「日本のテレビ番組はどうしようもなく幼稚だ。
スイッチを入れれば、食べ歩き番組、沢山の芸能人が大騒ぎするバラエティー、若いタレントが演じる能天気なドラマ、専門家でもない芸能人や元スポーツ選手が時事問題にコメントするワイドショー。
テレビは娯楽だから楽しければいいんじゃないかという意見もあるし、硬派な報道番組もあると言う人もいるが、いかんせん幼稚で見るに堪えない番組が多すぎる。」
これはニューズウィーク日本版のコラム二ストでイラン出身の石野シャハラン氏のコメントの書き出しだ。全く同感だ。
同氏は、イランのテレビ局が政府の抑圧下でも、政府の政策を批判する番組を作る努力を続けていると述べている。
「スポンサーは社会問題を扱ったり政府を批判したりする番組に資金を出すし、物議を醸す番組のスポンサーになることを喜ぶ」そうだ。
日本は社会問題が無いからふわふわしたテレビ番組だらけなのかといえば、そんなことはない。
「経済格差、教育現場の疲弊、福島第一原発の処理水、少子高齢化、子供の貧困や虐待、政府の債務の拡大。どれも一朝一夕に解決できるものではない。」
まったくおっしゃるとおりだ。テレビで取り上げたからと言って解決に一挙に進むわけでは無いだろうが、ぬるま湯に浸かっている国民へに啓蒙にはなるだろう。
臨時国会で可決成立するのが確実な17兆円の補正予算の内訳と、国民生活への影響、経済への刺激効果をまともに設営したテレビ番組は無かった。不透明な政治資金、官房機密費についても踏み込んだ報道は皆無だ。
「パンとサーカス」を与えておけば国民は満足するのだと政府に思われているとしたら、随分なめられたものだと、イランとの比較で痛感する。
2023年11月26日 日曜日