世界の動き 2022年5月18日 水曜日

ニューヨーク・タイムズ電子版より
今日の一言:
「撤退」か「降伏」か?
 日本の報道でマリウポリの状況について「撤退」か「降伏」か使われる言葉が違っている。以下をみればわかるがタイムズは「撤退」派だ。
 鉄鋼所に残ったウクライナ部隊はロシア軍に投降したのが事実のようだから「降伏」という用語が正しいのではないかと思う。
記者の心境で言葉が選ばれるのは避けられないが、事実に近い用語が尊重されるべきだ。

1.危機のふちをふらふら歩くスリランカ
【記事要旨】
 新首相Ranil Wickremesingheはスリランカの経済状況の現実は30年間の内乱で外見より悪く、石油の輸入のために5百万ドルを使うことも出来ず油槽船が沖待ちしていると表明。国民の多くは食料の確保が困難で燃料は使えす医療品は病院に供給されていない。前政権Rajapaksa一族の支配下で外貨準備は2019年の75億ドルからゼロに減少。他の中低所得国の経済もウクライナの戦争と中国の経済停滞で大打撃を受ける。
【コメント】
 圧政と腐敗という人為的要素が経済を窮地に陥れている。新政権が急に状況を改善するのは困難だから、成長路線に戻れる基本路線を支える国際的な支援と国民の我慢強さが必要だ。

2.上海ではロックダウン継続
【記事要旨】
 市保健局は上海は「社会的ゼロ(コロナ)」を達成したと発表したが、住民はロックダウンの継続と不満をWeiboで発表している。一部ビジネス、バス交通は再開するが、感染テストを強制され移動できず日用品に事欠く市民の不満は高まる。市当局は6月までに制限は全廃と言うが、学校や文化施設の閉鎖は続いている。
【コメント】
 世界の動きから見ると明らかに「非合理」な政策をどのように剛腕中国政府が軟着陸させるかは見もの。話はそれるが、日本での入国制限の緩和は大きな混乱を招きそう。「統一感」も「剛腕」も無いので。

3.インドのヘルスワーカーの状況
【記事要旨】
 100万人の女性がインドの女性・子供という弱者にヘルスケアを提供している。パンデック下での激務後、これらのワーカーは現状月40ドルほどの給与の150ドルへの引き上げを要望している。インドでは公的医療は貧弱で医師60万人、看護師2百万人が不足していると言われる。これらワーカーは僻地医療を支えワクチン接種の推進に大きな役割を果たした。
【コメント】
 こうした一部の人たちの英雄的努力に支えられるいるのは、日本でも同様なのかなと思う。医療制度のメッシュを見回して、足らずを補いダブりを無くす努力を政府にはしてほしい。それが出来るのは政府だけだ。

その他:
ヒズボラってまだ勢力を持っていたのか
Hezbollah lost its majority in Lebanon after voters pulled for independent candidates in parliamentary elections.
マリウポリの状況
Ukraine declared an end to its combat mission in Mariupol and ordered some soldiers at the steel plant to surrender to Russian forces.
カナダの英王室への考え
Canadians widely respect Queen Elizabeth II, the ailing 96-year-old British monarch. But many are increasingly skeptical of the monarchy and also dislike Prince Charles, who is touring the country this week to celebrate her Platinum Jubilee.
“The general approach now in Canada is that the monarchy is there, it’s not broken,” one expert said. “Don’t deal with it, but also don’t give it any more room than it actually needs.”

(2022年5月18日 水曜日)