世界の動き 2024年3月1日 金曜日

今日の言葉:
「2024年度予算」
 「裏金」の話に報道が集中しているが、100兆円を超える予算については十分な審議がされたのだろうか。
 異次元の少子化対策の資金を社会保障費の負担増で補う(500円とか1000円の負担増)という議論が注目されたが、防衛費の増大、共同開発する戦闘機の輸出、教育の改革といった根本の議論はなされないまま、予算が成立しそうだ。
 審議の状況を確認しようとニュースを見れば、大谷翔平の結婚の記事一色だ。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.イスラエルが発砲しガザ地区で多くの人が死亡
【記事要旨】
 パレスチナ自治政府通信社とイスラエル当局者によると、昨日、ガザ市の支援車列の近くに群衆が集まっていたため、イスラエル軍が発砲し、数十人が死傷した。
 何が起こったのか詳細は不明であり、パレスチナとイスラエルの当局者は全く異なる説明を提供した。
 ガザ保健当局は、「虐殺」により100人以上が死亡、700人以上が負傷したと発表した。 パレスチナ自治政府の国営通信社ワファは、援助の到着を待って「イスラエルの戦車が数千人に向けて機関銃を発砲した」と報じた。
 イスラエル当局者は軍隊が発砲したことは認めたが、数百ヤード離れたところで起きた集団暴行で住民のほとんどが死傷したと述べた。 イスラエル軍は、ガザの住民が援助トラックを包囲し「物資を略奪」したと発表した。 その結果、数十人が「押したり、踏みつけたり、トラックにひかれたりして死傷した」。 パレスチナ側による機関銃発砲の主張には直接言及せず、調査中であると述べた。
 ハマス当局者は、今回の殺害により停戦交渉が狂う可能性があると警告した。 バイデン大統領は週初めに月曜までに合意に達する可能性があるとの期待を表明した後、銃撃事件により交渉が複雑になる可能性が高いとの見方に同意した。
 厳しい節目:10月7日に戦争が始まって以来、ガザ地区の死者数は3万人を超え、ガザのパレスチナ人73人につきおよそ1人が死亡したことになる。 専門家らによると、ガザ保健省が提供した数字はおそらく過小評価されているという。
【コメント】
 援助物資の近くで起きた事故か虐殺か。とても嫌なニュースだ。ハマスが始めた攻撃が引き金とは言え、ガザの住民の犠牲は余りに大きい。ハマスはそもそも何を狙って10月7日の攻撃を仕掛けたのだろうか。イスラエルの10倍返し戦略は理解していたはずだ。

2.プーチン大統領、西側諸国は核紛争の危険にさらされていると発言
【記事要旨】
 プーチン大統領は年次教書演説の中で、西側諸国がウクライナ戦争により直接介入すれば核反応の可能性に直面すると述べた。
 ロシア指導者は今週、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がウクライナにNATO軍を派兵する可能性を提起した発言に言及した。 プーチン大統領は、そのような動きを検討する可能性のあるNATO諸国は「最終的に核兵器の使用による紛争、ひいては文明の破壊を本当に脅かしている」ことを理解する必要があると述べた。
 背景: プーチン大統領は、2年前のウクライナ侵攻以来、西側諸国に対して核による脅迫を繰り返し行ってきた。 彼は昨年、そのレトリックを弱めているように見えた。 しかし昨日、彼はそれに戻り、その脅しと米国との軍備管理交渉を再開する用意があるとの主張を結びつけた。
 軍事援助:当局者らによると、政府が弾薬を補充するための資金が不足しているにもかかわらず、バイデン政権は国防総省の備蓄を再び利用してウクライナに武器を提供することを検討しているという。
【コメント】
 防衛力の強化には、最終的には核武装が必要なのかと思わせるプーチンの発言だ。国内では数万人の戦死者が出ていると言うが、プーチン批判は沈黙している。強権を支えるロシアの国民性も怖いが、メディア統制のなせる業だろうか。

3.トランプ大統領の遅延戦術が免責訴訟で功を奏する
【記事要旨】
 最高裁判所は水曜日、2020年の選挙を覆すことを企てた容疑でドナルド・トランプ氏が訴追されないという同氏の主張を考慮する決定を下し、トランプ氏に法的な生命線を与えた。 最高裁の決定は、裁判を遅らせようとする同氏の努力を後押しし、11月の選挙日までに同氏が陪審に出られない可能性が高まった。
 判事らはこの問題に関する聴聞会を4月下旬に予定している。 現在の予定では、判事が6月の今期終了までに判決を下し、トランプ氏が訴追を免れないと判断した場合、裁判は9月末か10月までに開始される可能性がある。
 賭け金:トランプ氏が裁判に臨む前に大統領に選出されれば、訴訟を完全に却下される可能性がある。
【コメント】
 トランプは大統領にならなければ生き残れない。自己の保身のための議事堂襲撃の扇動が大統領の免責特権で認められるのは、トルーマン大統領が戦争に勝利するために原爆を投下する判断をしたのとは全く次元が異なると思うのだが、米最高裁はそうは考えなかったようだ。

その他の記事より
・メキシコ国境にバイデンとトランプが訪問
 President Biden and Donald Trump landed in Texas for dueling trips to the U.S.-Mexico border as immigration is shaping up as a big issue in the U.S. election campaign.
・韓国での医療紛争
 More than a week after thousands of doctors walked off the job in South Korea, their dispute with the government shows no signs of resolution.
・日本はぬるま湯に安住
 Despite a struggling economy, declining population and political gridlock, Japan remains remarkably stable and cohesive, with little sense of impending doom.
(差し迫った破滅の恐れは無いのか目をつぶっているのか)

2024年3月1日 金曜日