東南海沖トラフ地震

 3月11日がまた訪れた。東日本大震災から12年経った。この時期になると震災からの復興が未だにならず、多くの被災者が苦しんでいる現状がTVで繰り返し流される。

 原発周辺にかさ上げして作った住宅地には元の住民が戻ってこない現実もあるようだ。10年も違う土地に住めば、元住んでいた故郷と言えおいそれと戻ることは困難だろう。

 個人的には東日本大震災は過去の話で、重要なのは、東南海沖トラフ地震への備えだと思う。30年以内に起きる確率は70%と言われている。起きるとその被害は甚大だ。総理府の推計では最大1200兆円の被害で日本のGDPの2倍に及ぶ。

 国力の落ちた日本は、GDPの2倍の震災にどのように対応できるのだろうか。太平洋に面した工業地帯、住宅街、発電所などが根こそぎ被害を受け、震災から回復する人も物も金も不足する。

 古くはポエニ戦争に敗北して滅びたカルタゴや、1755年のリスボン大震災後没落したポルトガルのように、我が国が陥る可能性が高い。人生の最終ステージで一国が亡びる姿をわが目で見ることが出来るかもしれない。

2023年3月11日 土曜日