デル夫妻の子供向け巨額寄付プログラム

先週のどこかでニューヨークタイムズで読んだ記事だ。
 思い出せないのでCopilotに聞いたら、すぐに詳しく回答してくれた。以下はCopilotの説明だ。
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概要:
 マイケル&スーザン・デル夫妻は、米国の子供たちに対して 総額62.5億ドル(約9兆円) を拠出し、最大 2,500万人の子供 に一人あたり 250ドル を投資口座へ入金する支援を行います。この取り組みは米政府の「Invest America(通称トランプ・アカウント)」を補完するもので、子供たちの将来の教育・住宅・起業資金の基盤を作ることを目的としています。

支援の仕組み
– 対象: 主に 10歳以下の子供(2025年以前に生まれたため政府の新生児向け1,000ドル給付の対象外となる層)。
– 条件: 世帯収入の中央値が 15万ドル未満のZIPコード に住む子供。
– 人数: 最大 2,500万人。
– 拠出額: 一人あたり 250ドル、総額 62.5億ドル。
– 運用: 投資口座は 株価指数連動型ファンドに投資され、18歳まで引き出し不可。

政府プログラムとの関係
– Invest America(トランプ・アカウント):
– 2025~2028年生まれの新生児に対し、米財務省が 1,000ドル を口座に拠出。
– 親や親族、企業などが年間最大 5,000ドル を追加拠出可能。
– 18歳以降に教育、職業訓練、住宅購入、起業資金などに利用できる。
– デル夫妻の寄付:
– 政府の新生児給付対象外の子供にも「資産形成のスタートライン」を提供。
– 低・中所得層の子供たちに広く恩恵を与える。

社会的意義
– 資産形成の格差是正: 富裕層だけでなく一般家庭の子供にも投資口座を持たせる。
– 金融リテラシー促進: 子供が「自分の投資口座」を持つことで、将来の金融教育にもつながる。
– 長期的効果: 18歳まで運用されるため、複利効果で大きな資産形成が可能。
– 象徴的規模: 米国史上最大級の子供向け民間寄付であり、他の企業・慈善家への呼びかけにもなる。

まとめ
デル夫妻の支援は、「生まれた環境に左右されず、子供に資産形成の機会を与える」という理念に基づいたものです。政府の新制度を補完し、低・中所得層の子供たちに広く恩恵を届けることで、教育・住宅・起業など人生の大きな節目に備える基盤を提供する極めて画期的な取り組みです。
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 デル氏とはPCのDellの創業者だ。1984年にわずか1,000ドルで起業したDell社を巨大テック企業に成長させた人物だ。デル夫妻の総資産は210兆円と推定されている。それにしても総額9兆円の支援プログラムは巨額だ。日本政府の子供支援政策がかすんで見える。
 支援対象選別の根拠を郵便番号に依拠しているのもユニークだ。私が以前住んでいたScarsdaleというニューヨーク近郊の町はZipCode 10583。 所帯収入中央値は$250001で対象外。隣接するWhitePlainsという都市は$114956で対象になる。全米の約8割の世帯が対象になるとの推計もある。
 10歳以下の児童に、デル氏が骨身に染みて知ったはずの「福利の力」を経験させようという狙いもユニークだ。
 英語で言うTime Value of Money. 今日の1ドルは10年後にいくらになるか。10年後に約束された1ドルは、今はいったいいくらが妥当か。こういったことは米国の金融論の基礎だ。このプランが実現すれば、多くの米国人の子供たちが、蓄えた資金を元手に、デル氏のように起業に挑戦することだろう。
 210兆円の資産から9兆円の寄付ということは約4.3%の寄付だ。デル氏には及びもつかないが、210万円から9万円なら可能かもしれない。「より良い世の中にするために何かできるかもしれない」と普段考えることのないことを考える年の瀬だ。

2025年12月7日 日曜日