世界の動き 2023年11月7日 火曜日

今日の言葉:
「米大統領選」
 『米大統領選挙まで残り1年となったが、2大政党への否定的な見方が過去最多に上り、有権者の大半は、ジョー・バイデン氏とドナルド・トランプ氏のいずれにも大統領になってほしくないと話している。しかし来年1月に予備選が始まれば、両氏がそれぞれの党の候補指名を獲得するとの見通しを世論調査は示す。大統領としての仕事ぶりに満足しているとの回答はバイデン氏が37%、トランプ氏も38%にとどまる一方で、あと1期務めるには両氏とも高齢過ぎるとの回答は半数を占める。』(Bloomberg記事より)
 枯れ木の老人か遠吠えの狂犬か。まともな候補者はいないのだろうか。米国民主主義の劣化を感じざるを得ない。

ニューヨークタイムズ電子版よりTop3記事
1.イスラエル、ガザ地区を真っ二つに分断
【記事要旨】
 イスラエル軍は昨日、ガザ市を包囲し、事実上ガザ地区を半分に分割したと発表した。 イスラエルは、この措置によりハマスが地域の支配を維持することが困難になると述べた。
 イスラエルはガザ地区の北部にあるガザ市をハマスの軍事作戦の中心地としている。 イスラエル軍報道官は「これは接近戦の市街戦で、多くの歩兵が働いている。」と述べた。
 ガザでは日曜日遅くに通信障害が発生したため、戦闘の規模は不明だが、電話とインターネットの接続は昨日から徐々に回復しているようだ。 イスラエルは日曜日の夜、ガザ地区で450の標的を攻撃したと発表した。
 イスラエル軍が軍事行動を進める中、ブリンケン米国務長官は中東歴訪の最後の目的地としてトルコを訪れていた。 ブリンケン氏は記者団に対し、バイデン政権は「ガザへの人道支援をさらに増やすことに非常に積極的に取り組んでいる」と述べ、「支援が大幅に拡大する可能性があることが数日以内に分かると思う」と付け加えた。
 ブリンケン氏は訪問中、イランに対し、イスラエルとハマスの対立を拡大させるために代理人を利用しないよう繰り返し警告した。
 国連は、パレスチナ難民を支援する職員88人が死亡し、これは単一の紛争における死者数としては最多であると発表した。
 ガザの医師らは、数週間にわたるイスラエルの爆撃により医薬品、水、食料、燃料が深刻に枯渇した後、麻酔なしで手術を行っていると述べている。
【コメント】
 10月7日のハマスによる奇襲攻撃から明日で1か月だ。その間、トップニュースは連日ガザの紛争だった。外交努力が継続されているようだが、解決への道筋が見えない。人道的な要因とは別のどろどろした国際政治の複雑さが問題解決をほぼ不可能にしている。

2.トランプ氏、詐欺裁判で証言
【記事要旨】
 ドナルド・トランプ氏は昨日ニューヨークで、有利な融資や保険契約を得るために事業資産の価値を不正につり上げた疑いで告発された民事詐欺裁判で証言台に立った。 暴言ととりとめのない証言の中で、トランプ氏は自分の不動産の価値に関する文書の作成に協力したこと、そして「高すぎると思った」という理由で1つの不動産の価値を引き下げたことを認めた。
 トランプ氏の証言は、財産評価から距離を置こうとする同氏の努力を台無しにしたように見えたが、時には介入していないとも証言した。 彼は財務諸表の重要性を最小限に抑えようとし、彼が利用した銀行家は財務諸表にほとんど注意を払わなかったと述べた。
 裁判の結果はアーサー・エンゴロン判事によって決まることになるが、彼は昨日トランプ大統領に対し、発言を短くするよう求め、「これは政治集会ではない」と何度も叱責した。 トランプ氏は来年の選挙でバイデン大統領に対抗する共和党候補の最有力候補だ。
 この訴訟を起こしたニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は、トランプ大統領に2億5000万ドルを支払い、彼と息子たちが州内で事業を営むことを永久に禁止するよう求めている。
【コメント】
 前にも述べたが「ノンリコースローン」という制度を上手く使ったトランプの事業展開が問題なのだが、それを助長した銀行業界にも問題がある。トランプがやったことは誰もがやっていたことなので、彼は自分が犯罪を犯したとは露ほども思っていないはずだ。

3.中国は新たな経済計画を策定
【記事要旨】
 中国の政治指導者らは、国の脆弱な経済を回復するための支援をするよう圧力を受けており、ゆっくりと経済を新たな方向に舵を切り始めている。 かつては、成長を促進するために不動産と地元の借金に依存していた。 しかし現在、彼らは製造業、特に電気自動車や半導体などの急成長産業への投資を増やしており、中央政府による借入も増加している。
 中国の投資推進は今後数カ月でさらに成長を促進し、住宅部門の問題を部分的に相殺する可能性がある。 しかし、地方借入の代替として中央政府が借入を増やしても、債務の蓄積による長期的な成長の足かせを和らげることにはほとんど役立たない。
 ジャネット・イエレン財務長官は今週、サンフランシスコで中国の何立峰副首相と会談する。 この会談は、バイデン大統領と中国の習近平国家主席の間で予想される会談の基礎を築くことになる。
【コメント】
 中国の経済は悪いが、中国株への投資は悩みどころだ。今後も株式市場が軟調なのか、景気刺激策により今が底なのか判断に迷うからだ。さあどうなるだろうか。

その他の記事より:
・ウクライナの戦況
 Ukrainian forces have secured a sliver of land on the Russian-held bank of Kherson, and the gains could push Russian artillery farther away from the city.
・バイデンへの黒人層の支持低下
 Support from Black voters is drifting toward Donald Trump, just three years after that constituency helped elect President Biden, according to a Times/Siena College poll.
・オーストラリアでの宗教騒乱
 Australia has experienced a flurry of incidents targeting Muslims and Jews since Hamas’s Oct. 7 attacks on Israel.

2023年11月7日 火曜日