世界の動き 2023年10月11日 水曜日

今日の言葉:
「ベビーシッター」
 小学3年生以下の子どものみで外出・留守番させることを禁じる埼玉県虐待禁止条例改正案を県議会に提案した自民党県議団は10日、改正案の撤回を決めた。改正案には、県民からは大きな反発の声が出ていた。田村琢実団長はこの日、記者会見を開き、混乱を招いたとして謝罪。ただ、議案の内容に「瑕疵はなかった」と強調し、取り下げは「私の説明が不十分だったため」と繰り返した。
 子供だけで留守番させられないとすればベビーシッターが必要だ。以前住んでいたニューヨークでは条例で、子ども1人での外出を禁止したり、12歳以下の子どもだけの留守番を禁止していた。子どもを守る条例があるアメリカでは、普段からベビーシッターに子どもを預ける文化が根付いている。学校や習い事の送迎や、帰宅後の見守りなどでベビーシッターを利用する機会が多い。住宅街では近所の高校生がアルバイトでベビーシッターをするケースが多かった。また、ナニーという職業もあり、子どもの世話や、親に代わって家事手伝いや子どもの躾や教育なども行ってくれるので、働くママの利用が多い。
 埼玉県の条例化の動きは正しいと思う。それを実現する環境が我が国にはまだ無い状況だ。

ニューヨークタイムズ電子版より
1.バイデンがハマスを非難、イスラエルがガザを攻撃
【記事要旨】
 イスラエルは、ガザ地区への空爆を続け、一部の建物が瓦礫と化した中、昨日、軍が国境の町の制圧を取り戻したと発表した。
 バイデン大統領は、ホワイトハウスからアメリカ国民に向けたテレビ演説で、アイアン・ドーム迎撃システムを補充するためのロケット弾を含むイスラエルへの軍事支援を約束した。 同氏は米国民14人が殺害されたと述べ、ハマスの行為を「純粋な悪」と呼んだ。
 バイデン氏は、ハマスに捕らえられた米国民を含む人質を救うため、米国は情報提供に協力すると付け加えたが、米軍が直接支援することは示唆しなかった。 土曜日以来、約150人のイスラエル人人質を取ったとみられるハマスは、イスラエルが警告なしにガザを攻撃するたびに捕虜を殺害すると脅迫した。 ハマスは幹部2人が攻撃により死亡したことを認めた。
 イスラエルは予備役6万人の追加招集を承認し、これまでに動員された総数は36万人に達し、建国以来の短期間で最高となった。 イスラエルがガザへの地上侵攻を命令するかどうか、いつ命令するかはまだ明らかではない。
 ガザ近郊の町や村へも恐怖が広がっている。 ガザから1.5マイル離れたあるキブツで、地面に横たわる十数人の膨れ上がった遺体と、殺害された住民を運ぶイスラエル兵が目撃された。 イスラエル軍は土曜日の朝以来約1,500人のパレスチナ人襲撃者の遺体を収容したと発表し、襲撃の規模を示す情報を提供した。
 イスラエルでは合計で少なくとも1,000人の兵士と民間人が殺害された。 ガザの保健当局者らは、過去4日間で子供260人を含むパレスチナ人900人が殺害され、4500人が負傷したと発表したが、その内何人が民間人かは不明だ。
国連の人権高官は、パレスチナ武装勢力が犯した「恐ろしい大量殺人」と処刑を非難した。 しかし同氏は、イスラエルがガザ地区を「完全包囲」すると発表すれば、同地区における「すでに悲惨な」状況がさらに悪化するだろうと警告した。
【コメント】
 イスラエルとパレスチナとハマスという3つの登場人物があり、それぞれに支持を表明するグループが存在する。アラブ諸国のスタンスも一枚岩ではない。イランとイスラエルの開戦を危惧する声が高まっているが、国境を接しない国の間の戦争はどうなるのだろうか。
 金融証券市場は短期間のイスラエルのガザ鎮圧を楽観視しているようだが、そうなると良いのだが。

2.中国の不動産危機で新たな巨人が危機
【記事要旨】
 かつて中国最大の住宅建設会社であり、経営危機に陥った不動産開発会社カントリー・ガーデンは昨日、ローンを返済できず、今後の海外債務の支払いも滞る見通しであると発表した。
 この発表は事実上、カントリー・ガーデンが約1,870億ドルの負債を抱えデフォルトに陥る可能性があるという声明である。 カントリー・ガーデンは、同じく巨大な不動産開発会社である恒大を破産に追い込んだ中国の不動産市場の崩壊による最大の犠牲者の1つである。
 同社は「経営上の最優先事項」は、販売したがまだ建設していないアパートの引き渡しを確実にすることであり、これは中国政府にとっても優先事項であると述べた。
【コメント】
 1ドル150円換算で28兆円の巨大債務だ。これから長期間は滞留不動産を原因とする経済停滞とデフレ圧力が高まるだろう。習近平は内政対応に追われるが国民の求心力強化のために、対外的には強硬姿勢を強める恐れがある。

3.鳥インフルエンザ耐性ニワトリの開発
【記事要旨】
 科学者たちはCRISPRとして知られる遺伝子編集技術を利用して、鳥インフルエンザに対してある程度の耐性を持つニワトリを作り出した。 この研究は、遺伝子工学が、動物と人間の両方に深刻な危険をもたらすウイルスのグループである鳥インフルエンザの被害を減らすためのツールになる可能性があることを示唆している。
 しかし、 新種の感染は依然として発生している。科学者がニワトリの遺伝子のたった1つを編集したところ、ウイルスはすぐに適応した。 このことは、ウイルスのさらなる進化を避けるために注意が必要であることを示唆している。
【コメント】
 遺伝子操作されたニワトリですか。ちょっと食べるのを避けたい印象ですね。

その他:
・ミャンマーでも騒乱
 Myanmar’s military bombed a camp for displaced people in the northern part of the country, killing 29 people, according to the Kachin Independence Army, an ethnic rebel group that controls the area.
・SBFのガールフレンドの証言
 Caroline Ellison, a close adviser and former girlfriend of the disgraced cryptocurrency mogul Sam Bankman-Fried, said that she conspired with him to steal billions of dollars from customers of his exchange, FTX.
・女性を啓蒙するインドの地方ラジオ局
 In Nuh, a rural district in Haryana, India, female literacy rates are among the lowest in the country, early marriages are common and violence against women is the norm.
 But Alfaz-e-Mewat, a community radio station there, offers a mix of group therapy, education, women’s empowerment and entertainment. The station has helped shift attitudes toward women’s education and has been a voice for change.

2023年10月11日 水曜日