになった。民主党は嫌われたものだと言えるし、米国民は劇薬の服用を選んだとも言える。)

・ファッションとワイン業界は、関税引き上げに備えている。
【コメント】
トランプは言ったことは必ずやる人だ。楽観視せずに準備が必要だ。

2.ウクライナは平和の優先順位を変えつつある
【記事要旨】
トランプ大統領がウクライナ戦争の早期終結を推し進める中、ロシアが占領している領土の譲渡を何カ月も拒否してきたウクライナ当局は、現在停戦の保証を優先している。
「領土問題は極めて重要だが、第一の問題は安全保証だ」とウクライナの高官は語った。
キエフの当局者は、ロシアからの新たな攻撃を防ぐため、NATO加盟を求めている。クレムリンは、そのような動きは停戦協定の交渉を決裂させると示唆している。西側諸国の当局者は、ウクライナのNATO加盟を望んでいるが、急速な加盟を望んでいないと示唆している。
今後の動向:ブリンケン国務長官がNATO本部を訪問し、バイデン政権後の将来計画を協議した。
地上では、ロシアがキエフにミサイル一斉射撃を行い、首都への2か月以上続いた攻撃の休止に終止符を打った。
【コメント】
ウクライナにさえ自助あるいは欧州での共助を要請するトランプは台湾有事にはどう反応するのだろうか。尖閣への安保条約の適用も定かでない。

3.ネタニヤフ首相は予定通り証言しなければならないと裁判所が判決
【記事要旨】
イスラエルの裁判所は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が12月2日に予定している汚職裁判での証言を延期するよう求める新たな要請を却下した。
ネタニヤフ首相は、自身と家族への贈り物や同情的なメディア報道と引き換えに大物実業家に便宜を図ったとの容疑で、贈収賄、詐欺、背任の罪で起訴されている。同首相は容疑を否認している。

その他の中東のニュース:
・米国が先月、援助の流入が増えなければイスラエルへの軍事援助を削減すると脅したにもかかわらず、ガザへの援助は依然として低い。
・過激派グループは、10月7日にハマスに人質に取られたイスラエルとロシアの二重国籍を持つサーシャ・トルファノフのビデオを公開した。
・CIA職員が、イスラエルのイランへの報復計画を示すと思われる機密文書を漏洩した罪で起訴された。
【コメント】
ネタニヤフもトランプ同様に刑事事件を抱えている。何としても権力を維持したい誘引がある。

その他の記事
インド:
最高裁は、報復として国家当局が人々の家や事業所、特にイスラム教徒の家を破壊する「ブルドーザー司法」を違法とした。
フランス:
壊滅的な火災から5年を経て、パリのノートルダム大聖堂は12月7日に一般公開を再開する。
気候:
COP29サミットの交渉担当者は、低所得国の適応を支援するために数兆ドルが必要だと合意している。誰が支払うべきかで合意に至っていない。

2024年11月14日 木曜日