ジョージ・ケナンに学ぶ

ジョージ・ケナンについてWikipediaは以下のように記している。
『ジョージ・フロスト・ケナン(英: George Frost Kennan、1904年2月16日 – 2005年3月17日)は、アメリカ合衆国の外交官、政治学者、歴史家。現実主義者の知識人。1940年代から1950年代末にかけてアメリカの外交政策を立案した戦略家であり、ソ連の封じ込めを柱とするアメリカの冷戦政策を主導した。プリンストン高等研究所名誉教授。ピューリツァー賞受賞。』

Foreign Affairs誌に今こそケナンの慧眼を再評価すべきと言う論文が掲載されたのでその概要を紹介したい。

”Kenan’s Warning on Ukrane by Frank Costigliola より

FA誌によれば「1948 年にケナンが警告したことは、どのロシア政府もウクライナの独立を受け入れることはないだろうということである。モスクワとキエフの間の膠着した闘争を予見したケナンは、独立したウクライナとロシアを戦わせた紛争にワシントンがどのように対処すべきかについて、当時詳細な提案をした. 彼は半世紀後にこの主題に戻ってきました。当時90代だったケナンは、NATOの東方拡大はロシアの民主主義を破滅させ、別の冷戦に火をつけるだろうと警告した。」

ウクライナはとロシアの関係についてはケナンは以下のように考えているとFAは述べている。
「ケナンは、第一にロシア人とウクライナ人が民族的に簡単に区別できるとは考えていませんでした。彼は国務省のメモに、「ロシアとウクライナの間に明確な境界線はなく、それを確立することは不可能だろう」と書いた. 第二に、ロシアとウクライナの経済は絡み合っていました。独立したウクライナを設立することは、『五大湖工業地帯を含むコーンベルトを米国経済から分離しようとするのと同じくらい人為的で破壊的です。』」

ウクライナの独立は厄介な問題を抱え込むことになるとケナンは考えた。FAは以下のように述べる。
「独立したウクライナは「武力によってのみ維持される」可能性があります。仮想的な勝利を収めた米国は(西側諸国も)ひれ伏したロシアにウクライナの独立を押し付けようとするべきではありません。
(米国や西側の支援なしに)ウクライナ人が独自に独立を達成した場合、ケナンは国務省に、ワシントンは少なくとも最初は干渉すべきではないと助言した。しかし、独立したウクライナが「最終的にロシア側から挑戦を受ける」ことはほぼ避けられない。その紛争で「望ましくない行き詰まりが生じていた」場合、米国は「合理的な連邦主義の方針に沿って意見の相違をまとめること」を推し進める必要があります。」

(コメント)

ケナンのこうした分析は主に1948年になされている。

その慧眼たるや恐るべきものがある。

2023年1月26日 土曜日