世界の動き 2026年1月29日 木曜日

今日の一言
「プライマリーバランスの軽視」
 今朝のラジオ番組で京都大学の藤井聡教授が高市首相を絶賛していた。何をか? プライマリーバランスという財政のくびきを日本の首相が音頭を取って外したことだ。これで日本の再成長が可能になるというのだ。そうだろうか。
 プライマリーバランスが存在しても日本の政府債務残高は積みあがってきた。これが無くなれば(首相は単年度から複数年度で見てゆくと言ってはいるが)一層の財政の悪化を懸念される。懸念するのは、我々だけではない。世界中の巨大な機関投資家だ。
 藤井教授の絶賛する一点は、首相に対して筆者が最も懸念する一点である。

ニューヨークタイムズ・ニュースレターより
1.新しい世界でカナダが示す教訓
【記事要旨】
 ダボス会議でのマーク・カーニー首相の演説は、世界の指導者だけでなくカナダ国民からも強い支持を受けた。演説の中心にある問いは、「長年アメリカに依存してきた国々は、今や不安定で時に敵対的な米国とどう向き合うべきか」というものだった。
 カーニーは「古い秩序は戻らない」と述べ、貿易相手の多角化や戦略的依存の縮小、そして“中堅国同士の連携”を訴えた。
■ カナダの現状と転換
 カナダは米国との経済的結びつきが最も強い国で、輸出の約7割が米国向けだ。トランプ政権の関税強化(25〜35%)で大きな打撃を受けている。
 それでもカナダは米国依存からの脱却を最も積極的に進めており、中国との戦略的パートナーシップ締結や、アジア・中南米との自由貿易協定交渉を加速している。こうした姿勢が国民に支持され、カーニーの支持率は60%に上昇している。
■ 多角化の進展
 2025年、米国との貿易は4%減少する一方、他地域との貿易は13%増加した。 初めてアジアへの天然ガス輸出が開始され、 米国以外への石油輸出比率は2%から10%へ上昇(主に中国向け)した。
■ 中国との関係強化
 中国EVへの関税引き下げと引き換えに、カナダ産菜種への関税が減免された。 これは「対中政策で米国に追随する」という従来路線からの転換を象徴している。
■ 中堅国の連帯というメッセージ
 カーニーの主張の核心は、「米国の気まぐれに各国が単独で対抗するのは不可能。中堅国が協力してこそ抑止力が生まれる」という点にある。
 専門家は、もしカナダのような米国依存度の高い国が転換に成功すれば、他の同盟国にとっても大きな示唆になると指摘する。
■ 結論
 カナダは完全に米国から離れることはできないが、米国が力を振るうとき、他国がカナダを支える世界をつくるための国際連携を呼びかけている。これは、米国中心の秩序が揺らぐ中で、中堅国が生き残るための新しい戦略だといえる。
【コメント】
 カーニー首相の発言を引用する。
 “The old order is not coming back, Nostalgia is not a strategy.”

2.トランプ政権によるイランへの圧力強化
【記事要旨】
 トランプ大統領は、米空母打撃群がイラン攻撃可能な位置に展開したのに合わせ、イランへの威嚇を大幅に強めた。イランが米国の要求に応じなければ、「迅速かつ激しい」攻撃を行う可能性があると発言した。
 米国と欧州がイランに提示している主な要求は次の3点である。
– ウラン濃縮の全面停止
– 弾道ミサイル開発の制限
– ハマス、ヒズボラ、フーシ派など代理勢力への支援停止
 一方、トランプ大統領は以前「支援する」と述べていたイラン国内の抗議者に関する要求は今回含めなかった。
【コメント】
 米国が大きく前のめりになっている印象だ。前回の核施設への爆撃のような攻撃があるかどうかは微妙な状況になってきている。

3.ミネアポリスで進む変化
【記事要旨】
 アレックス・プレッティ殺害への強い反発を受けてトランプ大統領は表向きには語調を和らげているものの、ミネソタ州では依然として厳しい取り締まりが続いている。
■ ミネソタ州のその他の動き
– ミネアポリスでの公的イベント中、民主党議員イルハン・オマルが男に襲われ、正体不明の液体をかけられた。
– 土曜日の致命的な銃撃事件に関与したICE(移民・関税執行局)職員2名が停職処分となった。
– エクアドル政府は、ICE職員が許可なくミネアポリスの同国領事館に入ろうとしたとして正式に抗議した。
【コメント】
 口先での言い逃れで片付けようとしてきたが、白人男性が射殺される事件への対応次第では、トランプを強力に支持してきた中下層の白人が離反する恐れがある。

その他の記事
・ウラジーミル・プーチン大統領は、退陣したシリアの独裁者バッシャール・アル=アサド氏をかくまっているにもかかわらず、モスクワでシリアのアハメド・アル=シャラー大統領を歓迎した。
・銀価格は金価格よりも急騰している。一体何が起こっているのだろうか?
【コメント:銀特有の追い風(産業需要)がある。銀は高い導電性・熱伝導率を持ち、太陽光パネル、EV、半導体、電池、スマホや家電など広範な製品に不可欠な素材だ。AIデータセンター向けのチップや電力インフラ、高度な軍需用途などでも需要が増えており、「脱炭素・電化・AIブーム」が銀需要を構造的に押し上げている。
 米内務省が銀を「クリティカル・ミネラル(重要鉱物)」に指定したことや、中国の輸出管理強化など、戦略物資としての位置づけも強まっている。】
・ウクライナ東部で無人機による攻撃があり、列車内で5人が死亡した。生存者がその瞬間を語った。
・科学者たちは、政治、テクノロジー、気候の憂慮すべき進展を理由に、終末時計を終末にさらに近づけている。
【コメント:いま終末時計(Doomsday Clock)は「真夜中まで残り85秒」、つまり23時58分35秒に相当する位置に設定されている。】

2026年1月29日 木曜日
6:54AM 摂氏1度 ようやく太陽が出ました。寒いです。