噛み合わない議論

 昨日の午後ラジオを聞いていたら、左翼系の論客二人がコメンテーターで、リスナーからの質問に答えていた。一人は経済学者、もう一人は政治記者だ。

 質問の一つに「株が上がっているが、余裕資金をどのように投資したらよいでしょうか?」というのがあった。

 これに対する回答は、「投資からの金銭リターンを狙うのではなく、人材の価値の向上にお金を使え」と言うものだった。自己研鑽や子供の教育にお金を使えと言うアドバイスだった。

 これには大変驚いた。リスナーの質問は、余裕資金があるときには何に投資すれば、インフレの備えになり、資産価値が増加するのか運用手段を聞いているのに、はぐらかすような回答だ。

 もし回答者二人に少しでも質問者の意図を斟酌する頭脳があるとすれば、もう少しまっとうな回答をしてあげるべきだ。

 急上昇している株価の状況には注意しろというアドバイスも無価値だ。昨年来の米国のマグニフィセント7の株価上昇や、日本株の上昇の一端にからめるようなアドバイスがこれまでに出来ていなかったとしたら、株式の運用者としては失格だ。

 「株式投資を通じて企業を見る目を磨いて、分散投資でリスクを減らしながら、相場の上昇の波を上手くとらえてゆく順張りが正しい投資家の姿勢」だと、私なら声を大にしてアドバイスするところだ。

2024年2月24日 土曜日